内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

「歩行的」思考によって心身を活性化する

2020-03-30 22:51:09 | 雑感

 三月一日にいつものプールに泳ぎに行ったのを最後に、運動らしい運動をずっとしていなかった。そのプールが年に二度の定期点検期間に翌日二日から入り、十六日に再開される予定だったのだが、新型コロナウイルスのせいですべての公共施設がその日に閉鎖になり、さらに外出禁止令がその翌日発効してしまい、十年以上続けてきた水泳を日常的に継続することが不可能になってしまった。
 しばらくは外出する気にもなれず、十日ほど買い物以外はずっと家に閉じこもっていた。一週間もすると、体が鈍ってきたのがわかる。さすがにこのままではいけないと思い、先週水曜日からウォーキングを始めた。規則を律義に守り、特例外出証明書を印刷し、それに署名をして携帯し、きっちり一時間歩いた。いい天気だったこともあるが、やはり外を歩くのは気持ちがよい。土曜日まで四日間、毎日コースを変えて歩いた。昨日日曜日は終日曇天の寒い一日だったので休んだ。今日はまた昼に一時間十分ほど歩いた。
 こんなことになる前は、大学までの行き帰り・買い物等、外出時は自転車での移動が圧倒的に多かった。とはいえ、自転車を趣味としているわけではないので、所要以外で自転車に乗ることはほとんどなかった。だから、用があって行くところ以外は近所であっても通ったことさえなかった。ウォーキングを始めて、行く用のないところを歩いていると、いろいろと発見がある。それに、自転車だったら気づかないまま通り過ぎてしまうような細部にも気づく。
 自転車に乗りながら考えごとはしにくいし、できてもしたら危険だ。近所を流れる川に沿った遊歩道や運河沿いの歩行者専用道路を歩いているかぎり、身の危険はない。速歩で歩きながら、考える。机に向かっての「静止的」思考とは明らかに脳の働き方が違う。「歩行的」思考は心身を活性化し、思考を前向きにする。