ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

育児短時間勤務者の賞与は減額して良いか?

2011-10-29 20:16:40 | 労務情報

 そろそろ冬季賞与について考えている会社もあることだろう。
 今回は、賞与対象期間中に育児短時間勤務制度を利用した期間がある従業員について、賞与を減額することは可能なのかどうかを考えてみたい。
 「考えるまでもなく、当然、減額できる」との論も少なからず有ると思うが、「減額できる」とする理由を合理的に説明できるだろうか。悩ましいのは、育児短時間勤務は、“育児休業”とは異なり、就労時間が短いとは言え「出勤している(=仕事を与えられている)」という点だ…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


この記事をはてなブックマークに追加

従業員の“健康”への配慮も会社の安全配慮義務

2011-10-23 16:02:14 | 労務情報

 会社は、労働契約に付随して、従業員に対する「安全配慮義務」を負うものとされる。
 この「安全配慮義務」について、かつては職場での事故や怪我を防止する(“安全”への配慮)ことに重点が置かれていたが、昨今では、過重労働等を原因とする脳・心臓系の疾病やうつ病などが労災認定されるようになり、メンタル面を含めた「健康配慮義務」も重視されるようになってきた。
 ちなみに、ここで言う「過重労働」とは、必ずしも長時間労働だけを指すのではない。“残業ゼロ”の通信会社従業員が心臓病で死亡したのは「長期の宿泊研修を強いられた過労が原因」として労災を認めた判決(札幌地H21.11.12判)もあることは心に留めておきたい。

 この「健康配慮義務」は、用語自体は比較的新しいものだが、その考え方の本質は、これを包括する「(従来からの)安全配慮義務」と何ら異なるものではない。
 つまり、従業員が心身の健康を害することを会社が予測でき(予見可能性)、会社としてそれを回避する手段がある(回避可能性)なら、その手段を講じなければならないということだ。

 万が一、安全配慮(健康配慮を含む)義務違反で事故が起きた場合は、会社は民事・刑事の両面で責任を問われることになる。
 従業員の“能力”ばかりでなく“健康状態”にも配慮した適切な業務を与えることが、経営者の義務であり責任であると言えよう。


※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
 ↓



この記事をはてなブックマークに追加

小規模企業でもジョブローテーションを

2011-10-13 11:51:28 | 労務情報

 ジョブローテーションは、従業員のキャリア形成に寄与することが大きな目的の一つであり、終身雇用型が定着している大企業においては昇進や昇格の条件にしている会社も多い。昨今ではゼネラリストよりもスペシャリストが求められる風潮もあって、その目的や方法は様変わりしつつあるとは言え、それでも「個々人の隠れた適性を発見できる」等のメリットもあるので、ジョブローテーションは人事管理の一手法として今もって健在だ。

 しかし、小規模企業においては、どうしても“即戦力”を求める傾向にあり、入社後の人材育成も考えていないことが多く、また、職種転換による生産性の低下を恐れてか、ジョブローテーションはあまり実施されていないのが事実だ。
 確かに担当業務を変更するのであるから一時的には生産性が下がるだろうが、少ないコストと時間で多能工化(古い概念だが、人的資源が限られている小規模企業であればこそ今だに重要と言える)を図るには、やはり、ジョブローテーションは有効な方法と言える。また、「個人の持つ情報やノウハウを組織全体で共有化できる」とか、「不正や非効率を他人の目で発見できる」といったメリットもあり、さらには、仕事のマンネリ化を防ぎ、部門間・職種間の風通しを良くするという、無形の効果も期待できよう。

 この景況下の今こそ、業務に余裕があるなら、ジョブローテーションの活用を考える好機なのかも知れない。皮肉な話ではあるが。


※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
 ↓



この記事をはてなブックマークに追加

建設業では上限なしに残業させられるって本当?

2011-10-09 16:01:32 | 労務情報

 時間外労働については、原則として「月45時間」を限度とすることが行政通達(旧労働省H11基発45号)で定められている。しかし、この限度基準は「工作物の建設等の事業」、「自動車の運転の業務」、「新技術、新商品等の研究開発の業務」等には適用されないことになっている。
 誤解も多いのだが、これらの事業(または業務)であっても、法定時間外労働をさせるには「三六協定」(サブロク協定=「時間外労働・休日労働に関する労使協定」;労働基準法第36条に基づくためこう呼ばれる)は締結しなければならず、そこには時間外労働の限度時間を記載しなければならない。しかし、その「限度時間」については、“労使が合意した時間数”を書けば良いということだ。

 さて、このような話を聞くと、建設業等では三六協定さえ締結しておけば無制限に残業させることが可能ではないかと思われる向きもあろうが…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


この記事をはてなブックマークに追加

正社員とパートとの役割区分を明確に

2011-10-03 18:28:23 | 労務情報

 社内では「パートタイマー」と呼んでいても、正社員と同じ業務をこなしている者もいるだろう。もし、それがパートタイム労働法第8条に言う「正社員と同視すべき短時間労働者」であるなら、短時間労働者であることを理由として賃金その他の待遇において差別してはならないので、注意が必要だ。
 「賃金その他の待遇」というのは、典型例として「家族手当」や「賞与」等が挙げられるが、これらを「パートだから」という理由で支給しなかったり減額したりするのは違法となる。「正社員と同視すべきパートタイマー」には、正社員と同様の基準で支給しなければならないのだ。ただし、無論、実働時間数に応じた合理的な差異や個人の勤務成績により生じる差異については許される。

 この場合の「正社員と同視すべき」とは、①業務の内容や責任の程度が同じである、②配置転換等の人材活用の仕組について同じ運用が見込まれる、③雇用期間に定めが無い(有期雇用契約の反復更新を相当回数繰り返した場合を含む)、の3つすべてを満たすものとされている。
 逆に言えば、これらのいずれかについて正社員と明確に区別されていれば「正社員と同視できない」ことになるわけだ。例えば、パートタイマーには「補助的な業務のみを担当させている」とか「正社員のような転勤を命じない」というのであれば、「正社員とは異なる」と主張できよう。
 責任範囲や職務ローテーションにおいて扱いが異なることを理由に正社員とパートタイマーとの賃金格差を容認した判決(京都地H20.7.9判)は参考になりそうだ。

 「正社員」と「パートタイマー」とは何が違うのか、単に“呼称”だけでなく、長期的な観点を含めて“会社が期待する役割”を明確に区分しておくべきだ。
 さらに、それを踏まえたうえで、有能なパートタイマーは正社員に登用する制度を整えておくのが、インセンティブ面でも有効な方策と言えよう。


※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
 ↓



この記事をはてなブックマークに追加