勝手に書評

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失われた町

2007-09-23 | 小説
タイトル : 失われた町
著者 : 三崎 亜記
出版社 : 集英社
出版年: 2006年

---感想---
『となり町戦争』の作者の最新刊。この人は、”街”ではなく、”町”が好きなんですかね? 『となり町戦争』でも、この作品でも”まち”の表記は”町”です。

舞台は、現代の日本を思わせる国?なのですが、いろいろと設定がされており、日本ではありません。もしかしたら、地球でもないかもしれません。パラレルワールドかも。そんな世界の中で、”町”が、意思あるものとして存在し、時々忽然とその”町”に住んでいる住民すべてが消えてしまうということがおきています。この物語は、その町民消失にまつわる話になっています。本の装丁も町民消失を思い起こされるモノとなっており、透明なビニルのカバーに人が書かれていて、本の本体のほうに町の絵があります。つまり、カバーがかかっている状態では、町に人が居るように見えるのですが、カバーを外すと、人の居ない町になるという凝った作りです。

とっても不思議な感じのする物語です。