ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

労働基準法36条違反には罰則規定が無い?

2021-06-23 11:59:16 | 労務情報

 労働基準法の定める労働時間(原則として1日8時間、1週40時間)を超えて労働させるには、時間外労働に関する労使協定を締結しなければならない。 これが労働基準法第36条に定められているため、この労使協定を「三六協定(サブロク協定)」と呼ぶことはよく知られている。

 ところで、一部(特に労働基準法を勉強し始めたばかりの方)には、「三六協定を締結せずに時間外労働させても罰せられない」と考える向きもあるようだ。 どうやら、労働基準法の罰則は第13章に列挙されているところ、第36条については第1項ただし書き(健康上特に有害な業務に2時間を超えて時間外労働をさせてはならない)の部分を除き記されていないので、それをもって「36条違反に罰則は無い」と思い込んでいるらしい…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

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始末書提出を拒まれた場合には?

2021-06-13 20:09:13 | 労務情報

 従業員がミスや不祥事(懲戒解雇に該当しない程度のもの;以下、「事故」と呼ぶ)を起こしたら、「始末書」を提出させたい。それは「教育的効果」と「労使トラブル防止」の2側面において有効だからだ。

 まず、始末書には、事故の原因となった行動とそれに対する反省、そして今後の取り組み姿勢を書面に整理させることで、本人の反省を促し、事故の再発を防ぐ意味がある。
 上司や人事担当者は、得てして、始末書を提出させることに傾注し、または始末書を提出させたことで満足してしまいがちだが、こうした教育的効果こそが始末書を書かせる第1の目的であることを忘れてはなるまい。

 そして、「労使トラブル防止」の観点からは、「会社が注意・指導を与えた」という記録としての意味も大きい。
 始末書を提出させた回数やその内容は、特に解雇事案において、会社が「何度注意しても改善されない」として当該解雇が妥当である旨を主張するための材料の一つにもなりうる。さらに言えば、始末書を提出させることで、トラブルに発展させにくいという心理的な抑止効果も期待できる。

 ところで、事故を起こした従業員が始末書の提出を拒むことがあるかも知れない。
 そうした場合は、日本国憲法第19条(思想および良心の自由)の観点から、本人の意思に反して始末書(“反省”の意図を含む)の提出を強制することはできないと解されている。
 懲戒(または制裁)処分の一形態として「譴責」を設け、始末書を提出させることとしている会社も多いが、それでも、本人が始末書提出を拒んだら、懲戒処分とは言え「反省している」旨を無理やり書かせることはできない。そして、始末書を提出しなかったことを理由として他の懲戒処分を科すことも、裁判所の判断はこれを肯定するもの(福岡地判H7.9.20、東京高判H14.9.30等)と否定するもの(大阪高判S53.10.27、神戸地尼崎支判S58.3.17等)とが混在していて、リスクが高い。
 もっとも、本人が嫌がるものを無理やり書かせたところで、上に挙げた「教育的効果」も「労使トラブル防止」も、期待できなくなるばかりか、逆効果になってしまうだろう。

 もし本人が始末書の提出を拒んだら、会社(上司)としては、「事故報告書」や「顛末書」等を提出させればよい。
 こうした書面には“反省”を込める必要が無い一方で、事故の詳細について報告を求めることは上司としての正当な職務命令であるので、当該従業員はこれに従う義務があるからだ。
 そして、事故の顛末を整理していくうちに、本人が事の重大さに気づく場合もあろう。 そうなれば、始末書を書かせる目的は達せられるので、必ずしも「始末書」という“形”にこだわる必要は無いのではなかろうか。


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曜日を特定しない「週3日」のパート契約は?

2021-06-03 11:57:31 | 労務情報

 会社がフルタイムでなくパートタイマーを雇う大きな理由の一つが「忙しい時だけ働いてほしい」というものだ。
 しかし、業種・業態によっては、その「忙しい時」が何曜日なのか予測できないこともあるだろう。 そういう場合に、例えば「週3日」とだけ定めて、具体的な労働日を決めずに契約することは可能なのだろうか…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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