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世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版](連載第24回)

2024-05-03 | 世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版]

三 汎アメリカ‐カリブ域圏

(13)パラグアイ

(ア)成立経緯
主権国家パラグアイを継承する統合領域圏

(イ)社会経済状況
南米の貧困国であったが、貨幣経済経済の廃止により貧困問題は解決する。計画経済により、持続可能的な農牧業が導入される。主産物の大豆は、代替肉の普及により、その原材料供給の中心地となる。

(ウ)政治制度
統合領域圏として一元的な民衆会議によって運営されるが、長く圧倒的な優位政党であったコロラド党の影響は民衆会議外で残る。

(エ)特記
旧版では、アルゼンチンやウルグアイとともにラプラタ連合領域圏(後述)に包摂していたが、パラグアイはラプラタ河流域から外れており、民族的にも先住民系グアラニ人の割合が高いなど独自性が強いため、単立の領域圏とした。

☆別の可能性
可能性としては高くないが、隣接するアンデス合同領域圏に加入する可能性もなくはない。

 

(14)アンデス

(ア)成立経緯
アンデス山脈を共有し合う旧アンデス共同体の加盟四か国を継承する形で結成される合同領域圏。ベネズエラとチリも招聘領域圏として参加する。

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の4圏である。いずれも統合領域圏である。

○コロンビア
コロンビア共和国を継承する領域圏。

○エクアドル
エクアドル共和国を継承する領域圏。

○ボリビア
ボリビア多民族国を継承する領域圏。

○ペルー
ペルー共和国を継承する領域圏。

(ウ)社会経済状況
共和国時代の各領域圏に跋扈した強力な麻薬密輸組織は貨幣経済の廃止に伴い、自然消滅する。貧農が依存していたコカ栽培からも脱却し、持続可能的な健全農業が導入される。エクアドルやペルーの鉱業はいずれも世界共同体管理下へ移行する。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏民衆会議から選出された同数の評議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議、共通政策を協調して遂行する。招聘領域圏のベネズエラも、オブザーバーを派遣する。合同を形成する4領域圏それぞれの先住民の利益を横断的に代表するアンデス先住民会議が設置され、政策協議会にも代表者を送る。

(オ)特記
旧インカ帝国の勢力圏と重なるため、遺跡保存の共同プログラムが策定され、合同のインカ考古センターが設置される。これにはチリも参加する。

☆別の可能性
かつてアンデス共同体加盟国であったチリが加入する可能性もある。


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