勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

スティーブ・ジョブズの哲学 カリスマが最後に残した40の教え / 竹内一正

2012-03-24 | ビジネス
タイトル : スティーブ・ジョブズの哲学 カリスマが最後に残した40の教え
著者 : 竹内一正
出版社 : だいわ文庫

---感想---
2011年10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブズに関する、数多い書物の一つ。本書では、スティーブ・ジョブズの仕事に対する姿勢(哲学?)を示しています。

読んでみると、著者の解釈もあるのだと思いますが、『なるほどな』と思うことが多く記されています。一つものすごく“凄い!”と思ったのが、スティーブ・ジョブズの交渉術。策謀と言うとあまり印象が良くないかもしれませんが、はっきり言って、策謀そのもの。日本人は、交渉事に弱いと言われますが、スティーブ・ジョブズの交渉術には学ぶことが多いと思いました。

[図解]スティーブ・ジョブズ全仕事 / 桑原晃弥

2012-03-17 | ビジネス
タイトル : [図解]スティーブ・ジョブズ全仕事
著者 : 桑原晃弥
出版社 : 学研パブリッシング

---感想---
2011年10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブズが手がけた仕事に関する書。

ひとつの話題について見開き2ページで構成されており、タイトルに“[図解]”とある様に、その内1ページが文字による解説で、残りの1ページがその様子を示した図(絵?)と言う構成になっています。

一つ一つの話題のボリュームは少ないので、非常に簡単にスティーブ・ジョブズの仕事を振り返ることができます。その仕事も、知っていること、知らなかったこと様々。ただ読んでみて思うのが、やっぱり彼はいろんな意味で只者ではないと言う事。

才能が溢れる人物であると言う事について異論を唱える人は少ないと思いますが、それと共に、やっぱり非常に厳しい(人によっては、偏ったというかも)人物であったということも再認識しました。

分量も少なく、内容も読みやすいので、スティーブ・ジョブズの功罪を簡単に振り返るには良いと思います。

宇宙飛行士の育て方 / 林公代

2012-03-03 | ビジネス
タイトル : 宇宙飛行士の育て方
著者 : 林公代
出版社 : 日本経済新聞出版社

---感想---
宇宙飛行士の選抜、訓練に焦点を当てた本。

宇宙飛行士選抜に焦点を当てたといえば『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』があります。これは、2008年に行われた宇宙飛行士選抜試験の模様を描いた本ですが、こちらの『宇宙飛行士の育て方』の方は、その試験についても記していますが、時間軸的にはもっと広くとってあり、日本の宇宙飛行士の選抜や訓練についても記しています。

タイトルだけを見ると、子供をどのようにして宇宙飛行士にしていくかと言うような本かと思いますが、実際は違います。日本の宇宙飛行士について記されており、選抜後の訓練についても記されているので、選抜後の宇宙飛行士がどのような訓練をしているのかを垣間見るとことができて非常に参考になります。

それと、あまり分量的には記されていませんが、宇宙での宇宙飛行士同士のぶつかり合いなども記されています。一般に、宇宙飛行士は人格的にも優れた人物が選抜されているという認識だったんですが、やっぱり人間。ぶつかる事はあるんですね。

CURRY HOUSE CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり / 宗次徳二

2010-12-19 | ビジネス
タイトル : CURRY HOUSE CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり
著者 : 宗次徳二
出版社 : 日経ビジネス人文庫
出版年: 2010年

---感想---
CoCo壱番屋創業者宗次徳二氏の、その経営に付いての思いを語っているビジネス書。

正直、読んでいて特別な事は何もしていないなぁと思ってしまいました。ただ、お客様の声に耳を傾けているだけです。それでも、ちゃんと耳を傾けて、その背景にある事を考えることが重要なんでしょうね。お客様重視と言う言葉は、既に完全に使い古されていますが、それを実直なまでにやった事が、CoCo壱番屋隆盛の一因なんでしょうね。

ですが、少しだけ、手前味噌な感じがすると言ったら怒られるのでしょうか。それを割り引いて読む必要があると思います。

グーグル秘録 完全なる破壊 / ケン・オーレッタ

2010-10-02 | ビジネス
タイトル : グーグル秘録 完全なる破壊
著者 : ケン・オーレッタ
出版社 : 文藝春秋
出版年: 2010年

---感想---
いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのGoogle。

その創立から、今に到るまでの経過を、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン、エリック・シュミットらへのインタビューを繰り返しながら、再構成している。最近は、あまりメディア対応しないラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンへも直接話しを聞いていることが非常に興味深い。

創業当時は「一体何時になったら黒字になるんだ?」と言われていたGoogleが、あれよあれとと言う間に超高収益誇る企業に成長していくさまは非常に興味深い。

「邪悪になるな」と言う言葉が、Googleの企業テーマで有ることは有名な話である。これは、その当時(今もだが)IT業界のガリバーであったマイクロソフトに対しての、強烈な皮肉の意味合いもあったわけだが、自身がIT業界のガリバーとなってしまった今、「邪悪になるな」の企業テーマが守られているのか、今一度、Googleは見つめ直して欲しい。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら / 岩崎夏海著

2010-08-07 | ビジネス
タイトル : もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
著者 : 岩崎 夏海
出版社 : ダイヤモンド社
出版年: 2009年

---感想---
2009年の刊行ですが、2010年の今頃になって、一般的にも盛り上がってきました。どちらが先か判りませんが、これに伴い、本家本元のドラッカーの『マネジメント』も人気が出てきています。

表紙の女子高生のモデルが、AKB48の峯岸みなみであると言う事は有名な話ですが、似てますかね? 私にはよく分かりません。って言うか、モデルですから、似ているか否かより、彼女からインスピレーションを得たと言う事の方が重要なのかもしれません。

敢えてネタバレ的に記しますが、病気で入院中の女子高生とくれば、その結末は・・・。迂闊でした。この手の本で、まさかストレートにそういう話にするとは。うっかり、泣かされてしまうところでしたよ(苦笑)

ブラック・スワン / ナシーム・ニコラス・タレブ著

2010-05-29 | ビジネス
タイトル : ブラック・スワン(上・下)
著者 : ナシーム・ニコラス・タレブ(望月 衛訳)
出版社 : ダイヤモンド社
出版年: 2009年

---感想---
サブプライムローン破綻に端を発する、世界金融危機の発生を予期していたと言われる書物。日本での出版は、2009年ですが、原書はサブプライムローン問題発覚前の2006年の出版です。

著者の様々な経験などを通じて、世の中の出来事の不確実性を明らかにしていっていますが、この本で語っている事は唯一つ「未来の予測はできない」と言うと言い過ぎでしょうか?

経済学書でも無いですし、哲学書でもありません。でも、達観したような、哲学的な気分になります。先行きの不透明なこれからの時代、この書に書かれたような、考え方、物の見方をすることは、非常に重要だとおもいました。もし私にそれが可能なら、是非実践していきたいですね。

レジ待ちの行列、進むのが早いのはどちらか

2009-12-20 | ビジネス
タイトル : レジ待ちの行列、進むのが早いのはどちらか
著者 : 内藤 誼人
出版社 : 幻冬舎
出版年: 2009年

---感想---
タイトルを見ると、何かのハウトゥー本かと思いますが、実は、人の心理・行動の解説書。レジ待ちの行列を例に、人の行動を予測してみようと言う事です。

話としては、結構、納得出来るところはあります。しかし、少しこじつけでは無いかなぁとも思うところもあります。あるイラストを例にして、ではこの人の行動は?とか、どちらの人が、どういう人かと言うような内容の本なんですが、その解説がちょっと微妙。一般的に知られていない事もその現象・行動の原因として解説しているんですが、それを後から言うかぁと言う感じです。

まぁ、そう言う、人に一般的に知られていない事を解説することが目的なので、そう言う表し方もあるんでしょうが、面白いんですが、少し釈然としない感じがします。とは言っても、トンデモ本とか、面白くないとか言うつもりはありません。内容をどう活かせるかと言うことが、キーポイントでしょうね。

日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか

2008-10-04 | ビジネス
タイトル : 日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか
著者 : 半藤一利、江坂彰
出版社 : 講談社
出版年: 2008年

---感想---
本書は『撤退線の研究』(2000年6月)の加筆修正・文庫化したものです。半藤一利と江坂彰の二人の対談を書物にした形態をとっています。
内容の多くは、他の第二次大戦研究モノにも書かれている、「日本軍のエリート教育は失敗であった」とか、「米軍は年次に拘らず、優秀な人材を抜擢した」とかの事ですが、一つ初めて目にした内容がありました。それは、「山本五十六は、言われているほど、すばらしい軍人ではなかった」と言う見方です。人物としては、すばらしい人物であったのかもしれませんが、軍人としてみた場合、自分の作戦思想を徹底する事が無いとか、人見知りであったとか、指揮官として欠けている部分が多かったと言うのは、この書で指摘されてみて、初めて気が付きました。確かに、そう言う点はあったのでしょうね。
さて、一応、この書は、第二次世界大戦を通しての日本の失敗の理由を探っているわけですが、実際のところは、現代日本の問題点を過去から学んでいる書であると理解すべきです。明示的にも「今の日本も、かくあるべき」と書かれていますが、温故知新。曲がり角に来ている日本を正しい方向に向かわせるためにも、過去の経験をケーススタディとして、よく学ぶべきだと思いました。

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践

2008-08-21 | ビジネス
タイトル : お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践
著者 : 勝間和代
出版社 : 光文社新書
出版年: 2007年

---感想---
中々衝撃的タイトル。でも、実際、銀行の金利と物価上昇などの度合いを比較すれば、ただ銀行に預金していただければ、実効的にはお金は減っていくんですよね。学校教育で金融リテラシーの向上を図るべきと言うような観点で、学校教育の中に証券取引とかのゲームを取り入れたりするところもあります。たしかに、学校教育の一環として金融リテラシーを高めるような教育が行われるのは、いい事だと思います。ただ、この議論において注意すべきなのは、その『所謂』金融教育の目的です。「諸外国でも行われているから」とか、「注目されているから」と言う理由であれば、単に客引き的で、なおざりな内容になりかねません。きちんと、その金融リテラシー教育の目的を明確にして、実施していく事が肝要だと思います。