勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

天使の報酬 / 真保裕一

2011-09-30 | 小説
タイトル : 天使の報酬
著者 : 真保裕一
出版社 : 講談社

---感想---
黒田康作シリーズ2作目。今回の主な舞台は、日本。TVでも『外交官 黒田康作』として描かれましたが、例によって、映像化された作品のストーリーと、本のストーリーは異なっています。

実はTVシリーズは見ていないので、この本のことしか語れませんが、読み終わると若干釈然としない感じしました。と言うのも、最後の最後に黒幕として出てきた人物が、「えっ!なんで?」と言う人物。推理小説では、禁止手とされるような描かれ方。そう言う話にするのであれば、もっと本編で伏線を描いて欲しかったなぁ。

それにしても、『アマルフィ 女神の報酬』や『アンダルシア 女神の報復』を見ているので、本を読んでいると、織田裕二の姿や、戸田恵梨香の姿が頭の中に浮かんでしまいました。まぁ、それはそれで良いんだと思いますが。

グラスホッパー / 伊坂幸太郎

2011-09-23 | 小説
タイトル : グラスホッパー
著者 : 伊坂幸太郎
出版社 : 角川文庫

---感想---
Wikiによれば、著者自身が『一番達成感があった』と言う作品です。

どこが、どういう事で、グラスホッパーなんでしょうか? もし映画化されたら、無理やり主人公に“グラスホッパー”と言うセリフを語らせそうな位、そのタイトルの背景が分かりません。それを言うなら、登場人物たちの、蝉も良く判りませんが。唯一、鯨が、その体格からと言う事は想像できました。

伊坂幸太郎の作品は、まだこれと、『ゴールデンスランバー』しか読んだことがありませんが、数少ないその2つの作品を読んて感じたこの著者の作品の特徴は、主人公がのっけから飛んでもない事に巻き込まれてしまう、ジェットコースターストーリーだという事。この人の作品は、こう言う感じなんですかね? 他も読んでみようと思います。

ひゃくはち / 早見和真

2011-09-15 | 小説
タイトル : ひゃくはち
著者 : 早見和真
出版社 : 集英社文庫

---感想---
転勤に伴いプロポーズした恋人から、実は高校生の頃に出会っていたと言う告白される。衝撃を受けた主人公は、記憶をたどって行くと・・・、と言うお話。サスペンスではありません。野球青春小説とでも言いましょうか。

現在と高校生の頃の話が、交互に描かれます。それにより、主人公の記憶も鮮明に蘇ってきます。それにしても、その高校生の頃の話が、何とも・・・。まぁね、実態としては、そういう事なのかも知れませんね。

県庁おもてなし課 / 有川浩

2011-09-06 | 小説
タイトル : 県庁おもてなし課
著者 : 有川浩
出版社 : 角川書店

---感想---
著者の有川浩が、自身の出身地高知県から観光特使を委嘱された際にあった(?)出来事を小説に仕上げたもの。3.11の東日本大震災発生に伴い、本書の印税全てを被災地に寄付することを表明している。

いやぁ、確かにね、ありそうな話ではあります。この全てが実際に起きた出来事ではないと思いますし、実際に起きた出来事でも、当然脚色はされていると思いますが、そのシチュエーションになんとなく納得してしまいます。

本書で描かれているんは、県庁おもてなし課のドタバタだけかとおもいきや、意外な事に、大人の恋?の話もあります。それだけでも、作品になりそうな話です。物語自体は、中々、面白い話ではあるんですがね、その結末と言うか、この物語全体の結末でもあるんですが、ちょっと一気に進みすぎ。そこまで丁寧に描いていただけに、あっけなく終わりになってしまって、拍子抜けです。まぁ、それを描くのが目的では無いので、良いのかも知れませんが。そこだけが、不満に感じました。