Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

SONY KV-4P1 について

2022-05-31 02:00:10 | テレビ

 

  (出典:https://www.sony.com/ja/SonyInfo/design/gallery/KV-4P1/)

 1980年の4inch卓上型カラーテレビ。画面が4inchという小さい割に奥行きがあって特異な形状。長い銀色の箱の奥のヒンジで前面が持ち上がるというギミックがある。「エッセン」という愛称があったそうだが重役のデスクに置かれたり車載をイメージしたアイテムだった(SONY HPより)。VHF、UHFのテレビのみの単機能で外部入力端子は付いているがオーディオ入力はRCAではなく3.5mmジャック。

 

 縁あって拙宅に来たエッセンだが事前の告知の通り通電しない。傷みは少ないが上面のシミ(?)が気になる。

 

 専用電源は長いボディの後ろに装着されるのでますます長くなる。。外観を掃除してから早速ケースを外してみましょう。

   

 

 密度の高い内部で本体下の台の部分にもチューナーなどぎっしり詰まっている。電源部は本体にありヒューズ(2A)が切れているのを発見して交換すると幸いな事に通電するようになった。外部電源で確認すると12Vで約0.9A流れる。これで砂嵐が現れたが音声は出ない。また外部入力から映像信号を入れるが乱れた画面でうまく表示されない。

 音が出ないのはスピーカー(16Ω)の断線だったが音声出力回路から信号が出ていないこともわかった。何らかのトラブルでボイスコイルが焼き切れたのかもしれない。映像入力のかわりにRFコンバータを介して2chからアンテナ入力すると幸いに映像だけ出力した。

 

 なぜ映像入力ではダメなのかいろいろ条件を変えて接続してみるとどうもプリント基板のジャックの接続が浮いている可能性があり早速取り外してチェックし再装着した。

 

 これに加えてオーディオ入力のアースを繋ぐと正常出力するようになった。両者のアースが別々というのは考えにくいがデッキの方で独立しているのかもしれない。オーディオ入力は一般的なRCA端子では無いが基板への固定の関係でこのままとしてアダプターを製作する事にした。

 オーディオ出力がない事についてはICの破損が考えられたが今回も配線図は入手できずさてどうするか、、。

 まずボイスコイルが切れたスピーカーユニットは交換するしかないので手持ちのフェライトユニットに合わせて取り付け金具を切断加工してみた。

ところがスピーカーの位置はブラウン管の偏向コイルに近く画面が歪むなどの影響が出ることがわかった。韓国製の元のスピーカーは小さなアルニコマグネットで外への磁力の漏れがほとんどない構造になっているらしい。そこで小型のスピーカーユニットを購入した

 

ところが内磁型(?)で良さそうだったがボイスコイルの導通がなく返品。なかなか同程度の直径のスピーカーが見当たらず少し小さいのを注文し直した。低周波出力が無くICの破損と思われるが外部音声入力端子から信号を入れると音量調節ボリュームを経由してから基板に接続されている。この信号を拾って別アンプで増幅する事にした。アンテナからの信号には対応していないわけだがアナログ放送が無いのだからここは良しとします。

 購入したアンプユニットと製作した3.5mm→RCA変換ケーブル

 

 このアンプはモノラルアンプ5個1セットで売っていて板チョコのように切り離して使うが1個あたり130円ほど(送料込み)と激安。入力ボリュームがついていて電圧は12Vまでとあるが細かなspecは不明。アクリル板を切って取り付けアダプターにして新たに買いなおしたスピーカーとアンプをクルーガンで貼り付けた。

 

今回画面調整用ビデオテープを入手できたのでそれをみながら調整して

 

スピーカーが小さいので音量はあまり上げられないが画質はさすがトリニトロン(?)で4inchの小画面だがとても鮮明。画面の安定も良好でやはり高額製品のことはあった(?)。

       

 カタログによると4inchカラーテレビは当時世界最小だった。筐体の大きさは時代を感じるが内部の密度は高いので当時この大きさは必然だったのだろうと思う。1980年当時の価格は99,800円でおしゃれアイテムとしては贅沢品。同年のグッドデザイン賞で細部まで手抜きのない作り込みが素晴らしい。β陣営の勢いがあってビデオ撮影のモニターとしても使われた。SONY プロフィールというチューナーレスのCRTモニターが大人気で27inchという大画面に憧れてたころです。

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。