内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

悲しいほど澄んだ青空の下、外出制限令は発効した

2020-03-18 18:30:14 | 雑感

 昨日正午からきわめて厳しい外出制限令が発効した。早速各地で警官たちが巡回を始めた。市民は原則自宅で過ごすことが求められ、外出する場合には、フランス政府が指定した証明書に記載されている許可されている外出理由の中から一つ選びサインしたその証明書を常に携帯していなければならなくなった。その証明書をダウンロードしプリントアウトできない人は同じ内容を手書きしたものを携帯してもよい。証明書を携帯していないと罰金が課される。昨晩だけでパリでは500人が罰金を課されたと報道されている。
 近所をちょっと散歩するにも、日用の必需品を買いに行くのにも、健康のために外で運動するのにも証明書を携帯しなくてはならない。この前代未聞の外出制限はさしあたり15日間限定で発効した。つまり月末まで続く。おそらくそれだけではすまないだろう。一ヶ月は続くと覚悟したほうがよいだろう。
 新型コロナウイルス感染拡大のスピードをできるだけ抑制し、感染のピークを下げかつ遅らせることがこの措置の目的だ。それはウイルスに対する積極的な防御策というよりも、すでに限界に達しつつある医療体制の崩壊を防ぐための最後の手段として実行に移された。医療現場では、はっきりとした症状が表れ重篤化が懸念される場合にのみ病院で診療を受けるよう市民に求めている。
 先週金曜日まで通常通り授業が行われていた大学も昨日火曜日完全閉鎖された。それでも私たち教員はそれぞれ自宅からオンライン授業を続けている。我が日本学科は、教員たちの見事というほかない適応力で大きな破綻もなく最初の三日間をなんとか乗り切った。