勝手に書評

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アサヒビールの奇跡 ―ここまで企業は変われる/石山 順也 著

1999-09-15 | ビジネス
タイトル : アサヒビールの奇跡 ―ここまで企業は変われる
著者 : 石山 順也
出版社 : 講談社(講談社+α文庫)
出版年: 1999年

---感想---
業界3位のローカルな企業から、今や業界トップへ今一歩と言う地位まで上ってきたアサヒビールのサクセスストーリーに付いての書である。

シェアがじりじりと低下していく企業と言うものは、社内の士気にも影響するものであるが、以前のアサヒビールもその例外ではなかったようだ。かつてはトップの地位に有り、歴史のある企業であるだけ忸怩たるものがあったに違いない。そんな中でアサヒはCIを行い過去への決別をして行くのだが、これを単なるCIにとどまらせず企業革命とも言うべき社内の意識改革を果たした事が現在の勢いにつながる事が改めて認識できる。逆に、ガリバーとも揶揄されたキリンが、その大きさのゆえか有効な対抗手段を打ち出させずにアサヒに市場を奪われていくが、原因は追う者と追われる者の違いだけでは無かったはずだ。ドライビールブームも一段落し安定期に入った。これからアサヒがどのように成長していくのか、非常に興味深いところである。