勝手に書評

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大戦勃発/トム・クランシー 著

2002-05-03 | 小説
タイトル : 大戦勃発
著者 : トム・クランシー
出版社 : 新潮社(新潮文庫)
出版年 : 2002年

---感想---
アメリカ大統領ジャック・ライアンが活躍する。前々作の「日米開戦」で思いがけない悲劇(その情景は、9.11を思わせる)によってアメリカ大統領になってしまったジャック・ライアンだが、大統領になったことにより活躍が減るかと思ったが、そんなことは全く無く本書でも大活躍している。とりあえず、「日米開戦」「合衆国崩壊」から続く3部作になっているようである。思わず、前2作を読み返してしまった。

ちょっと思うのだが、トム・クランシーは、典型的アメリカ人なのではないだろうか。ロシア人他の欧米人を描くときは非常に人間的に描かれているが、中国人・日本人を描くときは、何か得体の知れない生き物のように描いていると言ったら言い過ぎだろうか。彼の心の中での思いが何となく感じた。だからと言って彼の作品のすばらしさが減じられるわけではないが、ちょっと気になる。恐らくそう言う面が出てきているので、「レッドオクトーバーを追え」「パトリオットゲーム」「今そこにある危機」と映画化されてきた彼の作品が、「クレムリンの枢機卿」以降、映画化されないのではないだろうか? とは言え、やはり彼の作品は一級のテクノスリラーである。