勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

コラプティオ / 真山仁

2012-03-31 | 小説
タイトル : コラプティオ
著者 : 真山仁
出版社 : 文藝春秋

---感想---
“リーダーシップ”あふれる総理大臣が登場したことにより将来への希望の兆しを見せる日本。しかし、その希望の兆しが虚像だったら・・・。

元々は、別冊文藝春秋に連載していた同名の小説らしいのですが、3.11東日本大震災の発生とそれに伴う福島第一原発事故を受け、内容を大幅に加筆修正して刊行されています。3.11をベースにしていますので、事あるごとに3.11が語られますし、福島第一原発事故も語られています。加筆修正前の作品を知らないのですが、これほどの加筆だとすると、ほとんど違う作品になってしまっているのではと心配してしまいます。

“有限実行”“リーダーシップ”を旨とする政治家は、一人二人と頭に浮かばないわけではないですが、冷静に考えて彼らはデマゴーグあるいは、究極のポピュリストではなかったでは無いのかな?と思うこともあります。上手く、選挙民をのせていますよね。その意味では、我々有権者は、もっと冷静に考えて、判断する必要があるのかなとも思いました。

最後の結末が、読者の想像に任せるような描き方になっていることについては、私は、ちょっと微妙。せっかくなんだから、もっとはっきりと描けなかったんですかね?