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透析を招く色々な腎臓病

2020-10-28 10:26:47 | 健康・医療
近年人工透析を受ける患者数が増加しているようです。

私の周りでもギター仲間の友人は、糖尿病から腎症となりもう10年近く透析を受けています。またテニス仲間のご主人など身近でも透析患者の話を聞き、他人ごとではないような感じもしています。

この透析が必要となるのは、主に以下の3種の病気が原因となるようです。まず最も多いのが、糖尿病が原因で生じる糖尿病性腎症で、次が高血圧などが原因で生じる腎硬化症、腎臓の糸球体に炎症が起きる慢性糸球体腎炎となっています。

腎臓は血液中の老廃物をろ過して尿から出したり、体内の電解質バランスや血圧を調整するなど、身体の恒常性を維持するさまざまな機能を持つ重要な臓器です。慢性腎臓病は、これら腎臓の機能がゆっくりと低下していく病気の総称です。

日本の慢性腎臓病の患者数は1330万人とされ、これは成人の8人に1人に該当するとされています。この患者数はやや多すぎるような気もしますが、予備軍も含めるとこんなものかもしれません。

慢性腎臓病は多くの場合、無症状のままゆっくり進行します。腎臓は一旦障害を受けると元に戻すのは非常に難しいため、発見が遅れるなどして腎機能の低下が進むと、やがて末期腎不全の状態となり、血液を人工的に浄化する透析療法なしでは生命を維持できなくなってしまいます。

この透析を受ける患者は2018年末時点で、全国で約34万人に上ります。透析治療を導入することになった患者の原因疾患の内訳を見てみると、以前は慢性糸球体腎炎という、糸球体に炎症を起こす病気が原因の大半を占めていましたが、ここ20年ほどで糖尿病と入れ替わりました。

現在最も多いのは、糖尿病の合併症として起こる糖尿病性腎症となっています。腎硬化症も増加しています。腎硬化症とは、動脈硬化で腎臓が硬く小さくなり腎機能に異常をきたすものです。

原因は加齢などによる高血圧で、腎機能が落ちるとさらに血管も硬くなっていきます。太い血管は動脈硬化ですぐには詰まりませんが、細い血管は容易に詰まります。腎臓は細い血管の集合体なので、少しの動脈硬化も命取りになります。

そのほか脂質異常(高コレステロールや高中性脂肪など)や高尿酸血症、喫煙などさまざまな要因が慢性腎臓病に絡んでいます。腎臓の機能は加齢とともに衰えるため、長生きするほど慢性腎臓病になるリスクが高まり、健診で引っかかったら早く受診し対処することが大事です。

慢性腎臓病の治療は、ベースにある病気を改善させることによって、腎臓の負担を減らすことが原則となります。現在でもどこかの臓器の機能が低下した場合、それを改善する薬はありませんので、やはり早期発見で対処するしか方法はないのかもしれません。


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