石油エネルギー技術センター(JPEC)はこのほど、「JPEC若手研究者基礎研究委託事業」の研究テーマの公募を開始した。JPECでは、地球温暖化問題への関心の高まりとともに、石油産業においても低炭素・脱炭素に関する研究の重要性が増したことから、次世代のイノベーションを担う人材を育成するとともに、石油産業界の新たな研究シーズを創設することを目的とし研究委託事業を開始するため、今回の公募を開始した。
近年の石油産業では、ベテラン社員から若手社員への技術の継承などが課題となっていたが、少子高齢化で次世代を担う若者が減り、2050年カーボンニュートラルなど政府が脱炭素施策を打ち出す中で、石油産業の将来を危惧し、相対的に就職を希望する割合が減っているとされている。
一方で化石燃料は2040年頃まで過渡期の主力エネルギーとされ、効率的な利用で再生可能エネルギー社会へとつなげる移行期のエネルギー(トランジションエネルギー)としても注目され、製油所などが水素やアンモニア、合成燃料の製造拠点として活用する方向性を示す企業も増えている。
こうした点でも若手研究者の育成は石油産業において重要な取り組みとなる。
石油通信社