ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

三六協定の対象に出向者も含めていますか

2011-06-29 12:03:03 | 労務情報

 出向(※)とは、所属している会社(出向元)とは異なる会社(出向先)で業務の指揮命令を受けて従事することを言う。
 ※出向元との雇用関係を絶つ「転籍」のことを「移籍出向」と呼ぶこともあるが、本稿では出向元に所属したまま他の会社に行く「在籍出向」のことを指して単に「出向」と呼ぶことにする。

 出向者は、出向先の業務指示に従うのだから、始業・終業時刻や休憩時間等についても(特段の取り決めが無い限り)出向先の規定に従うものとされるのが一般的だ。
 残業についてもこの延長で論じられるわけで、出向先は、出向者に対して、出向先の就業規則と三六協定に基づいて残業を命じることが可能である。派遣労働者の場合は、残業については(と言うよりも「労働条件全般について」であるが)“派遣元”の定めに従わなければならないのとは扱いが異なる。
 そして、出向者も三六協定の適用対象であるということは、すなわち、会社が三六協定を締結する際には、その「労働者総数」に出向者も含めてカウントしなければならないということでもある…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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年次有給休暇の計画的付与ではパートの扱いに要注意

2011-06-23 11:46:07 | 労務情報

 「節電の夏」を迎え、7月から8月にかけて、工場などの一斉休業を考えている企業も多いと思うが、そんなときに活用したいのが「年次有給休暇の計画的付与」の制度だ。
 年次有給休暇は、労働者の請求した時季(労働基準法では“時季”と表現する)に与えるのが原則だが、労使協定を締結することによって、会社が特定の時季を指定して付与することができるようになる(労働基準法第39条第5項)。
 これは「時季変更権」の延長にある考え方で、会社にとっては業務を計画的に配分することができ、また従業員にとっても休暇が消化しやすくなるという、労使双方にメリットがある便利な制度と言える。

 しかし、この制度をパートタイマーにそのまま適用するのは、注意を要する。
 まず、計画的付与は「年5日を超える日数」が対象となる。すなわち、各人が自由に時季を指定できる日数を年5日間は確保しなければならない。
 この点、パートタイマーは元々付与された有休日数が少ないことが多く、年6日以上の有休を付与されていない者は初めから計画的付与が適用されないのだ。

 また、そもそも“休暇”というものは「労働義務を免除する」という性格を持つため、所定休日である日を指定することはできない。
 特に「企業全体で一斉休業して計画的付与を実施する」という方法を採用した場合、特定のパートタイマーにとってはその日は元々出勤日でない可能性がある。当然ながら、その者は有休を消化しないわけだから、画一的な事務処理では対応できないことに留意しておく必要がある。

 それから、有給休暇は文字通り「有給」なのだから、賃金が発生する。
 今さら言わずとも当然の話なのだが、月給制の従業員と異なり、時給制の従業員の賃金は“目に見える”ので、このことに驚き、あるいは不快感を示す経営者も少なからずいるので、ここで改めて指摘しておきたい。

 なお、パートタイマーに限った話ではないが、採用されたばかりで有休が発生していない者に対して休業を命じた場合は、法定の年次有給休暇とは別の特別有給休暇を付与するか、さもなければ、労働基準法第26条による「休業手当」(平均賃金の6割以上)を支払わなければならない点にも要注意だ。


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労働基準法36条違反には罰則規定が無いのか?

2011-06-19 23:35:59 | 労務情報

 労働基準法の定める労働時間(原則として1日8時間、1週40時間)を超えて労働させるには、時間外労働に関する労使協定を締結しなければならない。これが労働基準法第36条に定められているため、この労使協定を「三六協定(サブロク協定)」と呼ぶことはよく知られている。

 ところで、一部(特に労働基準法を勉強し始めたばかりの方)には、「三六協定を締結せずに時間外労働させても罰せられない」と考える向きもあるようだ。どうやら、労働基準法の罰則は第13章に列挙されているところ、第36条については第1項ただし書き(健康上特に有害な業務に2時間を超えて時間外労働をさせてはならない)の部分を除き記されていないので、それをもって「36条違反に罰則は無い」と思い込んでいるらしい…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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3か月間行方不明で死亡と推定(震災特別法)

2011-06-13 10:33:06 | 労務情報

 未曾有の大震災から3か月が経過したが、いまだ1万人余の方が行方不明となっている。
 行方不明の方のご家族にしてみれば一縷の望みを捨てずに、無事に帰還されることを祈っておられることと思うが、その一方で、生死が明らかでない状態では「死亡」を前提とした各種社会保険制度の給付が受けられないという問題が浮上している。法律上は、災害の場合は1年以上経過してから死亡を認定することとなっているが、今回の大震災でその原則通り適用してしまうと、救済が遅れてしまうのだ。

 そこで、5月2日に公布された「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」では、生死が三か月間分からないときには、「3月11日に死亡したものと推定する」こととされた。これは、「船舶沈没や航空機墜落において3か月間生死不明であれば、その行方不明になった日に死亡したものと推定する」(労災保険法第10条ほか)という規定を拡大した形で法制化されたものだ。
 これにより、今も行方不明の方については、「遺族基礎年金」・「遺族厚生年金」、健康保険の「埋葬料」、労災保険の「遺族補償給付」その他船員保険・共済組合・国民健康保険等の死亡に関する給付の対象とすることになっている。なお、6月10日の警察庁発表によれば、「行方不明届に係る警察証明」については、原則として本人から申請することになっているが、被災者の負担を軽減するため日本年金機構からの照会に直接応じることとしたそうだ。
 これら一連の立法・行政の動きについては、かなり柔軟な対応であり、評価できるものと個人的には思っている。

 ところで、この手続きは「死亡したもの」と“推定”して進めるものであって、後日、行方不明者の生存が確認できた場合は、この死亡推定は覆る。“推定”というのは、そういう意味も含んでいることには注意しておきたい。


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労働保険事務組合の活用で保険料の分割納付も

2011-06-03 12:04:58 | 労務情報

 労働保険(労災保険および雇用保険)の年度更新について、労働局から申告書等が届いていることと思う。申告書提出と保険料納付の期限は、一昨年から「7月10日まで」に変更となり、今年は曜日の関係で「7月11日(月)まで」となっている。

 さて、この申告・納付期限は従来は「5月20日まで」であったが、特に保険料納付の時期が遅くなったことにより、意外な不具合も発生している。
 と言うのは、7月に賞与の支給を予定している会社では、賞与も労働保険料も現金で用意しなければならないため、資金繰り面で苦しい思いをしているというのだ。「支払うべき保険料の額は同じなのだから、使わずに持っておけば良い」と考える節も有るかも知れないが、月々ギリギリの現金で経営している中小企業にとっては難しい話だろう。

 ところで、労働保険料は、当年度分の概算保険料が40万円以上(労災保険または雇用保険の片方だけ成立している場合は20万円以上)であれば3回に分割して納付できるが、それ未満であっても分割納付する方法があるのをご存じだろうか。
 どうしても経営が苦しくて支払えない場合に分割納付を労働局と相談する余地はあるが、それは最終手段であるので、ここでは通常の保険料納付方式として。

 それは、労働保険事務組合に事務委託することだ。「労働保険事務組合」は、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主等の団体で、労災保険や雇用保険の各種届出や労働保険料の申告・納付を事業主に代わって行うもの。
 事務委託すると、労働保険料は、都道府県労働局ではなくて事務組合に納付することになり、納付額にかかわらず3期分割して納付することが可能となる。
 加えて、原則として労働者しか加入できないことになっている労災保険へも、労働保険事務組合に事務委託している場合に限り、事業主やその家族の特別加入が認められる。

 もちろん事務委託手数料は発生するが、これら2つの優遇措置と、何より労働保険関係の事務処理に費やす手間が省けることにメリットを感じるなら、労働保険事務組合を活用することを考えてみても良いだろう。


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