マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

ロイガトーン祭り(灯篭流し)に行ってきた。

2012年11月29日 | 祝 バンコク「魚やす」開店
昨夜は店の営業が終わってから、店の近くに住むスタッフ2人と「ロイガトーン祭り」に行ってきた。

ロイガトーンは日本の「鐘楼流し・灯篭流し」のようなお祭りで、その歴史は古くルーツはインドのガンジス河の灯篭流しから来ているといわれているが、タイではスコータイ時代にプラルーアン王の御后(おきさき)のナングノッパマトが王様を喜ばせる為、12月の満月の日に王様の船から見えるようにバナナの葉で蓮の花をかたどった灯篭を川に浮かべ、その美しさに王様が大変喜んだのが始まりとされている。

今ではこの「ロイガトーン祭り」は「ソンクラーン祭り」と同じようにタイ各地で、タイ旧暦の12月の満月の日に盛大に行われている。

今年の「ロイガトーン祭り」は11月28日で、ちょうど昨日がこの日にあたり、うちの店のOPENの時にお浄めに来てくれたお坊さんのお寺に行くことにした。


もう、深夜に近い時間だったがお寺はたくさんの人で溢れていた。

そして、灯篭を一つ選んで買うことにした。


下が自分が選んだ「ガトーン」(灯篭)で400バーツ(約1200円)

ちなみに「ガトーン」は土台がバナナの幹や葉で作られているので水に浮き、その土台の上に花が飾られお線香とろうそくを灯して川や海へと流す。

「ロイ」がタイ語で「流す」という意味なので「ロイ」(流す)と「ガトーン」(灯篭)で、灯篭流しだ。

「ガトン」を購入したら次は神様のところ行き、お祈りをして「ろうそく」と「お線香」に火を付ける。


そして、専用の籠の上に「ガト-ン」を乗せて川へと流す。


この時にうちの店のスタッフの一人が「髪の毛」を一緒に入れて流すといいと言い始めたが、逆にもう一人のスタッフが、髪の毛や爪を入れるよりお金の方が良いと言いだした。

どうやら、髪の毛や爪を入れて一緒に流すと「悪魔祓い」になるらしいが、今回はお金の方の意見を選択して20バーツを「ガトーン」の中に入れ川へと流した。



さて、この「ライガトーン祭り」だが、日本の灯篭流しとは少し違うような感じを受けた。

日本の灯篭流しは死者の魂を弔って送る行事だが、タイの場合には一年間の罪や汚れを水に流すことによって新しい一年を迎えられると言われている。

そして、とても楽しいお祭りだった。

ただ、帰りのタクシーの中では不思議とこの歌を口ずさんでいた。

[精霊流し By さだまさし]

去年のあなたの想い出がテープレコーダーからこぼれています

あなたのためにお友達も集まってくれました

二人でこさえたおそろいの浴衣も今夜は一人で着ます

線香花火が見えますか 空の上から

約束通りに あなたの愛したレコードも一緒に流しましょう

そしてあなたの 舟のあとをついてゆきましょう

私の小さな弟が何にも知らずに はしゃぎまわって

精霊流しが華やかに始まるのです


あの頃あなたがつま弾いたギターを私が奏(ひ)いてみました

いつの間にさびついた糸でくすり指を切りました

あなたの愛した母さんの今夜の着物は浅黄色

わずかの間に年老いて 寂しそうです


約束通りに あなたの嫌いな涙は見せずに 過ごしましょう

そして黙って 舟のあとをついてゆきましょう


人ごみの中を縫う様に静かに時間が通り過ぎます

あなたと私の人生をかばうみたいに

沖縄料理の「青パパイヤ炒め」(パパイヤ イリチー)を作ってみよう。

2012年11月23日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
バンコクは雨季が明けたがここ数日は雨の日が多く、また相変わらず暑い日が続いている。

今日の昼には気温が36℃以上になり、これでは店内のエアコンも効かなくなり、大型の扇風機を何台か回してお客様には少しでも快適に食事をしてもらうようにしたが、それでも一歩外に出ればいきなり熱気が襲ってくる。

しかし、この太陽の恵みと雨が果物をとても甘くてジューシーで美味しくさせる。

そして、いろいろな種類の果物があり、また価格も日本に比べると格段に安い。

それらの果物をジュースにして販売している屋台や、果物屋もあるが、うちのアパートの近くに果物をたくさん積んだトラックが時々現れる。


とても新鮮で、日本では売られていない果物もたくさん見掛けられる。


さて、前回は青パパイヤを使った「ソムタム・タレー」(シーフード・ソムタム)を作ったが、うちの店のスタッフ達に『タイでは青パパイヤは加熱して食べないのか?』と聞いてみたところ、『貧乏人がおかずの無い時に炒めて食べることがあるが普通は加熱せずに生で食べる』と言っていたが、どうやら皆、炒めてた青パパイヤを食べたことはないようだ。

実は日本にはこの「青パパイヤ」を炒めて食べる地域があり、それは沖縄だ。

「青パパイヤ」は南米が原産の果物だが雑草のように生命力が強い割には、しっかりとした幹と根が無いので台風が来たりすると直ぐに倒れて腐ってしまう。

でも沖縄では昔から多くの家の軒先にもこの「青パパイヤ」があって、ゴーヤ・チャンプルーと同じように油で炒めて食べている。

「チャンプルー」は沖縄の方言で炒めるという意味なので、青パパイヤを炒めたら「パパイヤ・チャンプルー」と呼びそうなものだが、沖縄の青パパイヤ炒めは「パパイヤ・イリチー」と呼ぶ。

どうやら「チャンプルー」は(炒める)、「イリチー」は(炒め煮)ということになるようだが、特に決まりはないようだ。

青パパイヤと一緒に炒める具は「ツナ缶」などが多く使われているが、今回はコクを出す為に「豚のバラ肉」を使用したが、鶏のモモ肉などでもいいだろう。

この料理を作るにあたり、材料を用意していたらうちの店の調理スタッフが、『本当に青パパイヤを炒めるの?』と不思議そうな顔をして見ていたが、この料理はとても簡単で美味しいので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。

◆青パパイヤと豚肉炒め(パパイヤ・イリチー)の作り方。

<用意する物>


写真手前の左から「豚バラ肉」、「出汁」、「醤油」、「塩」。写真奥の左から「青パパイヤ」、「ニンジン」、「ピーマン」、「コショウ」。

<作り方>下処理

①青パパイヤの固い皮をピーラーで削り取る。


②青パパイヤを細く切る。


③ボウルに取る(できれば冷水につけてシャキっとさせる。)


④ニンジンの固い皮をピーラーで削る取る。


⑤ニンジンを細く切る。


⑥ボウルに入れておく。


⑦ピーマンのヘタと切り取り、種を外す。


⑧ピーマンを千切りにする。


⑨ボウルに入れておく。


⑩豚のバラ肉を薄くスライスする。


⑪ボウル等に入れておく。


<作り方>本調理

①フライパンを中火に掛けサラダ油(大さじ2)を入れる。


⑫豚バラ肉(100g)を入れ、両面をじっくり焼く。


⑬青パパイヤ(250g程)を加えて30秒ほど炒める。


⑭ニンジン(150g程)を加えて30秒程炒める。


⑮ピーマン(50g程)を加えて30秒程炒める。


⑯出汁(濃いめの出汁を大さじ3、又は大さじ3の水に顆粒だしを小さじ1)を入れる。


⑰塩を加える(小さじ1弱い。醤油の塩気が強ければ入れなくてもよい)


⑰醤油を大さじ1加える。


⑱コショーを少し振る。


⑲全体をよく炒めて出来上がり。


出来上がりの写真。

この料理を美味しく作るポイントは炒め過ぎないことだ。

また、出汁は濃いめの方が「おかず」にも「酒のつまみ」にも合うと思う。

出汁を加えたら火を強めて全体を炒め煮し、野菜のシャキシャキ感が残るくらいで火から下すといいだろう。

さて、何回か続けて「タイ料理」を作ってきたが、野菜をたくさん使った料理が多く、また、素材の味を生かした調味料の使い方には勉強することが多いと思う。

早い物で、あと数日で12月になるが、12月から幾つか新メニューを加えるので、このブログも少しの間お休みさせていただく。

次回は新メニューの写真と共にレシピを紹介したいと思う。。。





危険な味がやみつきに?タイの青パパイヤと塩漬けの沢蟹のサラダ(ソムタム プーパラー)

2012年11月19日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
タイ料理には幾つも有名なものがあるが、その中でも「ソムタム」を外すことはできないだろう。

この料理はタイの東北部のイサンの代表料理だが、現在ではバンコクでもタイ料理のお店ならたいていは「ソムタム」をメニューに載せている。

「ソムタム」とは「ソム」(酸っぱい)、「タム」(叩く)という意味で、まだ熟していない「青パパイヤ」のサラダで、「甘い、辛い、酸っぱい、塩味」というタイの味の調和が素晴らしい。

そこに、「塩漬けの沢蟹」などの旨みが加わり、一度食べるとやみつきになってしまう味だ。

ソムタムには加える具材によっていろいろな種類があり、塩漬けの沢蟹を加える「ソムタム・プーパラー」や、フレッシュの渡り蟹を加える「ソムタム・プーマー」や、魚の塩辛を加えた「ソムタム・プラーラー」や、フルーツを加えた「ソムタム・ポンラマイ」、それに、欧米人や日本人にも食べやすいように辛味を抑えて茹でた海老などを加えた「ソムタム・タイ」というように加える具材や味付けで様々なソムタムがある。

その中でも一度食べたらやみつきになるのが、塩漬けの沢蟹を加える「ソムタム・プーパラー」だ。

実は自分の住んでいるアパートの近くに、この「ソムタム・プーパラー」を作ってくれる屋台が出没する。

ソムタムの他に、タイのイサン料理の「焼き鶏」(ガイヤーン)等も炭火焼きしてして煙が立ち上っているのだが、この煙の香ばしい臭いに誘われてアイドルタイムにはこの屋台に立ち寄り「おかず」を買ってアパートで遅い昼飯ということになる。

下がその屋台の写真。


鶏や魚なども炭火で焼き立てが売られている。


炭火で焼き立ての焼き鳥はとってもジューシーだ。

そして、この屋台のおばちゃんの作る、塩漬けの沢蟹を加えた「ソムタム・プーパラー」は絶品だ。

下の写真のガラスケースの下にソムタム(青パパイヤ)を切ったものが入っている。


おばちゃんが黙々とソムタムを作っている。


ちょっとおばちゃんの手元を覘いてみよう。
(青パパイヤの上にあるのが塩漬けの沢蟹でちょっとグロテスクな感じがする。)


ナンプラーやマナオ(レモン)等の調味料を加えている。


そして棒で叩けば出来上がりだ。

おばちゃんは一仕事を終えると、近くにいたお客さんとビールで乾杯!
(何と、のどかな国なんだろう。)

さて、和え物やサラダ等は調味料を加えてから時間が経つと野菜から水が出てべシャっとなるので急いでアパートに帰って食べることにした。
(手前が蒸もち米を蒸した「カオ二ァオ」、そして、焼き鳥「ガイヤーン」と「ソムタム」だ。


下の写真は皿に盛りつけたところだが、付け合せの野菜はサービスで、全部で65バーツ(約200円)という驚きの安さだ。

こんなに安い屋台の料理だが、イサン出身のおばちゃんの味は本物でとっても美味しいし、とても新鮮な材料を使っている。

実は最初のうちは「沢蟹の塩漬け」を食べることがなかなかできなった。

それは「グロテスク」な見た目ではなく「肺吸虫」という寄生虫が怖かったからだ、もし、この寄生虫が体内に入ると肺に寄生し、肺結核や肺がんのような症状になったり、または肺に水が溜まったり、肺気腫という恐ろしい病気になることもある。

そして、もし寄生虫が脳に移動したりすれば命を落とすこともある。

下が「肺吸虫」の拡大写真。


でも「塩漬け」にすれば大丈夫ではないか?と思うかもしれないが、この「肺吸虫」という寄生虫はとてもしぶとくて塩漬けにしても10日間位は生きているという。

だから、なるべく食べない方がいいのだが、この「沢蟹の塩漬け」が入っていないソムタムは何か物足りないような気がして、危険とは思いつつも自分からチューチューと蟹のエキスを吸ってしまう。

さて、今回、その塩漬けの沢蟹を加えた「ソムタム・プーパラー」を作ろうと思ったのだが、「肺吸虫」の写真を見た後ではさすがに食欲がわかないだろう。

そこで、今回は「渡り蟹」を使い、「海老」や「イカ」も加えた「ソムタム・タレー」(シーフード・ソムタム」を作ってみよう。

「海老」と「イカ」はさっとボイルするが、「渡り蟹」は生のまま食べるので、なるべく新鮮な物を用意しよう。

◆「ソムタム・タレー」(シーフード・ソムタム)の作り方。

<用意する物>

写真手前の左から「ライム」、「トマト」、「インゲン」。写真中央の左から「海老」「イカ」「青パパイヤ」、「ナムターン・ピープ」(ココナッツ砂糖)、ナンプラー、「味の素」。写真奥の左から「渡り蟹」、「生の唐辛子」、「ピーナッツ」、「干しエビ」。尚、写真には写っていないが「にんにく」を1/2個程使用した。

<作り方>青パパイヤの下処理。
①青パパイヤの固い皮をピーラーで剥く。


②ソムタム用の千切りカッターで青パパイヤを削る。


③氷水の中に入れてシャキっとさせる。


④氷と一緒にザルに入れておく。


⑤ピーナッツの皮を剥いておく。(生の場合は最初に油で揚げる)


<作り方>渡り蟹の下処理。
①渡り蟹の殻を外す。


②爪を根本から切り取る。


③エラを取り除き、口、目、内臓などを切り取り捨てる。


④胴を半分に切る。


⑤足を一本づつ切り取る。


⑥爪の固いところは叩いて食べやすいようにする。


⑦流水で身に付いている内臓や汚れを綺麗に洗い流す。


⑧氷水の中に入れて冷やす。


<作り方>イカの下処理。

①イカの胴に包丁を入れて開く。


②イカを広げる。


③イカの身に包丁を斜めにしながら、スリット(切り込み)を入れる。


④最初に入れた切り込みに垂直になるように包丁を斜めにしながらスリットを入れる。


⑤食べやすい大きさに切る。(茹でると縮むので少し大きめに切る。)


<作り方>イカと海老を茹でる。

①鍋にたっぷりの湯を沸かし、イカを入れる。


②直ぐに海老も加える。


③30秒程してイカが丸まったら火を止める。(茹ですぎると固くなるので注意!)


④ザルに上げて生上げ(自然に冷ます)する。


<作り方>本調理
①生の唐辛子(5~6本)のへたを取り、臼に入れる。


②にんにく(5片)を臼に入れる。


③棒で叩いて擦り潰す。


④ライム(2個分)を絞って加える。


⑤ナンプラー(大さじ4)を加える。


⑥ココナッツ砂糖(大さじ2)を加える。


⑦棒で叩く。


⑧いったん中身をボウル等に移す。


⑨臼は洗わず、インゲン(2本分)を3㎝程にちぎって臼に入れる。


⑩棒で叩いてインゲンを柔らかくする。


⑪トマト(3個)を食べやすい大きさに切って臼に入れる。


⑫棒で叩く。


⑬いったん取り出したソースを臼に戻す。


⑭ライム(2個分)を絞ったライムジュースを加える。


⑮味の素(小さじ2)を加える。


⑯棒で叩く。


⑰干しエビ(大さじ1)を加える。


⑱ピーナッツ(大さじ2)を加える。


⑲海老とイカを加える。


⑳青パパイヤを加えるる。


(仕上げ)よく混ぜ合わせる。


(盛りつけ)皿に渡り蟹を並べて、臼の中の具材を盛りつける。


下が完成写真。


お好みで、キャベツやインゲン等を添えて、出来立てを食べよう。

さて、日本でも「青パパイヤ」を食べる地域がある。

次回は日本の「青パパイヤ」料理の話をしよう。。。








タイの家庭料理 カイチアオ(タイのオムレツ)はお袋の味。

2012年11月18日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
雨季が明けたバンコクは、まだまだ暑い日も多いが雨の振る日が少なくなったので、昨日のアイドルタイムに久しぶりにエラワンの祠にお参りに行ってきた。

飲食店という商売をしていると、スタッフが怪我をしないよう、また、火を使っているので火災にならないよう、いつも気に掛かる。

そこで時間のある時には神様にお参りに行くのだが、その時に一つのルールを自分で決めている。

それは、神様に「お願いをしない」ということだ。

皆が皆、神様のところにお願いに行ったら、神様も疲れてしまうのではないだろうか?

だからお参りに行く時は「いつも守っていただいていることへの感謝」を伝えに行くことにしている。

さて、今回はエラワンの祠にお参りに行った後、直ぐ近くの伊勢丹デパートに立ち寄ることにした。

新しくOPENした飲食店に食事に行く為だが、伊勢丹デパートの近くの歩道橋で面白い物を見つけた。



上の写真ではちょっと分かり難いかも知れないが、それはタイ文字の文字盤の時計だ。



こういうタイ文字の時計を見たりすると、タイは本当にゆっくり時間が流れているなと感じる。
また、伊勢丹の前で突然変なオブジェを発見した。



たぶん偉い(有名?)な女性の顔のオブジェなのだろうが、いったい誰なんだろう?

こういう物が突如現れたりするのもバンコクらしくていいと思う。

また、伊勢丹デパートの正面にも祠が2つあり、ここを訪れる人も多い。



左の大きい方の祠が、「トルムルティの祠」でヒンドゥー教の3大神である「ブラフマー神」「ヴィシュヌ神」「シヴァ神」が一体となった神様(三神一体)で、この神様をお参りすると「恋愛」が叶うと言われ、多くの若いタイ人の女性がここを訪れる。

特に毎週木曜日の21時半には神様が降りてくるらしく、この日にお参りするとご利益も大きいようだ。

また、右の方の小さい祠は「ガネーシャの祠」で、何の願いことも叶うと言われている。

象の頭を持つ不思議な神様だが、インドでは最も人気の高い神として敬われているようだ。

今回、伊勢丹デパートからの帰りには「BTSのサイアム駅」まで歩いたが、「セントラルデパート」の正面に巨大なクリスマスツリーを設置していた。



しかし、雪の降らない国のクリスマスツリーというのは何度見てもピンとこないものだ。

また、話が長くなってしまったが、今回はタイのオムレツ「カイチアオ」を作ってみよう。

タイではどこの家庭でも作る家庭料理だが、卵以外に加える具は一般的な「万能ネギを細かく切ったもの」以外に「豚の挽肉」や「トマト」や「ポテト」等、様々で、それぞれの家で味の異なる言わば「おふくろの味」だ。

この料理の特徴は油をたくさん使うことで、カイチアオというタイ語のカイは「卵」で、チアオは「揚げる」で、卵を油で焼くというより揚げるように調理する。

それでは早速作ってみよう。

◆カイチアオ(オムレツ)の作り方。

<用意するもの>


写真手前の左から「卵」(4個)、「ナンプラー」(大さじ1)、「白コショー」(小さじ1/2)、味の素(小さじ1)、「万能ネギの小口切り」(大さじ2)。他に「サラダ油」(大さじ4)。

<作り方>

①ボウルに卵4個を割る。


②かき混ぜる。


③味の素を小さじ1加える。


④ナンプラー大さじ1を加える。


⑤万能ネギの小口切り大さじ2を加える。


⑥白コショー小さじ1/2を加える。


⑦よく混ぜ合わせる。


⑧フライパンを中火に掛けて、サラダ油(大さじ4)を加える。


⑨そのままフライパンを熱して、十分にフライパンが熱くなったら卵を流し入れる。


⑩大きくかき混ぜながら焼き、下の面に焼き色が付いたかどうか箸で確認する。


⑪下の面に綺麗な焼き色が付いたらフライパンを振ってひっくり返す。
 (皿を上に乗せてひっくり返してから、反対の面を焼いてもよい)


⑫両面に綺麗な焼き色が付いたら皿に盛り「ホットチリソース」を添える。


今回の「カイチアオ」には定番の「ホットチリソース」を添えたが、お子さんのいる家庭では「スイートチリソース」を添えるのもいいだろう。

さて、次回は「タイ料理」でもこれにハマる日本人もとても多い「ソムタム」(青パパイヤのサラダ)を作ってみよう。

タイの東北料理(イサン料理)だが、今ではどこのタイ料理店でも「ソムタム」を置いている。

ソムタムのソムはタイ語で「酸っぱい」、タムは「叩く」という意味だが、一度食べるとクセになる。

熟していないパパイヤを細く切り、唐辛子、ニンニク、マナオ(ライム)、ココナッツ砂糖などで和えた簡単な料理だが、生のパパイヤのシャキシャキ感と「酸っぱい」「甘い」「辛い」「塩味」のタイの4つの味のバランスが絶妙だ。

尚、「ソムタム」にはいろいろな種類があるので、次回はその話もしよう。。。






タイの「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)のプリプリ感。

2012年11月15日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
雨季も明け、バンコクはここのところ朝晩の気温も下がってきて過ごしやすくなってきた。

今回はタイの「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を作るが、うちの店でも「自家製さつま揚げ」という商品をメニューに載せている。

以前はタイで水揚げされる「鯛」や「スズキ」を使って、すり身にするところから手造りしていたのだが、刺身で食べられるような鮮度の魚を使ってはどうしてもコストが合わないので、今はタイで生産され日本向けに輸出されている「イトヨリ」という魚のすり身(無リンすり身)を仕入れて、それを原料に具材(ごぼうやニンジン)を加えて手造りしている。

今回、タイの「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を作ってみることにしたのは、あのプリプリ感をどうやって出すのか知りたかったからだ。

日本のスーパー等で安売りされている「さつま揚げ」のほとんどは「重合リン酸塩」という体に危険な添加物を加えて、あの食感(プリプリ感)を出していて、また、大量のグルソー(化学調味料)で味付けされている。

自分の古くからの友人で「塩釜」でさつま揚げを作っている会社の常務のブログに「さつま揚げ」についていろいろ書いてあるので参照してもらいたいが、彼の工場では今でも「リン酸塩」も「グルソー」も使用しない本物のさつま揚げを作っている。

http://ameblo.jp/marubun-s/theme-10036340006.html

ではなぜ、「リン酸塩」という食感(プリプリ感)を向上させる添加物が良くないのかだが、この添加物の危険性はだいぶ前から知られていて、体内のカルシウムを溶かして体の外に出してしまうのだ。

その結果、「骨粗しょう症」になり、骨がスカスカになってしまうという恐ろしい添加物だ。

そんな添加物は使わなきゃいいと思う人が多いと思うのですり身の歴史について少し話をしたい思う。

まず、「すり身」というのは「塩」を加えることによって、魚肉に含まれるタンパク質が網目状に変化し、その網目状の構造の中に水を封じ込めた状態になり、それを加熱することによって、あの独特のプリプリした食感が生まれる。

もし「塩」を加えないで加熱した場合は中から水が出てしまうので、あの食感は生じない。

昔(昭和35年頃まで)は、どこでも前浜で獲れる小魚等を使い「すり身」にしてから塩を加えて、「さつま揚げ」や「蒲鉾」や「竹輪」などを作っていた。

また、作られる産地や場所で使われる魚も違い、特色のある物が多かった。

たとえば、大阪では(ハモ)、静岡では(イワシ)、小田原では(グチ)のすり身を使った商品が作られていた。

しかし、「生のすり身」というのは日持ちがとても悪く、2日程で傷んでしまう。

そんな時に突如現れたのが「冷凍すり身」という商品だ。

当時、北海道では「スケトウタラ」の水揚げがとても多かったものの、魚卵(たら子)を取ってしまった後の身の処分に困っていて、二束三文で売られたいた。

その「スケトウタラ」の有効利用として生まれたのが「冷凍すり身」で、すり身に塩と砂糖を加えることで、冷凍できるすり身が誕生した。(加塩すり身)

これは画期的な商品で、主に「魚肉ソーセージ」等の原料に使用され大ヒット商品になった。
しかし、塩と砂糖を加えたすり身はプリプリ感が少なく、「魚肉ソーセージ」には向いているものの、さつま揚げや蒲鉾等には弾力が不足していた。

そこで登場したのが塩の代わりに「リン酸塩」を加えた(無塩すり身)で、色が変色してしまう砂糖の代わりには、ソルビトール(果実などから作られる糖類)が使われ、また、トレハロース(多糖類)を加えたものもある。

「リン酸塩」には保存料としての効果は期待できないが、あのプリプリした食感を出すにはもってこいの添加物で保水作用は絶大だ。そして、僅か0.2%~0.5%加えるだけでいいのでコストを安く抑えることもできる。

よく、スーパー等でパックに入れられている海老で、最初からプリプリした食感の物があるが、あの海老も「リン酸塩」が使われ水をたくさん含まされている。

さて、また話が長くなってしまったが、今回はタイの「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を作るが、「リン酸塩」など使わなくても、誰にでも簡単に作れて、こんなにプリプリした食感で美味しい料理がタイにあるので、ぜひ、皆さんにも作ってみてもらいと思う。

◆「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)の作り方。

<海老の下処理>

①海老(殻付き)1㎏を用意しボウルに入れる。


②海老の殻を剥く。


③片栗粉大さじ3を加える。


④水を1カップ(200ml)程加えて、揉み込むようにして海老の汚れを取り除く。


⑤たっぷりの水を加えて汚れを洗い流す。


⑥ザルに上げる。


⑦よく水気を取る。(汚れが取れてない場合には②~⑤の作業を繰り返す)


⑧乾いたタオルを用意し、水気を切った海老を並べていく。


⑨海老を横一列になるように並べる。


⑧タオルを端から丸めていき、海老を巻き込む。


⑩更にに渦巻きのように丸めていく。


⑪きっちり巻いたら、海老の水分を十分にタオルに染み込ませる。


⑫タオルを開いて海老の水分が十分に取れているか確認する。


⑬ボウルに移す。(汚れが完全に取れ、水分もタオルで十分に拭き取られている)


⑭フードプロセッサーを用意して海老を入れる。


⑮約30秒程フードプロセッサーに掛ける。


⑯少しづつフードプロセッサーを回し、何度か確認しながら少し粒が残る程度にする。


⑰海老をフードプロセッサーからボウルに移し、1時間程度冷蔵庫に入れておく。

<豚の背脂の下処理>

①1㎏の海老から400gの海老すりみが出来たので150gの背脂を用意する。
 (豚の背脂は海老に対して30~35%程を加える)


②豚の背脂を5㎜位の厚さにスライスする。


③まずは縦に細く切る。


④次に横にして粗みじんに切る。


⑤更に包丁でたたいてペースト状にする。


<調味料を用意する>

下がすり身に加える調味料の写真。

写真手前から「塩」小さじ1。写真中央の左から、「砂糖」小さじ1、「味の素」小さじ1、「卵黄」1個分。写真後ろの左から「片栗粉」大さじ2、「白コショー」小さじ1、ごま油小さじ1弱。

<本調理>

①ボウルに「海老すりみ」と「豚の背脂のペースト」を入れる。


②砂糖、味の素、塩を各小さじ1ずつ加える。
 (どれも白く、同じような写真になるので写真は一枚とした。)


③白コショーを小さじ1加える。


④片栗粉を大さじ2加える。


⑤ゴマ油を小さじ1弱加える。


⑥卵黄1個分を加える。


⑦よく混ぜ合わせる。
この時に全体を手で丸め、ボウルに叩きつけるようにして粘りを出す。(5~6回)


⑧出来上がったすり身をピンポン位の大きさにして、パン粉の上に並べる。


⑨パン粉を全体にまぶすように付ける。


⑩真ん中にくぼみを開けドーナッツ状にする(真ん中の部分にもまんべんなくパン粉を付ける。)


⑪170℃に熱した油でゆっくり揚げる。(少し低めの温度の方がプリプリとした食感になる。)


⑫皿に盛って出来上がり。

さて、この「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)だが、スイートチリソースを添えても美味しいが、この料理には「ブアイドンワン」という梅のソースの方が合うと思う。



「ブアイ」とはタイ語で「梅」という意味で、梅と聞くと酸っぱいような感じを受けるが、とっても甘いソースで、日本の「梅酒」をイメージすると分かりやすいと思う。

さて、この「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を美味しく作るポイントはよく練って粘りを出し、プリプリとした食感にすることだ。

タイ語でトート・マン・クンは、トート(揚げる)、マン(練る)、クン(海老)という意味だが、練りが足りないとボソボソとした食感になってしまう。

もし、まだ粘りが足りないかな?と思ったら、揚げる前に少量を電子レンジで加熱して食べてみるといいだろう。

また、今回は「味の素」を少量使ったが、味の素を入れなくても十分に美味しく食べられる。

「リン酸塩」等を使わなくても、プリプリ感のある「美味しいすり身の料理」が作れるのだと改めて感じる一品だと思う。

さて、次回はもっと簡単に手軽に作れるタイ料理を紹介しよう。。。




バンコク 魚やす(UO-YASU)の忘年会メニューと店内写真。

2012年11月10日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
今回は「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を作る予定だったが、忘年会メニューと店内の写真を撮ったので紹介したいと思う。

バンコクに住んでいると毎日が30℃以上という暑さなので、忘年会と聞いてもピンと来ないが、日本の忘年会と言えばなんと言っても料理は「鍋」だろう。

皆で鍋を囲めば会話もはずむし、外で冷えた体を温めてくれる。

今回、フリーペーパーの「忘年会特集」用に何か一品新しい料理を考えていたが、やはり忘年会の定番の鍋料理にすることにした。

ただし、毎日が暑いバンコクでも、あっさり食べられるように「塩ちゃんこ」にした。

下の写真がその「トロつくね入り海鮮塩ちゃんこ鍋」だ。


白菜やネギやほうれん草などのたくさんの野菜に豆腐、それに大海老、イカ、ハマグリ等の旨みが出る魚介類や鶏のモモ肉に、椎茸やエノキやシメジが味と香りを添えている。

そして何と言ってもこの鍋の主役は「マグロのトロつくね」だ。

マグロの頭肉や尾の身等、多少筋の多いマグロの部分をたたいて「つくね」にしているが、筋の部分は加熱するとゼラチン質となってまったく気にならず、かえって筋の出汁がスープに溶け込み絶妙な味になる。

塩味なのでさっぱりしているのも特徴で、少量加えたバターと輪切りの唐辛子、それにニンニクのスライスも少量加えて香とコクが加わり、絶品の味に仕上がっている。

こんなにふんだんに良質の素材を使って980バーツという価格は、もちろん赤字だが、多くのお客様に日頃お世話になっている感謝を込めての赤字覚悟の価格設定にした。

下の写真はちょうど「煮えばな」の状態で、写真では分からないがとてもよい香が漂っている。
(奥の写真がトロつくね)


この「塩ちゃんこスープ」の配合は以前このブログで紹介したので探してみて欲しい。

今回のスープの配合もほとんど同じだが、「トロつくね」を加えることで更に美味しくなっている。
さて、この鍋の写真撮影と同時にお座敷の写真も撮ることにした。

「魚やす」ではお座敷をつなげると30名様ま収容できるようになる。(下の写真)


30名が同時に入れるお座敷は他店にはなかなか無いと思うので、大人数の忘年会や宴会を予定されている方はなるべく早く予約の電話をして欲しい。(既にかなりの予約が入り始めている。)

また、テーブル席もゆったりしているので、くつろいで食事をしたい方々に好評だ。


今年もあと一か月半となったが、月日の経つのは本当に早い。

料理も毎日、毎日が勉強の積み重ねだが、やればやるだけ面白くなってくる。

特にタイ料理の味のバランスと、調味料や香草の使い方には勉強する部分が多い。

さて、次回は「海老のさつま揚げ」(トート・マンクン)を作ってみることにしよう。


本格的なタイのヤムウンセン(春雨のサラダ)を作ってみよう。

2012年11月09日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
雨季も明け、これからタイは翌年の2月頃までがハイシーズンとなりとても過ごしやすくなる。

でも、ここ数日はとっても蒸し暑い日が続き、体もなんとなくだるく食欲もなくなってくる。

そんな時には今回紹介する「ヤムウンセン」(春雨のサラダ)を作ってみてはどうだろう。

タイ料理の特徴は「甘い」「酸っぱい」「辛い」という味のバランスがとてもよく、またこの3味に「塩味」が加わることで味を引き締め、さらに、さまざま香草の香がタイ料理をさらに引き立てている。

この「ヤムウンセン」だが、タイ語で「ヤム」は和える。「ウンセン」は春雨という意味だが、日本人のイメージする和える(混ぜる)という意味とタイ語の「ヤム」(和える)は少し違うようだ。

日本料理にも「ゴマ和え」や「酢味噌和え」「白和え」「梅肉和え」等の料理があるが、タイ人の「ヤム」というイメージは「甘い」「酸っぱい」「辛い」それに「塩味」や香草などの香が混ざり合った料理のようだ。

さて、この料理を美味しく作るコツは手間を惜しまないことだ。

そして、海老やイカなど海産物を使う時には生でも食べられるような鮮度の良い物を使おう。

海老は背ワタを取り、イカは浅く包丁を入れておこう。

それらの具材を鍋に沸かしたたっぷりのお湯のなかでさっと茹でていくが、火を通し過ぎないように注意し、また、具材はそれぞれ別々に茹でていく。

ちょっと手間は掛かるが、具材を全部一緒に入れてしまうと湯の温度が急に下がり、具材すべてに火が通る頃にはどれも固くなってしまう。

生でも食べられそうなイカならば、さっとお湯にくぐらす程度に、また、海老も中心はまだ生の時にお湯から引き出しても余熱で火か通る。

豚の挽肉も同じで、茹で過ぎると「ボソボソ」になってしまう。

そして、最後に沸騰したお湯のなかに「春雨」を入れて茹でる前には、鍋の「アク」をきれいに取り除こう。

アクまみれの春雨では見た目も汚く食欲をそそられない。

このヤムウンセン(春雨のサラダ)は冷やさないで、そのまま作りたてを食べた方が美味しいと思うが、冷たい方が好きならば具材を冷蔵庫で冷やし、食べる直前に調味料と和えるようにしよう。

酢の物などもそうだが、調味料を加えてしばらくおくと野菜から水が出てベチャっとしてしまう。

この料理は手間は掛かるが、その手間の分、なおさら美味しく食べられる。

それでは、早速作ってみよう。

◆ヤムウンセンの作り方。

<用意する物>

写真の手前の左から「豚の挽肉」(ムゥ)150g。「海老」(クン)10尾。「イカ」(プラムック)150g。生唐辛子(ピックソー)30g。水(ナンパオ)100CC。味の素(ポンチューロット)小さじ1。砂糖(ナムターン)大さじ2。写真奥の左からトマト(マックワテー)2個。紫玉ねぎ(ホムデーン)2個。ライム(マナオ)2個。キクラゲ(へッフーヌゥ)50g。万能ネギ(トンホーム)5本。コリアンダー(パクチータイ)5本。セロリの葉(パックンチャイ)5本。春雨(ウンセン)150g。タイ醤油(ナンプラー)大さじ2。チリソース(ソースプリック)大さじ3.

<作り方>下準備

①春雨を5㎝程の長さに切っておく。


②鍋を中火に掛け、水100CCを入れ沸騰させる。


③砂糖(大さじ2)を入れる。


③よく混ぜ合わせて砂糖を溶かし「砂糖水」を作る。


<作り方>野菜などの下処理

④トマトは中心の固い部分を残すようにして切る。(中心の固い部分と種は取り除く)


⑤7㎜~8㎜幅で厚くスライスする。


⑥紫たまねぎを薄くスライスする。


⑦水で戻したキクラゲの固い部分を取り除き、食べやすい大きさに切る。


⑧セロリの葉を2㎝位の長さに切る。


⑨万能ネギを2㎝位の長さに切る。


⑩パクチータイを2㎝位の長さに切る。


⑪ライムを3等分に切る。


⑫すり鉢(コーピック)に唐辛子を入れる。


⑬棒で叩いてすり潰す。


⑭小皿に取り出す。


カットした野菜の集合写真。


<作り方>具材を茹でる。

①鍋にたっぷりの湯を沸かしキクラゲをさっと茹でる。


②よく水を切ってボウルに入れる。


③海老を再び沸騰させた鍋の湯の中で茹でる。(軽く1分程度。中心が生でも余熱で茹で上がる。)


④よく水を切ってボウルに入れる。


⑤イカを再び沸騰させた鍋の湯の中で茹でる。(軽く30秒程。イカは生でも食べられる鮮度の物。)


⑥よく水を切ってボウルに入れる。


⑦豚の挽肉を再び沸騰させた鍋の中で茹でる。(軽く2分程。茹ですぎるとボソボソになる。)


⑧よく水を切ってボウルに入れる。


⑨豚肉を加えると鍋の湯にたくさんアクが浮くので、しゃもじで綺麗に取り除く)


⑩アクを取り除き、再び沸騰させた鍋の湯の中に春雨を入れて茹でる。(軽く30秒程)


⑪よく水を切ってボウルに加える。



<作り方>本調理(和える)

①ライムを2~3個分絞って小皿や小さなボウルに入れる。


②ボウルの具材にライム(大さじ3)を加える。


③ナンプラー(大さじ3)を加える。


④チリソース(大さじ3)を加える。


⑤砂糖水(大さじ2)を加える。


⑥味の素(小さじ1)を加える。


⑦生唐辛子(大さじ2)を加える。


⑧全体をよく混ぜ合わせる。(和える)


⑨皿に盛って完成。


このタイのヤムウンセン(春雨のサラダ)は手間を惜しなまなければ誰にも簡単に作ることができてとっても美味しい。

砂糖もそのまま使わずに「砂糖水」にしてから加えることで、とてもまろやかな味になる。

さて、前回と今回とサラダが2つ続いたので、次回は「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を作ってみよう。










タイのラープ(幸せ)という名前のサラダ。

2012年11月07日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理


いきなり、マグロの頭の写真で驚いた人もいるかと思うが、このマグロの頭は本マグロ(クロマグロ)の頭で肉がたくさん付いている。(もちろんお刺身でそのまま食べられる鮮度だ。)写真の男性はうちの店の調理スタッフのJYO。


これを以前は丸ごと焼いて出していたのだが、焼き上がるのに2時間以上も掛かり、また、少人数では食べきれないので最近は半分にカットして出している。(価格も以前の半分)



自分で言うのもおかしいが、このマグロのカブト焼きは絶品なので大切なお客さんの接待などにお勧めしたい。(要予約)

さて、今回は「ラープ」を作ってみたいと思う。

この料理はタイの東北地方の料理で、ラオスから伝わったとされているが日本人にも好まれる味だと思う。

ちょと辛い味付けで、ミントや香草がたくさん入ったサラダで、肉は「鶏の挽肉」を使ったもの、「牛の挽肉」や「豚の挽肉」を使った「ラープ」もあり「内臓系」を加えたラオス風の「ラープ」もある。

白いご飯と一緒に食べても美味しいが、餅米を蒸した「カオニャオ」とも合うし、レタスで包んでビールのおつまみにもとても合う。

そして、この料理の特徴は肉を油で炒めないことだ。

余計な油が入らないことで、サラダとして美味しく食べられ後を引く。

また、「カオクワ」という餅米を炒ってから細かく擦ったものを入れるのもこの料理の特徴で、「カオクワ」の食感と香りが「ラープ」のうまさを引き立たせている。

この「ラープ」という料理の名前だが、ラオス語で「幸せ」という意味だと聞いたことがある。

本当に「幸せ」という意味なのか確かめたかったが、うちのスタッフにはラオス人が居ないので、タイの東北地方のイサンという場所から働きに来ているスタッフ2名に「ラープ」とはどういう意味なのか聞いてみたが、「肉を細く切った物」とか、「サラダ」とか、つまらない回答ばかりだった。

なぜ、イサンのスタッフに聞いたのかだが、もともと現在のイサンという地域はラオスの一部で「ラーンサーン王国」だったからだ。

後に(18世紀)にイサンはタイに取り込まれたが、今でもイサンではイサン語(ラオ族の話すラオ語)を話している。

ラオ族の血を受け継ぐイサンの人なら「ラープ」の意味が分かるかと思ったのだがガッカリした。

さて、それでは早速、「ラープ」を作ってみよう。

今回は「ラープムゥ」(豚の挽肉)のラープを作ることにしよう。

◆「ラープムゥ」の作り方。

<用意するもの>

手前の写真の左から「いろいろな野菜や柑橘類」(詳細は別の写真で説明)、写真後ろの左からムゥ(豚の挽肉)400g、「ナンプラー」、「カオクワ」、プリッポン(唐辛子の粉)。尚、写真には写っていないが、ピックワ(鷹の爪)とポンチューロット(味の素)を少量使用した。

<いろいろな野菜や柑橘類>

写真の左から、サラネー(ミント)、パクチータイ(コリアンダー)、パクチーファラン(パセリと言われているが、パクチータイを濃くしたような味で香も強い。)、トンホーム(万能ネギ)、バイマックルー(こぶミカンの葉)、ホムデーン(紫玉ねぎ)、マナオ(ライム)。

<作り方>野菜を切る。

①ホムデーン(紫玉ねぎ)をスライスする。


②トンホーム(万能ネギ)とパクチーファランを一緒に小口切りする。


③バイマックルー(こぶミカンの葉)を指先で丸める。


④バイマックルーを細く千切りにする。


⑤パクチータイ(コリアンダー)を1㎝位の長さに切る。


⑥ミントの葉を軸から摘み取る。


⑦マナオ(ライム)を3等分に切る。


<作り方> ピックア(鷹の爪)を油でさっと揚げる。

⑧ピックアを170℃の油で揚げる。(焦げて黒くならないように注意する。)


⑨キッチンペーパー等で油を切る。


<作り方>本調理

⑩フライパンを中火に掛けてムゥ(豚の挽肉)を入れる。(油は敷かない!)


⑪途中で水を大さじ1程加える。


⑫肉全体に火が通るように炒める。


⑬肉に火が通ったらボウルに入れる。


⑭カオクワを大さじ2加える。


⑮マナオ(ライム)を1個分絞る。(さっぱり味が好きならば多めに入れる。)


⑯ナンプラーを大さじ3加える。


⑰味の素を小さじ1加える。


⑭プリッポン(唐辛子の粉)を大さじ2加える。


⑮パクチータイ(コリアンダー)、パクチーファラン、トンホーム(万能ネギ)、ホムデーン(紫玉ねぎ)等の野菜を加える。


⑯さらにバイマックルー(こぶミカンの葉)など、ミント以外の野菜をすべて加える。


⑰全体をよく混ぜ合わせる。


⑱皿に盛る。


⑲キャベツ(クランピー)、インゲン(トゥアファックヤーオ)、キューリ(テンクワー)など、お好みの野菜を添えて、ラープの上にミントの葉(サラネー)と揚げた鷹の爪(ピックア)を乗せる。


完成写真。


この料理は日本の酢の物や和え物と同じで、調味料を加えてからしばらく置いておくと、野菜から水が出てベチャっとしてしまう。

食べる直前にサッサッと和えて食べるのが一番美味しい食べ方だ。

中に入れる具は自分の好きな物を加えて、オリジナルの「ラープ」を作ってみるのもいいだろう。

また、今回はキャベツとインゲンとキューリを添えたが、レタスを添えて「ラープ」をレタスで包んで食べるとビールにピッタリなおつまみになる。

さて、次回は「ヤムウンセン」(春雨のサラダ)を作ってみよう。










最近ハマっている、タイの「揚げワンタン」はとってもアロイ。

2012年11月05日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
今年も早いもので11月に入ったが、タイは1年中30℃以上の気候なので、そろそろ年末が近いのだという気持ちになれないから不思議だ。

BTSの「サイアム駅」の界隈には、巨大なクリスマスツリーのデコレーションが始まったが、クリスマスと言うとやはり雪が降る寒い国のイメージだ。

さて、今回はタイの揚げワンタンを作ってみたいと思う。

実は、最近これにハマっているのだ。

バンコク市内にはいたるところに屋台があり、ラーメンや惣菜やお菓子やコーヒーやジュース等を売っているが、こんなに屋台があるということは、皆、自分の家では料理を作ったりしないのではないかと思う。

そんな屋台の中で「揚げワンタン」の屋台を見掛けることがあるが、中に入れる具は千差万別で、豚肉もあれば海老もあるし、魚のすり身や魚肉ソーセージが入っていることもある。

そして、最近ハマっているのが、「エカマエ通り」の「Big C」という大型スーパーマーケットの1階にある、タイラーメンのお店の「海老の揚げワンタン」だ。

わざわざこれを食べに出掛けることはないが、「Big C」に店で使う消耗品などを買い物に行く時にはついつい立ち寄ってしまう。

そして、魚肉団子の入った「クイツティアオ」(タイのお米が原料の白いラーメン)と、この「海老の揚げワンタン」を食べてから自分の店へ戻るが、内心、この店に行くのを楽しみにしていて、お目当てがこの店の「海老の揚げワンタン」だ。

タイにはお米が原料の麺の他に、「バーミー」という(普通の黄色いラーメン)があり、よく中国の広東省の人がタイに広めた「卵麺」がルーツという話を聞くが、多少は卵は使っていたとしても中国の卵麺とはまったく別物だ。

実際に何度も中国で「卵麺」を食べたことがあるが、本物の卵麺はもっと色が薄いし「かん水」の臭いもしない。

もともと、「かん水」を使用せずにも「コシ」と「のどごし」がよい麺を作る為に卵を使用しているのだから卵麺に「かん水」独特の臭いはなく、小麦の香もちゃんとする。

その「かん水」だが、海水のようなもので、そのアルカリ性の性質を使って麺を縮ませ黄色い麺になる。

ちなみに「かん水」を煮詰めると「豆腐」に欠かせない「にがり」になるが、「かん水」も「にがり」もえぐい味はするが臭いはほとんどしない。

現在「かん水」は工業的に作られた「カリウム」や「ナトリウムの炭酸塩」、それに「リン酸塩」等の添加物を原料にして作られているので、あの独特なに臭いになり、また、黄色い麺の色は着色されたものが多い。

また、卵麺は日持ちしないが「バーミー」の麺は常温でも2か月も3か月もカビの生えない物が多いので、たくさんの保存料が入っているのではないかと思う。(これはマクドナルドのハンバーガーも同じで、しばらく放っておいてもカビなどまったく生えない。)

そういう訳で、「バーミー」より「クイツティアオ」の方を食べることが多いが、たまには「バーミー」も食べるし「マクドナルドのハンバーガー」も時々無性に食べたくなったりする。

日本のコンビニの弁当の原材料の表示ラベルには「ph調整剤」又は「制菌剤」とか「保存料」と書かれているが、これは立派に危険な「添加物」で、ご飯が痛まないようにたくさん振りかけられている。

また、お弁当の「おかず」の方にも「着色料」や「増粘剤」や「MSG」等のさまざまな添加物が使用されている。

それをいちいち気にしていたら何も食べられないが、何が入っているのかを把握して食べ過ぎないようにすることが大切ではないかと思う。

さて、今回紹介する「ワンタンの皮」も黄色い色だ。

日本では「ワンタンの皮」は白い色の物が多いが、バンコクではどこのスーパーでもこの黄色の物しか見掛けない。

しかし、揚げ色は綺麗でこの黄色いワンタンの皮もなかなかよいのではないかと思う。

それでは早速作ってみよう。(今回は中に入れる具を3種類とした)

◆タイの揚げワンタンの作り方

<用意する物>

写真手前の左から「塩」、「ワンタンの皮」、「豚のひき肉」、「海老」。写真後ろの左から「うずらの卵」、シーズ二ングソース、黒コショー、白コショー、スイートチリソース。(尚、この写真には入っていないが、ゴマ油を少量使用した。)

<作り方:海老>

①海老を包丁で叩いてミンチにする。


②ゴマ油を少量加える。


③塩を少量振る。


④白コショーを少量振って加よくかき混ぜる。


⑤ワンタンの皮で三角形に包む(皮に水を少量付け、ピッタリと重なるように)


⑥次々と包んでいく。


<作り方:うずらの卵>

⑦うずらの卵を茹でて冷水に取り、殻をむく。


⑦茹で上がったうずらの卵をボウルに入れて塩を少量振る。


⑧白コショーを少量振る。


⑨ワンタンの皮で包み込むようにする。


<作り方:豚のひき肉>

⑩豚ひき肉をボウルに入れ、少量の塩を振る。


⑪さらに黒コショーを少量振る。


⑫シーズ二ングソースを少量加えてよく混ぜ合わせる。


⑬ワンタンの皮で長方形に包む(皮に水を少量付け、ピッタリと重なるように)


下の写真の三角形は中に海老の具、中央がうずらの卵、右の長方形が豚ひき肉で、それぞれ中身が分かるように別々の形にした。


<作り方:>油で揚げる。

⑭170℃に熱した油の中にワンタンを次々に入れていく。


⑮皮がパリッとなるまで揚げる。


⑯カラッと(パリッと)揚ったらバットに広げ油切りする。


⑰皿に盛り、スイートチリソースを添えて出来上がり。

さて、今回使ったシーズ二ングソースだが「ゴールデンマウンテン」(ソープーカオトン)を使った。

タイでは他に「マギー」(マッキー)のシーズ二ングソースもあるが、この「マギー」は目玉焼きに掛けるととても美味しく、いつも「目玉焼き」専用に使っている。

どちらも大豆を原料とした日本の「たまり醤油」のような物だが、コクがあるので炒め物等に少量加えるのもいいだろう。

タイには美味しい(アロイ)料理がたくさんあり、それが街中の屋台で驚く程安く売られている。

これでは家で料理を作る必要もないだろう。

さて、次回は日本人も大好きなタイ料理「ラープ」の話をしよう。






前回の「カオマンガイ」の鶏の胸肉を使った、とっても美味しい棒棒鶏(バンバンジー)

2012年11月03日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
今日のバンコクは朝から晴れて気温も33℃を超えているが、先月(10月の30日)にやっと雨季が明けた。

前にも話したが、今年の「カオパンサー」(入安居)は8月3日からで、10月30日の「オークパンサー」(出安居)までの約3か月間、お坊さんは寺に籠って厳しい修行をする。

また、その期間は「雨季」と重なり、毎日のように雨が降り続く。

以前(6年程前)にもプーケットのマグロ工場やバンコクで3年程仕事をしていたが、その頃の雨季の大雨は風が吹いてきたかなと思ったら急に雨雲で空が真っ黒になり、スコールのような雨が降ってきたが、30分もすれば降り止んだが、最近のバンコクの大雨はバケツをひっくり返したような大雨が1時間も2時間も降り続き、道路は水でいっぱいに溢れ、洪水になって車も動けなくなってしまう。

特に今年の9月、10月の大雨はランチタイムが始まる頃と、夕方の交通渋滞時に大雨となり、普段でも渋滞している道路がさらに大雨で、まったく車が動けないような状況の日が幾日もあった。

たとえば、夜の6時に予約が入っていた団体のお客さんの場合、最初の人は時間通り6時にお店に来たが、大雨で交通渋滞がひどく、全員が集まるのが8時半過ぎという日も珍しくないような状況だった。

特にランチタイムの大雨では「お茶をひく」のではないか?と思える日が何日かあった。

「お茶をひく」の意味は「お客さまがゼロ」のことで、昔、吉原の遊郭でお客さんが付かなかった遊女が何もすることがなかったので、「お茶を挽かされていた」ので、暇なこと、お客さんがゼロのことを「お茶をひく」と言うが、以前、日本で勤めていた「料亭」の「おかみ」は「お茶をひく」のは縁起が悪いと言って、天気の悪い日には常連のお客さんに電話を掛けまくっていたのを思い出す。

そういうこともあってか、「お茶」というのは「縁起の悪い物」とされていて、お祝いの席ではお茶の代わりに縁起の良い昆布茶や桜湯を出すところもある。

寿司屋でも「お茶」という言葉を使わずに「あがり」と言うところが多い。

うちのお店はお蔭さまで、開店以来、先日のエアコン修理時の臨時閉店以外はランチタイムもディナータイムも「お茶をひく」ような日はないが、本当にお客様に感謝したい思いだ。

大雨が降る度に、あの料亭の「おかみ」のことを思い出すが、今、こうしてお店を預かる身になると、「おかみ」の気持ちがよく分かる。

さて、また話が長くなってしまったが、今回は前回作った「カオマンガイ」の胸肉を使って中国の四川料理の「棒棒鶏」(バンバンジー)を作ってみようと思う。

昨年の12月にバンコクに来る前には5年間、中国の大連や上海を行き来して9店舗の日本料理店店の総料理長をしていたが、当時は中国料理の食べ歩きもし、自分でも友人の中国の特級調理師の王さんから中国料理の指導も受けていた。

「棒棒鶏」はとても変わったネーミングの料理だが、日本には中華の料理の鉄人で四川飯店の陳健一のお父さんの陳建民が紹介して広めたと言われている。

陳建民が日本に紹介した海老のチリソースや痲婆豆腐などと同じく、陳建民の棒棒鶏は日本人向けに辛みを抑えてある為に、日本で棒棒鶏を食べると辛くない場合が多いが、本場中国四川の棒棒鶏には芝麻醤(ゴマソース)に、ラー油がたっぷり加えられていてピりっとくる味だ。

さて、なぜ「棒棒鶏」と言うのかだが、それは中国で中国料理店に行き(前菜などを作っているオープンキッチン)を覘いてみると直ぐに分かる。

実際に「すりこぎ」のような棒を使って、料理人が茹でた「鶏の胸肉」を叩いているのだ。

鶏肉は日本の「棒棒鶏」では「モモ肉」を使うことが多く、クラゲやキューリやトマトが添えられていたりするが、本場中国の場合には「胸肉」を使い、クラゲや野菜が添えられることも少ない。

また、茹でたばかりの熱々の胸肉は柔らかいが、「棒棒鶏」は冷菜なので冷たい場合が多く、胸肉は冷めると直ぐに固くなってしまう。

その固い胸肉を棒で叩いて柔らかくして細かく手で切り裂いて皿に盛り、胸肉という脂のない部位の肉に芝麻醤(ゴマソース)のコクと、ラー油の辛さと油分を加えて食べやすくししたのが「棒棒鶏」という料理だ。

今回は友人の王さんから教わったタレを紹介しよう。

◆棒棒鶏(バンバンジー)の作り方。

<材料>

鶏胸肉(前回、カオマンガイの時に茹でた鶏の胸肉)

キューリとトマト  適量(飾り用)

下の写真が特性(棒棒鶏のタレ)の調味料の集合写真。

写真手前の左から、醤油(大さじ5)、砂糖(大さじ3)、ゴマ油(大さじ1)。写真中央の左から、ラー油(大さじ2)、酢(大さじ2)、芝麻醤(大さじ5)。写真後ろの左から、ネギの粗みじん切り(大さじ5)、生姜のみじん切り(大さじ1)。

<棒棒鶏(バンバンジー)のタレの作り方>

①酢と砂糖を透明になるまで、よく混ぜ合わせる。


②醤油を加える。


③芝麻醤を加える。


④ゴマ油を加える


⑤ラー油を加える。


⑥よく混ぜ合わせる。


⑦生姜のみじん切りを加える。


●ネギの粗みじん切りを加えて出来上がり。(ネギから水が出るので、あまりかき混ぜないように注意!)


さて、棒棒鶏(バンバンジー)のタレが出来上がったところで、前回のカオマンガイの時に茹でた鶏の胸肉を包丁で食べやすいように切ろう。


さらに、トマトはスライスしキューリは千切りにして、綺麗に盛りつけて、上からタレを掛ければ出来上がりだ。


カオマンガイと棒棒鶏(バンバンジー)は一見、とても似ている料理だが、カオマンガイは鶏のモモ肉の方が脂があって美味しく、また、棒棒鶏(バンバンジー)は鶏の胸肉に脂が無いので、このコクと油分のあるタレがピッタリだと思う。

どちらの料理も簡単なので、実際に作って食べ比べてみるのもいいだろう。

最後に両方の料理の写真を貼りつけておこう。















プーケットの美人姉妹のカオマンガイのお店

2012年11月02日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
今回は、うちの店のまかない料理の話しをしよう。

中国の時もそうだったが、うちの店ではキッチンスタッフが「まかない」を作り、それを皆で食べることにしている。

他の店の場合には、1回の食事に30バーツ~50バーツをスタッフに支払い、各自が屋台などで好きな物を買っている店もあるようだが、それでは調理スタッフの腕が上がらないのではないかと思う。

今から20年以上も前の話だが、ベルギー田川で働いていた頃は、調理スタッフ(男性10名)と、ホールスタッフ(女性10名)は、すべて日本人で日本で採用されてベルギーに派遣されていた。

もちろん板長も日本の赤坂の「料亭田川」から来ていて、板長以外の調理スタッフは全員が順番で「まかない」を作っていた。

「まかない」というのは、安い食材を使って美味しい料理を作らなければならず、また、どんな「まかない」を作るのか独創性も試されることになる。

また、先輩が後輩に対してアドバイスをしてあげたり、とても勉強になるのだ。

不味い「まかない」を作ると当然、ホールスタッフの受けもよろしくないし、その中に自分が好意を持っている女性がいたりすると、かっこいいところを見せたくなるものだ。

さて、うちの店のまかないも、いろいろなタイ料理を調理スタッフが毎日順番で作っているが、今回はカオマンガイを店のスタッフに作ってもらうことにした。

タイに居る人なら一度は食べたことがあると思うが、「鶏肉ごはん」のことで、タイではカオマンガイと呼ばれているが、シンガポールやマレーシアにも「海南ライス」という似たような料理があり、元々は海南島出身者の華僑がタイやシンガポールやマレーシアに移住し、海南島で昔から家庭料理として食べられていたこの鶏肉ごはんを広めたようだ。

下の写真は屋台で売られている「カオマンガイ」の写真で「タレ」とスープが付いて40バーツ(約120円)程だ。

アパートの直ぐ近くの屋台で購入したもの。

このカオマンガイという料理を初めて食べたのは今から10年程前で、プーケットのマグロ工場に居た頃だったが、プーケット市内に「美人姉妹の美味しいカオマンガイの店」があると聞いて、どんな美人が居るのか興味半分で行ってみたが、美人姉妹の方はちょっとガッカリしたものの、美味しいと評判の「カオマンガイ」はクセもなく、また、辛みもほどほどでとても食べやすくて気に入ったが、この料理は日本人にも合う味だと思う。

今回はうちの店の「JYO」という調理スタッフが担当だが、このように自分も一緒に作ることで、とても勉強になる。どこの国でもその国の料理を勉強してきたが、そういう引出しが多くなければ「創作料理」を作ることはできないのではないかと思う。

さて、それでは早速作ってみよう。

◆本格的な「カオマンガイ」の作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から、生唐辛子(プリック)、にんにく(クラティアム)、生姜(キン)、香草(パクチー)写真後方の左から、塩(グルワ)、酢(ナムソム)、甘い醤油(シーユーワン)、味噌(タオジィアオ)、砂糖(ナムターン)。写真には無いが鶏肉1羽、タイ米(適量)

2)作り方(鶏肉を茹でる)

①鶏肉の内臓を抜き、よく水洗いする。



②鍋にたっぷりのお湯を沸かし、鶏肉をゆっくり湯の中に入れる。


③2~3回、湯から引き出しては、また湯の中をくぐらせて、皮をピンと張るようにする。


④火を弱火にして30分程煮る。


2)作り方(ソースを作る)

⑤にんにく(クラティアム)、生姜(キン)、生唐辛子(プリック)各50gを合わせて細かく刻む。


⑥さらに細かく刻む。(ミキサーを使ってもよい。)


⑦細かなみじん切りになったらボウルに移して、味噌(タオジィアオ)を大さじ5入れて混ぜる。


⑧酢(ナムソム)大さじ1を加える。


⑨砂糖(ナムターン)大さじ1と、塩(グルワ)小さじ2を加える。


ここまで来たところで、急遽、にんにく水(ナムクラティアムドン)を入れることになった。(下の写真。)


⑩にんにく水(ナムクラティアムドン)を大さじ2加えたら、最後に甘い醤油(シーユーワン)を大さじ1と1/2 加えてよく混ぜ合わせる。


2)作り方(鶏肉を切る)

⑪足を外す。


⑫次に胸肉を外す。


⑬鶏を茹でた湯を使ってごはんを炊く。

⑭鶏を茹でた湯に「ガラスープ」を少し入れてスープを作る。

⑮ごはんが炊き上がったら皿に盛り、骨を取り除き小さく切った鶏肉を盛り、ソースを掛けて、香草(パクチー)を散らす。

下が出来上がりの写真。


さて、鶏肉を使った料理では中華料理に「棒棒鶏」(バンバンジー)があるが、今回はカオマンガイを作るのと同時に「棒棒鶏」(バンバンジー)も作ってみることにした。

「棒棒鶏」(バンバンジー)は四川料理で、日本には「陳建民」が伝えたと言われている。

次回はこの「棒棒鶏」(バンバンジー)の話をしよう。