ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

国民健康保険料減免措置と“離職理由”

2010-05-29 16:17:20 | 労務情報
 解雇等により失業した者に課される国民健康保険料(自治体によっては「国民健康保険税」)を、平成22年度に限り減免する措置が講じられている。
 具体的には、平成21年度中に離職した「特定受給資格者」および「特定理由離職者」について、在職中と同程度の保険料負担で国民健康保険に加入できることを目的として、前年の給与所得をその30%の額とみなして保険料を算出するものだ。

 この措置は一見、実情に配慮した“徳政”のようにも思えるが、今年度に限って減免するというのは不公平なのではないだろうか。また、前年には相応の所得があったのだから、それに応じて保険料を負担するのは当然の義務であるとの論もある。
 しかし、そうは言うものの、現実に保険料が支払えない世帯もあるだろう。そういう場合にこそ、減免なり、その他の手立てを講じるべきなのであって、「リストラされた」という理由だけで全国一律にこの措置の対象にするのは、単に“選挙前のご機嫌取り”にしか思えてならない。

 さて、是非論はともかくとして、最近、この措置を知った退職者から、「離職理由を“会社都合”に訂正してほしい」という依頼を受けた会社もあると聞く。中には、脅迫じみた文面で要求してくる者もいたそうだ。
 もし会社が誤って“自己都合”として届け出てしまったのなら当然訂正すべきだが、事実“自己都合”であるのなら、そのような依頼には応じるべきでない。特定受給資格者を出した会社は助成金受給の際に不利になるという直截的な理由もあるが、それよりも、企業の社会的責任や人事担当者の職務倫理といったものを考えれば、そんな不正に加担するのはやはり許されまい。

 なお、離職理由を目に見える形で残しておけば後日そういった不当な要求をしてこられる余地は無い。その意味でも、退職に際して「退職願」を提出させるか「退職合意書」を交わすことは徹底しておくべきだろう。


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“相対評価”の簡便な方法

2010-05-23 14:30:11 | 労務情報
 そろそろ夏季賞与支給のため査定準備に取り掛かる会社も多いだろうが、人事考課の方法については、中規模以下(会社トップが従業員個々人の顔を判別できる程度)の会社では、「絶対評価」よりも「相対評価」がお勧めである。払える賞与の原資が初めに決まっているのなら、その総額を企業活動への貢献度に応じて配分するという点で、相対評価は理にかなっているからだ。また、絶対評価のための基準設定が小さい会社の実態にそぐわないという理由もあるが。
 さて、今回は、相対評価の例として、その最たるものである「全従業員に序列を付ける」という方法を紹介しよう。

 まず1次考課者(例えば課長)は、自分の部下を序列付けする。次に、2次考課者(例えば部長)は、複数の部門から“1次考課序列”を提出させ、それらを合体させて“2次考課序列”を作る。その際には1次考課序列での順番は崩さないことが大事なポイントだ。そして、できた2次考課序列の中に、1次考課者(課長)を位置づける。さらに3次以降の考課者もいるなら、これと同様の作業を繰り返していく。
 そうすると、最終的に、“企業活動に最も貢献できた者”から“最も貢献できなかった者”まで、全従業員を一列に並べることができる。そして、この序列に基づいて賞与支給額に差を設ければ良いというものだ。

 ざっと概略はこういうことだが、人事考課の方針を決めるにあたり、「評価期間を半年とするか1年とするか」、「数値化できる基準で評価するか、上司の主観も評価ポイントたりうるか」、「今期の成績だけで評価するのか、“基礎能力”や“将来性”も加味するか」といった具体的な問題は、経営環境や経営者のポリシーやいわゆる“社風”も考慮する必要があろう。
 また、賞与支給額に関して言えば、「定額部分(例えば「基本給1か月分」)を補償するか」や「最高~最低のレンジ幅をどのくらいに設定するか」も考えなければならない。


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年次有給休暇取得中にも通勤手当の支給義務あり

2010-05-19 13:32:02 | 労務情報

 年次有給休暇はその名のとおり「給料の出る休暇」であるので、正当に有休を取得した従業員には、“通常の賃金”を支払わなければならない。
 その“通常の賃金”は、
(1)「所定労働時間を勤務した場合の賃金」
(2)「平均賃金(直近3ヶ月間の賃金総額をその期間の総日数で割った額)」
(3)「健康保険法99条に定める標準報酬日額」(労使協定を締結する必要あり)
 の3通りのうちいずれかの方法で計算されるが、意外な盲点として、いずれにも“通勤手当”が含まれている点には注意を要する…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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「落語」と「スペシウム光線」と「チキチキマシン」の共通点

2010-05-13 12:06:42 | 労務情報

※5月13日付けの記事は、諸事情により全面差し替えさせていただきます。
 なお、本稿は、別のブログサイトに投稿した内容に一部手を加えたものです。(2010.08.10筆者拝)


 落語でも、演劇でも、客席から見て「右側が上手(かみて)、左側が下手(しもて)」とされている。
 主人公あるいは位の高い人は、舞台の右袖から登場し、観客に左の横顔を見せてお芝居をするのが、一応のパターンなのだそうだ。(敢えてパターン崩しに挑戦する前衛的な演出も有るだろうが、ここでは例外としておく。)

 これは、「人間の心理が『右から左へ』の流れを自然だと感じる」という仮説に基づくものらしい。
 もっとも、本当は逆で、似たような事象をいろいろ研究しているうちに、こういう仮説が生まれた、と考えるべきかも知れないが。

 この仮説は、テレビの世界にも当てはまるようだ。
 例えば、「ウルトラマン」の必殺技「スペシウム光線」は、画面の右から左に向かって発している。言われてみれば、「仮面ライダー」やその他のヒーローたちも、敵と対峙する場面では、画面の右側に立っているような気がする。(すべての場面を検証したわけではないが…)

 日本人は文章を右から左へ読むことに慣れているため「右=過去、左=未来」という時間軸を構築している、との推測も成り立とうが、ところがどっこい、この話は、洋の東西を問わないようだ。
 先に挙げた演劇の例でもそうだし、米国ハンナバーベラ社製のアニメ「チキチキマシン猛レース」でも、画面左側にゴールを想定し、各車は左に向かって走っている。

 もし、この仮説が正しいとしたら…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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図らずも“偽装請負”となってしまわないように

2010-05-09 15:40:31 | 労務情報
 数年前、「偽装請負」という言葉が新聞紙上を賑わしたことがあった。ある大企業が自社内で他社の労働者を働かせていたが、それは、形式上は“請負”契約でありながらも実態として違法な“労働者派遣”であったという問題である。
 この話はたまたま日本を代表するような企業だったので新聞に大きく取り上げられたのだが、似たような事例は、会社の規模や業種を問わず日本中で見受けられるのも事実だ。しかも、当事者には「違法」との認識が無い場合も多い。特に“アウトソーシング先の業者が同じオフィス内で作業している形態”に、その危険性が高まるので注意したい。

 偽装請負とならないかどうか、主なチェックポイントを挙げてみる。
1.受託業者が本来行うべき人事管理(配置する担当者の人数、担当者が欠勤する場合の措置、担当者の考課etc.)について、委託した側が決めていないか。
2.委託した業務が早く終わった場合には委託料が減り、逆に遅くまで時間が掛かった場合に加算されるという取り決めになっていないか。
3.旅費等が必要な場合にその都度支払う仕組になっていないか。
4.オフィス内の設備・機器・材料を無償で提供していないか。(ただし、高度な技術・専門性をもって使用している場合を除く)
 他にも種々挙げられるが、つまりは「“業務の委託”なのであって“労務の提供”でない」という概念で一貫していることを理解しておきたい。

 故意に偽装請負を行うのは論外だが、図らずも偽装請負の片棒を担いでしまって予期せぬ行政からの指導を受けてもつまらない。「業務委託」と「労働者派遣」とを明確に理解し、適正に使い分けたいものだ。


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「支度金」を返還する特約は違法?

2010-05-03 12:02:02 | 労務情報

 従業員の採用にあたり、「支度金」を支給する会社も有ることと思う。
 「支度金」の本来の意味は、身だしなみを整えたり場合によっては転居する等、その名の通り入社の支度をするために必要な費用を入社前に渡しておくという趣旨の金員であって、昔から日本の雇用慣行に根付いている制度だ。
 しかし、平成になって以降は、「契約一時金」または「サイニング・ボーナス」とも呼称され、特にヘッドハンティングの際に、優秀な人材を獲得するために用いられることが多くなり、金額も100万円以上に及ぶことが珍しくなくなってきている…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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