勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

美しい国へ

2007-02-03 | その他
タイトル : 美しい国へ
著者 : 安倍 晋三
出版社 : 文藝春秋(文春新書)
出版年: 2006年

---感想---
第90代内閣総理大臣安倍晋三の著書。出版は、総理大臣選出直前の2006年7月。彼の国づくりのコンセプト「美しい国」がタイトルの一部となっている。

政治家が自分の言葉で自分の考え方を記し、一般の書籍として発売したものだが、こういう事は良いのではないだろうか。その政治信条が果たして受け入れられるものか否かは、何とも言えないが、その考え方を知ることが出来るという観点では、非常に意味のあることである。また、一般の書籍ということなので、内容も一般の市民国民にわかりやすい言葉で書く必要があり、その政治家の説明能力の有無も測ることが出来るというのは、副産物。

読んで見ての感想だが、頷ける部分、頷けない部分、双方あった。でも総じて感じたのが、彼が戦争経験の無い若い政治家であり、そう言うところが魅力であると共に、非常に危うい部分であるということも良く判った。内閣支持率が下がる一方だが、「美しい国」を実現できるよう、がんばってほしいものである。

国家の品格/藤原 正彦 著

2006-04-10 | その他
タイトル : 国家の品格
著者 : 藤原 正彦
出版社 : 新潮社(新潮新書)
出版年: 2005年

---感想---
数学者、藤原正彦氏による国家論(?)。氏の講演録を下にしているので、書き言葉ではなく、若干違和感のあるところもあるが、それほど苦にはならない。近隣諸国との関係が悪化し、国際協力の下にアメリカ一辺倒の外交が行われ、国内に於いては少年少女による凶悪事件、大人に依る理解できない凶悪事件が行われている今日この頃、今の日本の荒廃を防ぐ為に必要な至言ともいえる提言である。その位置付けは、嘗ての『NOと言える日本』に似ている感じもする。

言いたいことをズバリと言っているので、気持ちがいい。氏の言うようなことが行われれば、今の日本の荒廃した社会の建て直しが成功する気にさせられる。しかし、一部では、この書は『負け組みが喜ぶ内容しか書いていない』とも言われているようである。冷静になって考えてみると、確かに、敢えて言えば”キレイ事”と思われるような事しか書かれていないとも言えるので、『負け組みが喜ぶ内容しか書いていない』と言う主張も、完全に否定は出来ない気がする。

読んでみて考えて欲しい。今の日本に必要なことを。