勝手に書評

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バーにかかってきた電話 / 東直己

2012-02-11 | 小説
タイトル : バーにかかってきた電話
著者 : 東直己
出版社 : 早川書房

---感想---
2011年の大泉洋主演映画『探偵はBARにいる』の原作。

『探偵はバーにいる』と言うのは、この『ススキノ探偵シリーズ』第一作のタイトルだが、映画はこちらの『バーにかかってきた電話』を下にしています。映画を見ているので、“俺”の声が大泉洋で聞こえてきて仕方ありません(笑)。でも、この“俺”の雰囲気、大泉洋でいいのかもと思ってしまいます。

この『バーにかかってきた電話』の出版は1993年ですが、フィリピンのベニグノ・アキノ氏暗殺のことを「去年」と描写しているので、物語上の時間軸は1984年頃と思われます。

飄々とした“俺”が主人公な割に、この物語の結末は、非常に悲しい結末になっています。ハードボイルドの話としては、それはそれでいいかもしれませんけどね。

原作がある映画の場合、原作が先かor映画が先かと言う悩ましい問題がありますが、この作品の場合、どちらが先でも、大丈夫だと思います。もちろん、映画化に際して、原作と設定が異なる所が幾つかありますが、それは許容範囲。そういう意味で、テンポよくあっという間に読んでしまいました。