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得率変更と稼働調整でコロナ禍を乗り切る ガソリン生産は回復基調、ジェットは低迷

2020-11-18 07:46:29 | 日記
新型コロナウイルスによる人・モノの動きの変化により、製油所では難しいオペレーションが続いている。経済産業省の資源・エネルギー統計をもとに計算した燃料油の得率(生産量と原油処理量をもとにした名目得率)は、コロナ禍などで油種毎に大きく変化する需要に対し、稼働調整や得率変更で対応している。
2020年1~9月の燃料油得率をみると、新型コロナの影響をあまり受けていない1~3月と、政府が緊急事態宣言を発令した4月以降では大きな変化がみられる。コロナ禍で需要が減ったのは、都道府県をまたぐ移動やゴールデンウィークの規制や行楽の需要が蒸発したガソリンや、インバウンドが激減し航空機が大幅に減便した影響を受けたジェット燃料油。4月の得率は、ガソリンが26.4%(前月比▲2.4ポイント)、ジェット燃料油3.8%(▲2.8ポイント)に減少している一方、ジェット燃料油に留分が近い灯油、軽油、A重油の得率を引き上げるオペレーションが行われている。
なお、トッパー稼働率をみると、4月以降は大きく落ち込み、60%を下回る状況が続くなど、製油所では稼働調整と得率変更の2本立てで対応していたことがわかる。石油各社はこのほか、製品輸出入を行いながら、コロナ禍を乗り切る方針だ。

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