マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

リゾート気分を満喫。パタヤの「Areca Lodge」

2014年05月14日 | シラチャー ジャスミンホテル
タイの政情はますます混乱してきて、反政府派と元タクシン首相を支持する通称「赤シャツ」派がそれぞれバンコク市内の別々の場所で集会を行っているようだ。

このタイでの混乱は既に半年以上になるが今のところまったく収集のめどもつかないようで、また7月にも選挙が行われるようだが、きっとまた選挙も妨害されてしまうのではないかと思う。

相変わらず暑い毎日が続いているが集会やデモに参加している人達もきっとグッタリだろう。

さて、先日「WAQさん」からコメントをいただいた。

「WAQさん」とはもう10年ぶり位になるかと思うがとてもなつかしく、当時マグロの商社で働いていた頃のことを思い出す。

その頃は10年以上住んでいたヨーロッパのベルギーを離れて日本に帰国し、マグロ商社に就職したのだが当時のマグロの流通経路はとても複雑で、漁師がマグロを釣ってから刺身として食卓に届くまでには、浜の仲卸や市場や1次問屋、2時問屋、そして商社も絡んだ流通経路と、マグロは-60℃での超低温物流でないと変色してしまう為、たとえば日本全国に展開している「大手居酒屋チェーン」等も、マグロは日本全国の数か所の市場などから仕入れなければならない状況だった。

自分が日本で就職した「マグロの商社」は静岡県に大きなマグロ加工工場を2つ所有していて、-60℃の超低温の冷凍庫は1つの工場だけで9,000トンもの保管能力があった。

ヨーロッパから帰国してマグロの商社に就職してから1年が経ち、そろそろ何かやらなければならないという状況の中、「開発課」を立ち上げて最初に取り組んだのが、マグロのコールドチェーンの構築だった。

日本全国(北海道から沖縄まで)に800店舗以上も展開する、大手居酒屋チェーンやファミレスの各店舗に少量(2キロ位)のマグロをほとんど毎日配達することができれば、お客さんはもっと手頃な価格でマグロを食べられるはずだ。


しかし、静岡の自社のマグロ加工工場から日本全国の800店舗に冷凍マグロを直接配達することは-60℃という超低温で運べるトラックを何台も稼動させねばならず、これをうち1社だけでやるのは到底無理なので日本を幾つかの地域に分けて、各地域の超低温冷凍庫に冷凍マグロを運び、そこからは-18℃で各店舗に配送するという計画を練り上げた。
(2~3日で使い切るなら-18℃でも変色せずに鮮度も保ち刺身として食べられる。)

しかし、その計画はなかなかうまくは進まなかった。

それは、-60℃という超低温の冷凍庫を保有している会社は同業者が多くつまりライバルだ。
有料とは言え、面白くないというのが本音だろう。

電話でアポを取ろうとしてもなかなか受け付けてもくれずにずいぶん苦労もしたが、物流業をしている友人(Sさん)の強力な力添えもあり、約1年掛けて超低温のコールドチェーンを立ち上げることができた。

この物流ルートを開拓することでたくさんのマグロを販売することができるようになったが、大手居酒屋チェーンに商談行くと仕入れ担当者からは次第に『マグロ以外に何かないの?』と言われることも多くなってきた。

そこで、マグロ以外の原料を使った加工食品を知り合いの食品メーカー等と共同開発したところ、これが面白いように売れだした。

たとえば「イカ軟骨」を使った「唐揚げ」は月間30トン。同じく「イカ軟骨」を使った「松前漬け」も月間30トン以上も売れる商品となり、商品サイクルの短いこの業界で1年以上のベストセラーになった商品も多かった。

そして、何か新商品の販売が決まるごとに、協力してくれる食品メーカーさん等とお祝いの「飲み会」をするようになった。

それも、ただの飲み会ではなく必ずどこかの居酒屋チェーンの店舗で、メニューにある商品を片っ端から注文しての勉強会だった。

その勉強会は最初のうちは食品メーカーの人達と6人位で行うことが多かったが、そのうちの4人が「いのしし年」生まれだった。それも3代に渡る「いのしし年」だ。

そこで、その勉強会を「いのししの会」と名ずけて、毎月、定期的に行うことにした。

結果的に、その勉強会はどんどんと会員数が増え続けて2年後には会員数が650名、会社数にすると450社を超える主に食品関係の会社の「異業種交流会」へと形を変えていき、手弁当で来てくれる優秀な講師にも恵まれて大きなうねりになっていった。

今回、コメントをくれた「WAQ」さんは国産の素晴らしい「マッシュルーム」を作っている会社だが、「いのししの会」の理事にもなってくれた中心メンバーだった。

今、その当時のことを思い出すとあの時のパワーはどこから来ていたのだろう。

きっと自分も会員の皆のパワーをもらっていたのではないかと思う。

奇人変人と思われるような人も多かったが、逆に今の世の中はそんな連中が少なくなって何か面白くなくなってきているような気がしてならない。

さて、先日、パタヤの「Areca Lodge」の視察に行って来た。

このホテルは今「魚やす」のある「ジャスミン」の系列のホテルの一つで、お客さんは欧米人が多い。

シラチャーとは違い、欧米人の観光客の多いパタヤはとてもリゾート気分を満喫できるところだ。

このホテルに「魚やす」を出店するか、またはパタヤの違う場所に出店するのかは今のところは未定だが「Areca Lodge」の写真を幾つか貼りつけておこう。

まずはエントランス(ホテルの入り口)附近


手前のプール(プールは2か所ある。)に隣接する軽食のレストラン。


奥のプール。


奥のプールに隣接するレストラン。


プールと逆側の入り口。


正面玄関の左側にあるカフェ。


カフェの店内。


今回の「Areca Lodge」の視察では、『これは結構しんどいかも?』と思えた。

皆さんの中には自分と同じように、欧米人を見ると我々日本人よりも欧米人の方がリッチ(お金持ち)なのではないかと思ってしまう人もいるかと思うが、実は欧米人の方がパブリックで庶民的な人が多くケチが多い。

これはお金の使い方の違いなのだと思うが、以前、ヨーロッパで生活していた時も同じように感じていた。

たとえば、夕食(ディナー)だが、パンとスープに少量のハムとチーズなんていう、とても質素な食事をしている家庭がとても多い。

こうして普段は質素な生活をしてお金をキープする。そして、そのお金は長期休暇の為に貯めておくのだが、いざ休暇で南の島などに行っても散財することはなく、いたって質素な普段通りの生活パターンとなる。

日本人のように休暇も少なく、僅かな休暇の時にはフルに遊びたくさんのお金を使うのではなく、欧米人は長期の休暇を取って南の国に行ってもプールサイドで1日中本を読んだりボケ~っとして過ごしている。

まさに、「Areca Lodge」の欧米人のお客さんはそんな連中のオンパレードだった。

実際にレストランをOPENするにはもう少し調査が必要だと思うが、客単価300バーツ(900円)までが限界なような感じを受けた。

さて、釣りの方だが前回の船釣りでは「弓角」を投げられなかったことで、とても暗い気分で暫くは釣りに行くのは辞めようかとも思っていたが、運よく「弓角」と「トレーラー」と呼ばれる「弓角」を飛ばす「小さなジェット天秤」を入手することができた。

また、ジャスミン「魚やす」の常連のお客さんから釣りのお誘いもあり、最高のタイミングで5月11日に船でシーチャン島周辺で釣りをした。

まずは「弓角」を使った「サーフトローリング」のことを少し説明しようと思うが、要は「かつおの一本釣り」と同じ釣り方だ。

「かつおの一本釣り」も「ナブラ」を見つけて、カタクチイワシ等の餌で群れを引きつけて「かぶら」という「返し」のついていない針をかつおの群れに投げ込んで釣るが、「弓角」を使った「サーフトローリング」は「小型のシマアジ」等がイワシを追い込んでできた「ナブラ」に「弓角」を投げると、その「小型のシマアジ」等が面白いよう釣れて入れ喰い状態となる。

もちろん、針には「返し」が付いているので、なかなか外れない。

何とか逃げようとする大型(40㎝以上のシマアジ)などは引きもかなり強烈だ。

仕掛の下の図のよう簡単で誰にでも楽しめる釣りだと思う。



下が「弓角」の写真。


色も「ピンク」「青」「白」等あるが、朝は「ピンク」、そして昼間が「青」や「白」等の色に喰いつくようだ。



そして、下の写真が今回の釣果だが「弓角」で釣った写真手前の「マブタ」と呼ばれる「小型のシマアジ」と同じく奥の写真の「マブタ」以外はどれも小さかった。



店に戻って早速「アジのたたき」にしてみたが鮮度が抜群なので言うまでもなく美味かった。


「弓角」については「メタルジグ」を使った「ルアー釣り」のようにきっと難しく、テクニックがないと釣れないのではないかという先入観があった。

また、『自分だけが釣れないと面白くないのでは』ということもあり躊躇していたが、この「弓角」での海面を流すだけの釣りは、どんな初心者でも「ジェット天秤」を30メートルも投げることができれば必ず釣れるだろう。

魚が居ないところに仕掛けを下すのではなく、必ず魚が居るところ目指して仕掛けを投入するからだ。

それと「ナブラ」を見つけたら直ぐに『投げろ!』と言ってくれる船のキャプテンが居るかどうかに大きく左右されるだろう。

これで今回は「弓角」にチャレンジすることができたが、まだまだ「インチク」という下に落として「ただ巻き」というただ上にリールで巻き上げて魚を誘うルアーなどやりたいことがたくさんできてきた。

「一生幸せになりたければ釣りを覚えなさい」という諺もあるようだが、釣りは本当に面白い。











ロール寿司 ・新 (8)スパイシー・ツナロール

2014年05月02日 | シラチャー ジャスミンホテル
いよいよ5月に入ったが相変わらず暑い日が続いている。

タイではソンクラーン(旧正月)の頃が一番暑く5月の中旬まではこの暑さはしかたがないのだが、冷房の効いたホテルの中で仕事をしていることもあり、なかなか外に出るのが億劫になってしまうが、定期的に市場に仕入に行っている。

市場で働いている連中もこの暑さには流石にぐったりしていて、商売をする気があるのかどうかうたぐってしまう連中ばかりだ。

そんな中、先月のソンクラーン明けの土曜日にいつも一緒に釣りに行くAさんとシーチャン島で船釣りをした。

下がその時の釣果だが、今回もたくさんの魚が釣れて大漁となった。


特に写真手前の「かじか?」(おこぜ?)のような魚が自作の「ブラクリ」で釣れたことは嬉しかった。


頭から尻尾まで長さは30㎝位あり、釣り上げる時にはしっかりと重さを感じることもできた。


この魚は刺身にしてもいいし、鍋にしても美味いと思うが今回はお店が忙しかったので唐揚げにして食べてみたが、ゼラチン質もありなかなかの味だった。


他に「小ぶりのバラクーダ」はみりん醤油で照り焼きにしてみたが、もともと脂が少ない魚なので身がパサパサしていてあまり美味くない。この魚を調理する時には中華料理のように唐揚げにしてからあんかけにするといいのではないかと思う。


このように「餌釣り」で魚はたくさん釣れたのだが、今回の船釣りでは考えさせられることがたくさんあった。

そして、そのことが頭の中で整理できるまでは暫く船釣りに行くのは中止しようと思っている。

今回の釣りでは何度も「なぶら」を見かけた。(5回以上)

「なぶら」というのはご存じの方も多いと思うが、大型魚がイワシ等の小魚の群れを追いつめて逃げ場の無くなった小魚が海の表層に群れる状態で、そこに鳥が集まると「鳥山」と呼ばれる。

船長は「なぶら」を見掛けると「投げろ!」と指示してくる。その投げる物とは「弓角」と言われるルアーや、メタルジグと呼ばれるルアーやサビキ仕掛けのことだ。

それを「なぶら」に投げることによって「マブタアジ」と呼ばれる小型のシマアジなどがおもしろいように釣れるのだ。

しかし、自分の釣りのスタイルは「サビキ仕掛け」がメインで、それに底魚狙いに「ブラクリ」、または、生きた鯵の泳がせ釣りと、どれも「餌」を魚に喰わせる仕掛けばかりだ。

先日の船長の釣りスタイルを見ていると、通常は餌を付けたサビキ釣りだが竿やリールは使わずに釣り糸を手で手繰って釣っている。(これだと小さなあたりでも指先に伝わるだろう。)、そして「なぶら」を見つけると、竿とリールを取り出してジェットテンビンを付けてその先は2メートル位のハリスで「弓角」と呼ばれるルアーを付けて、「なぶら」の先に向かって投げて主に海面近くのシマアジ等のフイッシュイーターを狙う。(もちろん餌は付けない)

また、沖の小島の周りでのアオリイカ狙いの時には「餌木」と呼ばれるルアーを使い、大型が居ると分かると浮き仕掛けで15㎝~20㎝位のアジを泳がせてしっかり射止める。

船長の使っている道具(竿やリール)はどれも安物で、アオリイカの「浮き泳がせ釣り」に使う「浮き」はなんと「飲み終えたペットボトル」だ。

そんな物でバンバン魚を釣るのだが、しかし、とても道理に適った方法ばかりだと思う。

隣でAさんと船長が「弓角」を飛ばして魚を釣り上げるのを横目で見ながら今回の釣りは惨敗のような気がしてならなかった。

「ルアー釣り」をしている人達の中には「餌釣り」はまったくやらないと断言する人もいるが、それはそれでその人のスタイルなのだからいいだろう。

しかし「弓角を投げろ」と言われても、「餌釣りしかできません」では、あまりに寂しい気もする。

また、底魚狙いの場合には餌釣りより「鯛ラバ」や「インチク」「メタルジグ」等のルアーを使った方が、大物が釣れる確率が高いようだ。

それば底魚というのは自分のテリトリーがあってあまり移動しない。そして自分のテリトリーに入ってきたものは捕食したり威嚇する。
その場合にはルアーを使ってたくさんの場所を探った方が効果的だろう。

釣りというのは本当に奥が深く、先日はサビキ仕掛けを2段に分けて、下に12号の大きな針を2本、上には8号の針を2本セットしてみた。(ハリスと幹糸の号数は同じ。)

通常は底に近い方が大型の魚が居そうな気がするが実際の釣果は「針の大きさ」には関係はないと思えるものだった。大きな針は「餌取り」の小魚に餌をうまく取られてしまうだけで、大きな針には大きな魚が掛かり、小さな針には小さな魚が掛かるのではないようだ。

また、サビキに付ける羽にもサバ皮やハゲ皮などがあり、色も白、ピンク、緑、黄色等があるが、今回の釣りでは一番ダメだと決め込んでいた緑に一番喰いついた。

今回の釣りでも反省点ばかりが気になるが、しばらくは船に乗らないで「堤防」に行き、「弓角」を投げる練習をしようと思う。

海岸からのキスの投げ釣りみたいに竿を振り回すことは船の上では危険なので、アンダースローでポイントまで「弓角」を飛ばす練習もしなければならないだろう。

そして、次回の船釣りでは「なぶら」が見えたらすかざずに「弓角」を投げられるようになりたいと思う。

釣りは本当に面白い。。。

さて、料理の方だが今回は「スパイシー・ツナロール」の作り方を紹介することにしよう。

このロール寿司はカリフォルニアロールに並んでアメリカでもとても人気のあるロール寿司で、スーパーなどでもよく見掛けることがある。

また、韓国料理店で「太巻き寿司」を置いている店でこれに近いロール寿司を置いている店もあり、やはり唐辛子系のピリ辛い味は韓国人に好まれるようだ。

ソースはマヨネーズとゴマ油とラー油と一味唐辛子を混ぜて作るが、マヨネーズに「シラチャー・チリソース」を適量(お好みで)混ぜてもいいだろう。
(実際、アメリカではこのソースを使っている店が多いようだ。)


このソースの名前の語源だが、今住んでいる「シラチャー」から来ているらしい。

それでは早速「スパイシー・ツナロール」を作ってみよう。

■スパイシー・ツナロールの作り方

1)ボウルにマヨネーズを大さじ1入れる。


2)ゴマ油を小さじ1加える。


3)ラー油を2~3滴加える。


4)一味唐辛子を小さじ1/2加えて全体をよく混ぜ合わせる


5)マグロを5㎜角位の小さなサイコロ状に切る。


6)さらに小さく切る。


7)ソースと和える。


8)海苔の上にシャリを置く。


9)シャリを広げる。


10)シャリを均一の厚さにする。


11)とびっこをまぶす。


12)海苔の面を上にしてアボカドを置く。


13)ツナを乗せる。


14)端から巻き始める。


15)しっかり押さえる。


16)端の形を整える。


17)反対側も同じようにする。


18)しっかり押さえて形を整える。


19)真ん中を包丁で切る。


20)6貫になるように切る。


21)皿に盛る。


23)完成写真。


さて、これまで何回かに渡って「ロール寿司」の作り方を紹介してきたが、これらのロール寿司すべてを実際に食べられるレストランをOPENしたいと考えている。

場所は「パタヤ」で、シラチャーからは30分程の観光地で欧米人も多い。

来週から場所の選定に入ろうと思っているので、次回は候補地とパタヤを紹介することにしよう。