勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

シェア神話の崩壊/前屋 毅 著

1998-05-30 | ビジネス
タイトル : シェア神話の崩壊
著者 : 前屋 毅
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1998年

---感想---
ソニーの法則」に続き、ビジネス書もの。一応サラリーマンなのでこのような本も読むようになりました。

ビール業界(キリンとアサヒ、サントリー)、自動車業界(トヨタと日産)、電機業界(松下)について、実例(?)を下にシェア奪回・低下の契機などを解説している。特にビール業界の事情については詳しく記してあり、強く興味を引かれた。
元々はダイヤモンド社から「シェアの迷走」として1994年に出版されたものに加筆して1998年4月に出版したものである。いま(1998年5月)であれば、おそらくPHS業界の事も加筆される事だろう。一読の価値はある。

ソニーの法則/片山 修 著

1998-05-15 | ビジネス
タイトル : ソニーの法則
著者 : 片山 修
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1998年

---感想---
ソニー社員(役員・社員経験者含む)に”ソニー”という会社を語らせている本。前社長の大賀典雄氏、現社長の出井伸之氏も存分に語っている。本そのものは、書き下ろしであり、週刊誌や何らかの雑誌のコラムではない。著者がそれぞれに取材し、まとめたものである(ようだ)。ソニーは創業52周年を迎えた。企画が、著者、あるいはソニーのいずれから出たか勘ぐるのは邪推か?

内容は、一般に「開かれた会社」「先進的な会社」というイメージの通りで、特に目新しい内容は見受けられなかった。イメージの通りの会社と言えるのかもしれないが、意外性が見られなかったのは残念だ。いずれにせよ、一読の価値はある本である(かもしれない)。

最終戦争/エリック・L・ハリー 著

1998-05-03 | 小説
タイトル : 最終戦争 (原題)ARC LIGHT
著者 : エリック・L・ハリー
出版社 : 二見書房(二見文庫)
出版年: 

---感想---
読んだ順番で報告が逆になってしまったが、下にある「全面戦争」の著者、エリック・L・ハリーの第1作である。(「全面戦争」は、第2作目。)ある誤解が、ロシアとアメリカの核戦争を引き起こしてしまう物語である。

第1作・第2作に共通したキーは、中国と副大統領である。冷戦が終結し、世界の次の脅威は10億の民がいる中国であると言う説も有るが、冷戦終結後の世界を描くには中国の存在は欠かせないと言う現実から来ているのだろう。また、副大統領も重要なキーになっている。これまでは、あまり顧られる事も無かった副大統領にも重要な役割を求めようとしている、今のアメリカの風潮を示しているのであろう。

いずれにせよ、冷戦後の世界を見事にあらわした作品である。

吟醸酒誕生 頂点に挑んだ男たち/篠田 次郎 著

1998-05-01 | 小説
タイトル : 吟醸酒誕生 頂点に挑んだ男たち
著者 : 篠田 次郎
出版社 : 中央公論社(中公文庫)
出版年: 

---感想---
日本酒に関する書である。タイトルを見て日本酒に関する歴史の解説書かと思ったが、実際はそうではなく小説である。ドキュメントタッチで描かれているので、あとがきを見る迄は小説とは気づかなかった。あとがきに誰と誰は実在しない人物であると書いてあったので気づいたしだい。ただ、そうであっても、本書の内容が損なわれるわけではなく、あえて言えば、ドキュメント風小説と言うことか。しかし、敢えて言えば、解説的な書き方より、読み物的な書き方に力点が置かれており、TBA諸氏にはやや物足りない感を与えるかもしれない。

全面戦争/エリック・L・ハリー 著

1998-05-01 | 小説
タイトル : 全面戦争 (原題)PROTECT AND DEFEND
著者 : エリック・L・ハリー
出版社 : 二見書房(二見文庫)
出版年: 1998年

---感想---
近未来小説である。ロシアに端を発する無政府主義者の台頭によりロシアでは政府が崩壊し、それに目をつけた中国がシベリアに侵攻。それに伴って派遣された、国連軍と中国軍の戦闘を描いた小説である。国連軍の中心は、今や世界唯一のスーパーパワーとなっているアメリカであった。

戦争の費用について、大統領側と議会側で綱引きが行われる件がある。これまでの小説では記されなかったが、本書では敢えてきるされており、それがかえって、現代的であり、現実味を増している。

500ページ程度のものが上下巻構成になっているが、一気に読んでしまった。新しい戦争小説かもしれない。