マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

タイ人もこれが大好きかな?とんがりキャベツとソーセージのアンチョビパスタ。

2013年01月28日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
ここのところバンコクは気温が下がり30℃以下の日が多くなりとても過ごしやすい日が続いている。

深夜に大雨が降ってくれることも空気が乾燥せずにとてもよい。

さて、先日ちょっと面白いことがあったので紹介しよう。

お店に掛かってくる予約の電話のことで、そのお客様は「荒井さん?新井さん?」という名前の方だった。(もし、ご本人がこのブログを見ていたら失礼なのだが紹介させていただくとしよう。)

その電話には、たまたまうちの店の若いホールスタッフが電話を取って次のような会話が始まった。

リーン (電話のベルの音)

店の若いスタッフ : サワディーカー ウオヤス カー  こんにちわ 魚やすです。

お客様      : サワディーカー ワンニー ブッキング ダイマイ? 今日予約できますか?

店の若いスタッフ : ダイカー キーモン カー できます。何時ですか?

お客様      : ヌントゥーム ダイマイ? 7時は大丈夫ですか?

店の若いスタッフ : ダイカー キーコン カー 大丈夫です。何名ですか?

お客様      : サンコンカー       3人です。

店の若いスタッフ : チューアライカー     お名前をお願いします。

お客様      : アライ カー        アライです。

店の若いスタッフ : チンチン レオ チューアライカー えっ? 本当のお名前は何ですか?

お客様      : チューアライ カー     名前はアライです。

店の若いスタッフ : アライナ?         何ですか?(お名前は?)

と、ここまできて店の日本語の分かるスタッフに変わったのだが、この「荒井さん?新井さん?」のお名前の「アライ」はタイ語で「何?」という意味なので、店の若いスタッフとの間ではこのようなやりとりになってしまったが、お客様にはご迷惑をお掛けして申し訳ないと思う。

店の若いスタッフも日本人の名前に「アライさん」「何?」という名前があるとは思っていなかったので、勘弁していただきたいと思う。

もし、このブログをご覧になられていたら、美味しいワインをご馳走したいと思うのでご連絡をいただきたい。

さて、今回はアンチョビを使ったパスタを作ってみよう。

前回のアンチョビを使った「バーニャーカウダ」はうちの店のスタッフの評価はいまいちだったので、今回は前回のリベンジで同じくアンチョビを使って美味しい料理を作ろうと気合も入っている。

たまたま近くのスーパーでとっても柔らかくて甘い「とんがりキャベツ」を見掛けたので、キャベツとアンチョビのパスタを作ることにし、コクとボリュームが出るように ソーセージも加えることにした。

パスタはアルデンテ(芯が残る)はタイ人は苦手なので、芯は無くてもほどよい堅さになるように茹で、キャベツはとても柔らかいので、さっと30秒程茹でることにした。

パスタの茹で上がりの30秒程前にパスタを茹でている鍋にキャベツを加えて、パスタと一緒にザルに上げよう。

さっと水切り(湯切り)したら、水分がまだ残っている熱々の状態でソースのフライパンに入れて、ソースと混ぜ合わせたら強火にしてフライパンを振って油と水を乳化させてテカテカにパスタをコーティングし、ブラックペッパーを少し多めに振り、塩分が足りなければ塩で味を整えイタリアンパセリを散らせば出来上がりだ。

調理時間は下処理の時間も含めて20分もあれば作れるので、ぜひ作ってみて欲しい。

◆とんがりキャベツとソーセージのアンチョビパスタの作り方。

<用意する物>


写真手前の左から「ニンニク」10粒、「アンチョビ」6枚、「鷹の爪の小口切り」大さじ1/2、写真中央の左から「イタリアンパセリ」少量、「とんがりキャベツ」1個半、「粗挽きソーセージ」4本、写真奥の左から「スパゲッティー」200g、「EXバージンオリーブオイル」大さじ3、「塩・ブラックペッパー」各少々。尚、写真には無いが「白ワイン」を大さじ1用意しておこう。

<作り方>下処理

①キャベツを食べやすい大きさに手でちぎる。


②キャベツの芯のところは薄くスライスしておく。


③ニンニクは付け根の固いところを切り取り、縦半分に切る。


④ニンニクの芽のところは苦味があるので取り除く。


⑤粗挽きソーセージを斜めにスライスする。


<作り方>本調理

①鍋にたっぷりの水を沸かし塩を大さじ1加える。


②オリーブオイルを数滴垂らす。(吹きこぼれ防止と、パスタどうしがくっつかないように)


③パスタ(スパゲッティー)を200g沸騰した湯の中に入れる。


*タイマーをパスタの袋の表示(6分)より1分短めの5分にセットする。

④フライパンを弱火に掛けてオリーブオイルを大さ2加える。


⑤ニンニクを加える。


⑥鷹の爪を加える。


⑦ソーセージを加える。


⑧アンチョビを加える。


⑨白ワインを大さじ1加える。


⑩5分経ってタイマーが鳴ったらキャベツを加える。


⑪30秒程茹でてパスタと一緒にザルに上げる。(さっと水切りし、熱々のうちにスピーディーに。)


⑫さっと水切りしたパスタとキャベツをフライパンに入れる。


⑬素早く全体を箸を使ってかき混ぜる。


⑭鍋を振って、油と水気を乳化させる。


⑮ブラックペッパーを少し多めに振る。


⑯塩気をみてから塩を加える。(アンチョビの塩分とパスタの湯の塩分もあるので、塩気を見てから)


⑰皿に盛ってイタリアンパセリを散らして出来上がり。


さて、出来上がり(2皿分)のうちの一皿を店内に持って行き写真を撮ってキッチンに戻ってみると、もう一皿はあっという間にキッチンスタッフが平らげていた。

写真を撮ったもう一皿もホールの若いスタッフが奪い合うようにして食べていた。

ちょうど昼前の時間で皆お腹がすいていたこともあるかと思うが、今回の「とんがりキャベツとソーセージのアンチョビパスタ」はタイ人が好きな料理のリストに加えておこう。。。





本場イタリアの「バーニャカウダ」を作ってみよう。

2013年01月23日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
これまで3回に渡って「海老のニンニク蒸し」をタイ料理、中華料理、そして地中海風にと、それぞれの特色を出して作ってみたが、どの料理もニンニクを加熱することでニンニクの臭みが和らぎ、さらにニンニクの甘い旨みが効いたまろやかな味になっている。

特に前回の「海老のニンニク蒸し」地中海風では、アンチョビとニンニクの相性が良く、ニンニクが入っているとは感じられないだろう。

イタリアやスペイン等でもニンニクを使った料理は多いが、「生」のニンニクをすり下したり、スライスしてそのまま食べることはないと思う。

日本では生のニンニクをすりおろして「馬刺し」をニンニク醤油で食べたり、中国では餃子の具の中にはニンニクを入れずに、生のニンニクをそのまままかじりながら餃子を食べたりするが、イタリアやスペイン等でそんな食べ方をしたら生のニンニクの口臭がひどく、恋人同士ならば100年の恋もいっぺんで冷めてしまうだろう。

しかし、ところ変われば(国が変われば)で「韓国」では「生のニンニクの口臭」は失礼にはならないようだ。

さて、今回は、前回の「海老のニンニク蒸し」と同じように、にんにくとアンチョビとオリーブオイルを使った料理「バーニャカウダ」を作るが、最近では日本のイタリア料理店でもメニューの前菜によく見かけるのでこの料理が好きな人も多いのではないかと思う。

イタリア料理というと、どうしてもパスタ、スパゲッティー、ピザというイメージが強いが、イタリアにはそれぞれの地方に郷土料理があり、この「バーニャカウダ」(Bagna càuda)も北イタリアのピエモンテ州を代表する郷土料理で、特にワインの原料となるブドウの収穫時には、その収穫をお祝いするイベントとして「バーニャカウダ祭り」があちこちの村で開催されている。

その「バーニャカウダ祭り」のメインとなる料理が、ニンニクとアンチョビとオリーブオイルで作った温かいソースで、とれたてれたての野菜を食べる「バーニャカウダ」という料理だ。

この料理の「バーニャカウダ」という名前の意味だが、ピエモンテ語(イタリア語の方言)で「バーニャ」はソース、「カウダ」は温かいという意味なので「温かなソース」という意味なのだが、日本でこの料理を紹介している本を見ると「温かい風呂」と訳されていることが多いがこれは誤訳だと思う。

まず、温かいというイタリア語はカルド(È caldo)だが、ピエモンテ語では「カウダ」となり、これはどちらも「温かい」という意味だ。

問題なのは「バーニャ」の方で、スペイン語ではトイレのことをバーニョ(elban~o)と言うが、 イタリア語でもバーニョ(il bagno)で、どちらも語尾が「o」となり定冠詞は男性形だ。

「バーニャ」と発音すると語尾が「a]なので、定冠詞が女性形になってしまい、どう考えても「風呂」とは訳せないはずだ。

もし、どうしても「風呂」と訳したいならば、Bagno con vasca (バニョ コン ヴァスカ)で、風呂桶としないと、この料理のイメージは伝わらないと思う。

また、もしこの料理を「バーニョカウダ」と言ったならば、「温かい便所」という意味になってしまい、イタリア人に笑われてしまうだろう。

つまり、この料理名は「温かな風呂」ではなく、ピエモンテ語の「温かなソース」という意味が正解だと思う。

さて、この料理を美味しく作るポイントだが、ニンニクを牛乳の中でじっくり30分程柔らかくなるまで煮て、ニンニクの臭みを十分に取ることだ。

また、ニンニクとアンチョビの割合は1:1で、加えるオリーブオイルの量はニンニクとアンチョビを混ぜたペーストと同量だが、オリーブオイルはちょっと多く入れすぎてしまったと思ったら、その分だけを後から取り除けばいいだろう。(パン等を添えて食べる場合にはオリーブオイルが多い方が美味しいと思う。)

日本のイタリア料理店では、この料理にミルクやバターを加えてまろやかな味にした物が多いが、アンチョビの旨みが消されてしまうしイタリア人ならば絶対にバターは加えないと思う。

まずは、このレシピ通りに作って食べてみて欲しい。

◆「バーニャカウダ」の作り方。

<用意する物>
写真手前の左から、お好みの野菜「パプリカ赤、黄、緑」「ヤングコーン」「アスパラ」「プティキャロット」「大根」「キャベツ」等、「ニンニク」50g、「アンチョビ」50g、写真奥の左から、「ミルク」300ml、「オリーブオイル」100ml。

<作り方>

①ニンニクを縦半分に切る。


②ニンニクの芽を取り除く。


③鍋を弱火に掛け、たっぷりのミルクを入れる。


④ニンニクを加え30分程煮る。


⑤ニンニクを茹でている間にアンチョビをみじん切りする。また、この間に野菜をカットする。


⑥ニンニクが柔らかく煮えたらニンニクをザルに上げる。


⑥ニンニクをすり鉢(クロック)に入れてる。


⑦棒を使って叩きつぶす。


⑧アンチョビも加えてさらに叩く。


⑨オリーブオイルを加えてよく混ぜる。


⑩耐熱鍋に移して温める。


野菜とお好みでパンを添えて出来上がり。


さて、ニンニクをミルクで30分も煮るとミルクが煮詰まっていくので、ニンニクの味や香りが気になる場合には10分毎にニンニクを取り出し、新しいミルクでニンニクが柔らかくなるまで煮るといいだろう。

また、ニンニクを茹でている間に野菜をカットするが、今回はアスパラとヤングコーンはさっとブランチングして、プティキャロット、アプリカ等は生のまま、加熱はせずに食べやすいようにカットした。

この料理を作って、写真を撮って早速食べたが野菜、パン、野菜、パンと手が止まらない美味しさなので、うちの店のタイ人のスタッフにも勧めてみたが、反応はあまりパッとしないものだった。

どうも、オリーブオイルはタイ人には苦手な人が多いようで、特にオリーブオイル独特の香りが苦手なようだ。

そこで、余った野菜を使って、もう一品「スティックサラダ」を作ってみた。



ソースは以前にも紹介した「梅マヨネーズソース」で、マヨネースに梅肉、醤油等で和風に味付けしたソースだが、このソースの方はタイ人スタッフ全員が美味しいと言って、あっという間に野菜を平らげてしまった。

次回は、「タイ料理」にしてみようかな?とも思ったが、次回もアンチョビを使った料理を作ってみようと思う。

オリーブオイルとアンチョビを使って、タイ人スタッフにも「美味しい」と言ってもらえるような料理を作ってみようと思う。。。







とってもヘルシーな「海老のニンニク蒸し」地中海風

2013年01月22日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
1月も早くも22日となり、街のクリスマスツリーも消えてすっかりいつものバンコクの景色に戻ったようだ。

日本ではサンタクロースはその年のうちに街から姿を消すが、バンコクでは1月になってもあちらこちらにサンタクロースのおじさんの人形を見掛けるが、真夏のような日差しの中でとても暑そうでしのびないような気がする。

さて、前回、前々回と「海老のニンニク蒸し」をタイ料理と、中華料理で作ってみたが、今回は「地中海風」にしてみようと思う。

「地中海風?」と言うとどんな料理か分からない人も多いと思うが、日本では地中海風料理と言うとフランスのマルセーユの「ブイヤベース」、そしてスペインの「パエリア」等をイメージする人が多いのではないかと思う。

実際には、「地中海料理」とは地中海沿岸の料理の総称で、スペイン、イタリア、フランス、それにギリシャ、トルコ、モロッコ、チュニジア、そしてポルトガルの主に魚介類やオリーブオイルにトマト等の野菜やハーブを使った料理のことだが、「地中海ダイエット」という言葉があるように、地中海料理はとてもヘルシーでダイエット効果があるとも言われている。

また、その地中海式ダイエットとは、1960年始めのギリシアのクレタ島や南イタリアの伝統的な食事法をさしているという。

その研究を行ったのはイタリアのフィレンツェ大学のフランチェスコ・ソフィ(Francesco Sofi)氏らで、過去30年間のデータから、魚介類、穀物、果物、野菜、オリーブオイルが豊富な食事で、肉類や乳製品の少ない食事と適量のワインが健康を促進することを示した。

そもそも「ダイエット」という言葉は古代ギリシャの「DAITA」が語源で、「良い生活の方法」という意味が込められ、良い生活を送るにはバランスの取れた食事が必要ということで、痩せる方法という意味とはまったく違う。

現代では肉の摂取量も増え、ファーストフードで食事を済ませてしまう人が多い時代だが、『健全な精神は健全な肉体に宿る』というギリシャ時代から伝わる言葉を今こそ思い起こす必要があるのではないかと思う。

さて、今回の「海老のニンニク蒸し」地中海風だが、オリーブオイルにニンニク、鷹の爪、アンチョビを使ってソースを作って海老に掛けて、白ワインで蒸すことにした。

「アンチョビ」を使った料理の多いイタリアをイメージした料理だが、ニンニクとアンチョビの相性が良いので、ぜひ、実際に作って食べてみるといいだろう。

ソースを多めに作って、パンに付けて食べると美味しすぎてパンが止まらずダイエットどころではないが、バターではなくオリーブオイルなのでとてもヘルシーだ。

また、この料理と一緒に飲むワインは、よく冷やしたイタリアの白ワイン「Soave」 (ソアーヴェ)がお勧めだ。

それでは、早速、作ってみよう。

◆「海老のニンニク蒸し」地中海風の作り方。

<用意する物>

写真手前の左から「イタリアンパセリ」1株、「鷹の爪」4~5本、「アンチョビ」大さじ1/2、「ニンニクのみじん切り」大さじ2、写真中央の左から「海老」5本、「オリーブオイル」大さじ3、「白ワイン」25ml、塩・コショー少々。

<作り方>海老の下処理。

中華料理の海老のニンニク蒸し「蒜茸蒸蝦」の時と同じ。

<作り方>ソースを作る。

①アンチョビをみじん切りする。ニンニクもみじん切りにしておく。


②鷹の爪を水で戻して柔らかくなったら、ヘタを切り取り縦半分に切って種を取り除く。


③フライパンを弱火に掛けてオリーブオイルを大さじ3を加える。


④ニンニク大さじ2を加える。


⑤アンチョビを大さじ1/2加える。


⑥香が立つまで炒める。


⑦鷹の爪を加え1分程したら火を止める。(鷹の爪を焦がさないように注意する。)


⑧小さなボウル等に移しておく。


<作り方>本調理

①海老にうすく塩をする。(アンチョビの塩分があるので少しでよい)


②海老にコショーを振る。


③フライパンを中火に掛けてオリーブオイル大さじ1を加える。


④海老を並べる。


⑤海老の上にソースを掛ける。


⑥白ワインを25ml(大さじ2位)加える。


⑦直ぐに蓋をし、1分程蒸す。


⑧蒸し上がり。


⑨イタリアンパセリの葉をちぎって皿の上に散らして完成。


さて、日本ではイタリア料理と言うと、パスタやスパゲッティー、それにピザを思い浮かべる人が多いと思うが、実際にイタリアのいろいろな場所を旅してみると様々な特色のある郷土料理に出会うことができる。

今回の「海老のニンニク蒸し」地中海風には「アンチョビ」を使ったが、アンチョビはニンニクととても相性がよく、ニンニクを茹でてからペースト状にしてアンチョビとオリーブオイルを加えたソースが、「バーニャーカウダ」で、皆さんもイタリア料理店「で食べたことがあるかと思う。

次回は、その「バーニャーカウダ」を作ってみることにしよう。。。






今回は中華料理の海老のニンニク蒸し「蒜茸蒸蝦」を作ってみよう。

2013年01月18日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
ここのところ蒸し暑い真夏日が続いていたが、今日は日差しも穏やかでそよ風が吹く気持ちの良い日だ。

こんな日には何より洗濯物が早く乾いてくれるのがありがたい。

さて「魚やす」だが、昨日はとても欧米人のお客さんの多い日でフランス人やイギリス人、アメリカ人などの2~4名のグループが何組もあった。

うちの店では料理の写真を撮るタイ人や欧米人が多いが、きっと「Facebook」等で誰かがうちの店を紹介してくれているのではないかと思う。

昔はレストランに行って写真を撮ること自体とてもためらったし、お店によっては「写真撮影禁止」のような雰囲気が漂っている店もあったが、今ではカメラではなく「iPhone」等で気軽に写真を撮るお客さんがとても多くなったと思う。

作る側としては、いつ写真を撮られるか分からないので料理を作るのに気が抜けないが、料理という自分の作品を気に入ってくれて写真まで撮ってくれることはとてもありがたいことだと思う。

また、タイ人の場合はうちのメニューに無い物を注文するお客様もいて、とっさに対応して作ることがあるが、そんなメニューの一つが「鮭のカブト煮」だ。



この「鮭のカブト煮」だが、出汁を使わないで「酒」「醤油」「みりん」「砂糖」だけで煮ていくが、酒が旨さを引き出してくれてとても美味しいので鮭の頭がスーパーマーケット等で手に入ったら作ってみるといいだろう。

鮭を煮るタレの配合はお玉(100ml)で、酒が3杯、醤油が1/2杯、みりんが1/2杯、砂糖が1/4をよく混ぜて使う。

サーモンは一度熱湯にくぐらせてから水に取り、ウロコをヌメリや血を綺麗に洗ってから上記のタレでゆっくり煮ていこう。

ほとんどタレが無くなるまで煮詰めてから火を止めるが、焦がさないように注意しよう。

さて、今回は中華料理の海老のニンニク蒸し「蒜茸蒸蝦」を作るが、この料理は中国の広東料理で、日本の横浜の中華街等でもこのメニューを載せている店が多いのでこの料理を食べたことがある人も多いと思う。

本場の中国では、さっぱりと塩味だけの味付けにニンニクを効かせたものが出てくることもあるが、今回は醤油ソースで味付けをした海老を蒸し揚げ、そこに熱々の油を掛けた料理を紹介しよう。

◆中華料理の海老のニンニク蒸し「蒜茸蒸蝦」の作り方。

<用意するもの>


写真手前の左から「万能ネギのみじん切り」大さじ2、「パクチーの葉」(香草)1株分、「ニンニクのみじん切り」大さじ2、「生姜と長ネギの青いところのスライス」少量。写真中央の左から「中国の醤油」(生抽)大さじ3、紹興酒大さじ1、砂糖小さじ1。写真奥の中央から、鶏ガラスープ大さじ1、新鮮な海老5本。尚、写真には無いがサラダ油大さじ2を用意しておこう。

<作り方>海老の下処理。

①海老の口とヒゲを一緒にハサミで切り取る。


②海老の足をハサミで切り取る。


③尻尾の尖っているところをハサミで切り取る。


④背中から包丁を入れる。(皮一枚分残し、切り離さないように注意する)


⑤海老を丁寧に開く。(開きが足りないと加熱時に丸まってしまう)


⑥海老を開いた状態。(真ん中が少し切れてしまっても十分に開こう)


<作り方>ニンニクの下処理。

①ボウルに水を入れ、にんにくのぬめりを洗う。


②ザルに上げる。


③キッチンペーパーで水気を拭き取る。


④170℃に熱した油で色よく揚げる。


⑤キッチンペーパーで余分な油を拭き取る。


<作り方>ソースを作る。

①ボウルに「中国の醤油」(生抽)を大さじ3入れ、紹興酒大さじ1を加える。


②砂糖を小さじ1加える。


③鶏ガラスープを大さじ1加える。(水に市販の鶏ガラスープを加えた物でもOK)


<作り方>本調理

①海老を皿に盛り、海老の上にソースを掛ける。


②揚げたニンニクを海老の上に散らす。


③生姜と長ネギの青いところのスライス少量を乗せる。


④鍋にサラダ油大さじ2を入れて火に掛け始める。(中火位にしておく)


⑤蒸し器に入れて3分間蒸す。


⑥蒸し器から取り出し生姜と長ネギの青いところのスライスを外す。


⑦万能ネギの小口切りを散らす。


⑧パクチー(香草)の葉をちぎって散らす。


⑨鍋の油を強火にして220℃以上に熱々にして海老の上に掛ける。


⑩完成写真


この料理を美味しく作るポイントは何と言っても新鮮な海老を使うことだ。

蒸し物は魚でも同じだが素材の鮮度がストレートに感じられる料理なので、鮮度の悪い材料を使うと臭いも悪いし身がベタッとした食感になってしまう。

また、上から掛ける油を十分に熱してから海老に掛けるのもこの料理を美味しく作るポイントだ。

慣れないうちは怖いかも知れないが、海老の上に十分に熱したサラダ油を掛けた時に、煙と共にジューっという音がする位にサラダ油を熱しよう。

今回、ニンニクのみじん切りは一度洗ってから油で揚げたが、ニンニクの生ぐさみを取るのと、ニンニクを色よく香りよく揚げる為の中華の技法でなので手を抜かず同じようにやってみて欲しい。

さて、「海老のニンニク蒸し」という料理を、2回に分けてタイ料理と中華料理で作ってみたが、次回はオリーブオイルとニンニクを使い、地中海風の「海老のニンニク蒸し」を作ってみよう。。。







タイ料理のクン ヌン ガティアム(海老のニンニク蒸し)を作ってみよう。

2013年01月16日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
1月15日を過ぎ、日本では成人式を迎えた若者達が背広や振り袖姿で街を歩いている光景が目に浮かぶ。

自分が成人式を迎えた時には、日本の真裏の「ベネズエラ」という国に居て、スペイン語を話しながら天ぷらカウンターでベネズエラ人に天ぷらを揚げていたかと思うと、本当に年月の過ぎるのは早いと思う。

さて、下の写真は「ねぎトロつまみ」という商品でうちの店の常連のお客様に無料で出しているがとても好評だ。



この「ねぎトロ」は生の本マグロ100%なので、自分で食べても絶品だと思う。

一緒に入っている「松の実」の食感がよく、海苔の上にねぎトロを乗せてワサビとネギを少し加えてから手で海苔を巻いて食べてもいいし、ワサビ醤油に付けて食べてもいいだろう。

「魚やす」ではマグロは「生の本マグロ」を使っているが、色変わりがしないうちに、このようにお客様にサービスで出すことで、いつも良い状態のマグロを出せるようにしている。

この商品ばかりが出ると大赤字になってしまうが、このブログを見てくれたお客様には特別に380バーツで提供したいと思う。

『ねぎトロつまみ』と言えば店のホールスタッフでも分かるので興味があれば注文してみて欲しい。(味は100%保障するが、いつでも出せるとは限らないのでご了承いただきたい。)

また話が長くならないうちに今回のクン ヌン ガティアム(海老のニンニク蒸し)の話するが、この料理を美味しく作るポイントは何と言っても鮮度の良い海老を使うことだ。

鮮度の良い海老とニンニクの香がこの料理を引き立てる。

作り方はとっても簡単なので早速作ってみることにしよう。

◆クン ヌン ガティアム(海老のニンニク蒸し)の作り方。

<用意する物>


写真手前の左から「水」100ml、「砂糖」大さじ1、「片栗粉」大さじ1/2、「海老」5本、「コショー」少々、「味の素」小さじ1。写真中央の左から「ごま油」小さじ1、「オイスターソース」大さじ2、「パクチー」(コリアンダーの茎)1株分。写真奥の左から「紹興酒」小さじ1、「パクチー」(コリアンダーの葉)1株分。ニンニク5~6カケ。

<作り方>海老の下処理

①海老の足をハサミで切り取る。


②尻尾の尖っているところをハサミで切り取る。


③海老の背の方に包丁を入れて開く。(皮一枚分残して切り離さないようにする。)


④海老の開いたところを楊枝で固定する。(加熱した時に縮まらないよう)


⑤皿に並べる。


<作り方>ソースを作る。

①ニンニクを包丁の背で叩いて潰す。


②パクチー(コリアンダー)の茎を一本ずつに切り離す。


③パクチー(コリアンダー)の茎をみじん切りする。


④ニンニクも一緒にみじん切りする。


⑤ボウル等に水100㎜リットルを入れて、④のパクチーとニンニクのみじん切りを加える。


⑥オイスターソース大さじ2を加える。


⑦砂糖大さじ1を加える。


⑧コショーを少々加える。


⑨味の素を小さじ1加える。


⑩ゴマ油を小さじ1加える。


⑪紹興酒を小さじ1加える。


⑫片栗粉を大さじ1/2加える。


⑬よく混ぜ合わせる。


<作り方>本調理

①海老の上からソースを掛ける。


②ニンニクのスライスを海老の上に散らす。


③蒸し器に入れて5分間蒸す。


④蒸し器から出し楊枝を外す。


⑤パクチーの葉をちぎって散らして出来上がり。


さて、今回のレシピはうちの店の「JYO」ジョーというタイ人のレシピを元に作ってみたが、実際に試食してみると、全体に味が薄く物足りないというう印象を受けた。

塩を加えていないのもその理由の一つだろうが、やはりオイスターソースが中心の味付けに原因があるような気がする。

このレシピも淡泊な海老の味を生かしていていいとは思うが、もし、このレシピで作ってみて味が薄いと感じたら、シーユーカオ(醤油)を大さじ1と、マギーのようなシーズ二ングソース大さじ1をソースを作る時に加えてみるのも良いかと思う。

さて、今回はタイ料理の海老のニンニク蒸しを作ったが、次回は中華料理の海老のニンニク蒸し「蒜茸蒸蝦」をつくってみることにしよう。。。


タイ料理店 「トン クルアン」のクン ヌン  ガティアム(海老のにんにく蒸し)

2013年01月14日 | 魚やす UO-YASU のまかない料理
1月も15日となり、そろそろ正月気分も抜けるころになった。

バンコクは通常、11月~2月は気温も下がり過ごしやすいはずだが、今年は毎日、真夏のような暑さで今月もエアコンの請求書を見るのが恐ろしくなってしまう。

中国でも電気代は高いと思っていたがタイも食べ物等の物価に比べると電気代は信じられない程高いと思う。

さて、ここのところブログをなかなか更新できなかったが、実は店のスタッフ2名が昨年のクリスマス前に田舎に帰ったまま店に戻らなくなり、また自分みずから一日中お店に居て仕込みをしているような状況だが、毎日、たくさんのお客様にお店に来ていただき、誠にありがたいと思う。

最近、ランチの営業が終わると遅い昼食を食べに、うちの店の近くの「トン クルアン」というタイのイサン料理(東北料理)のお店に行くのだが、この店の「クンヌング ガティアム」(海老のにんにく蒸し)がとても気に入っている。

この「トン クルアン」という店はうちの店と同じトンロー通りの13(Soi13)にあるのだが、日本人のお客さんが6割というので、このブログを見てくれている人も知っているのではないかと思う。



この店のメニューはとても豊富なので、いつもはラープガイ(鶏ひき肉の炒め物)にスープ等、ご飯に合いそうな料理ばかりを注文していたのだが、この店の「クンヌング ガティアム」(海老のにんにく蒸し)を試しに食べてみたところ、海老がとても甘く最近はこの料理を目当てにこの店に通っている。

下の写真がこの店の「クンヌング ガティアム」(海老のにんにく蒸し)の写真。



実はこの「クンヌング ガティアム」(海老のにんにく蒸し)とよく似た料理が中国にもあり、「蒜茸開屏蝦」と呼ばれているが、蒜茸(ソヮンロン)はニンニクのみじん切りなので、こちらも海老のニンニク蒸しだが、海老を醤油などで味付けして蒸してから200℃以上に熱した油を上から掛けたものだ。

最初、「トン クルアン」でクン ヌン ガティアム(海老のにんにく蒸し)を見た時には、中華の「蒜茸蒸蝦」その物だと思ったが上から熱い油を掛けた味とは少し違っていた。

早速、店のスタッフにタイ料理の「クンヌング ガティアム」(海老のにんにく蒸し)のことを聞き、実際にお店で作ってみることにした。

次回は、そのレシピを紹介することにしよう。。。









明けましておめでとうございます。まずは年初めに「魚やす特製のお雑煮」を紹介しよう。

2013年01月02日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
皆様、明けましておめでとうございます。

さて、昨年は「魚やす」にはたくさんのお客様にお越しいただいたが、今年も元旦から満席となり年明けから良いスタートとなった。

今年も多くのお客様に育てられ、皆さんに親しまれるお店にしたいと思う。

そして、今年も是非このブログに立ち寄っていただきコメントを送っていただきたい。

まずは年初めにあたり、今回は「魚やす特製のお雑煮」を紹介しよう。

◆「魚やす特製のお雑煮」の作り方

<用意する物>4人前
大根      1/4本
ニンジン    1/2本
しいたけ    4枚
ほうれん草   1/4束
鶏モモ肉    200g
海老       4尾
ナルト      4枚
切り餅     8個

出汁      800ml
みりん     大さじ2
醤油      大さじ2
塩        少々 

<作り方>下処理

①大根、ニンジンは皮を剥き「いちょう」に切る。椎茸は1個を十文字に4つに切る。
②ほうれん草は熱湯でさっと茹で、冷水に取り水気を絞って4㎝に切る。
③鶏のモモ肉は2㎝角に小さく切る。
④海老は頭を残したまま皮を剥き、さっと茹でて冷水に取りザルに上げておく。
⑤ナルトは薄く切る。
⑥切り餅は網の上にのせ、何度かひっくり返しながら焼く。

<作り方>本調理

⑦鍋を弱火に掛けて出汁、みりん、しょうゆを入れ、大根、ニンジン、椎茸を加える。
⑧野菜に火が通ったら鶏モモ肉を加える。
⑨具材に火が通ったら塩で味を整える。
⑩焼いた餅を加える。



⑪餅が柔らかくなったら、海老を加えてさっと煮る。
⑫お椀に盛り、ほうれん草とナルトを添える。

下が完成写真。(熱々を召し上がろう)


さて、昔からの諺(ことわざ)に「魚は大名に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ」というのがある。

これは魚を焼く時のコツを表したものだが、貧乏人はいつもお腹をすかせているので、魚を焼く時にもせっかちに何度もひっくり返して、焼き加減を点検したくなる。

一方、大名はでんと構えているので魚を焼く時には何度も返したりはしない。

この「魚は大名に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ」というのは、この諺どうりで、どちらも適切な焼き方だ。

料理屋では、魚を焼く時には「表六分に裏四分」といういい方が古くからあるが、実際に表をちょうど六分、裏を4分焼きなさいという意味ではなく、魚を焼く場合には何度も返さずにじっくり焼き、返すのは1度だけでいいということだ。

乞食のように何度も返すと皮が剥げてしまったり、身くずれをおこしてしまう。

そうならないように、最初は半分以上(六分)に火を通すようにし、何度も返してはいけないという意味だ。

一方、餅を焼く時には焦げないように、弱火でゆっくり中まで火を通すのがポイントだ。

その為には乞食のように何度も裏表を返しながら焼くのがコツとなる。

この「魚やす特製のお雑煮」は、1月1日(元旦)~3日まで、お店に来られたお客様に無料サービスで召し上がってもらっている。

もし、バンコクに住んでいる方で、このブログを見られた方は「魚やす」に足を運んでいただきたい。

今年もたくさんの料理をこのブログで紹介して行こうと思う。。。