タイトル : 「宗谷」の昭和史 南極観測船になった海軍特務艦
著者 : 大野芳
出版社 : 新潮文庫
---感想---
南極観測に関連して日本人が忘れられない出来事といえば、3次隊に発見されたタロとジロの話ですが、その頃に南極観測船として活躍していたのが、宗谷です。この書は、その宗谷を巡る数奇なもの語りが表されています。
宗谷が、自衛隊ではなく海上保安庁の船であったという事は知っていたんですが、そもそもが旧ソ連からの発注により建造された船であるということは知りませんでした。旧ソ連だから砕氷船と言うのは、理解できます。この船の数奇な運命の大部分は、この件で表されるでしょうね。その後、日本と旧ソ連の国際問題となりながらも、日本側が違約金を支払うことで日本の船となったと言うことです。その後は、御多分にもれず旧日本海軍の船となり戦地に赴くわけですが、海図制作を任務とする特務艦となったことから、激しい戦闘には参加することもなく(巻き込まれることはあったようですが)、無事終戦を迎えています。
もう一つ、この本で知ったことは、宗谷丸と言う非常によく似た名前の鉄道連絡船があったこと。宗谷丸も、稚内航路で使用された船なので、砕氷船として作られていて、日本が南極観測隊を送り込むときの南極観測船の候補にもなったと言う事で、よく宗谷と宗谷丸は混同されるようです。
その他、南極観測隊を巡るゴタゴタ騒ぎは、アクの強い学者たちにはありがちな話かなとは思いました。
53次隊が南極に到着し、現在52次隊からの引継ぎの最中の南極観測隊。いまの南極観測船は、宗谷の6倍もの排水量を誇るしらせ(二代)になっています。
著者 : 大野芳
出版社 : 新潮文庫
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南極観測に関連して日本人が忘れられない出来事といえば、3次隊に発見されたタロとジロの話ですが、その頃に南極観測船として活躍していたのが、宗谷です。この書は、その宗谷を巡る数奇なもの語りが表されています。
宗谷が、自衛隊ではなく海上保安庁の船であったという事は知っていたんですが、そもそもが旧ソ連からの発注により建造された船であるということは知りませんでした。旧ソ連だから砕氷船と言うのは、理解できます。この船の数奇な運命の大部分は、この件で表されるでしょうね。その後、日本と旧ソ連の国際問題となりながらも、日本側が違約金を支払うことで日本の船となったと言うことです。その後は、御多分にもれず旧日本海軍の船となり戦地に赴くわけですが、海図制作を任務とする特務艦となったことから、激しい戦闘には参加することもなく(巻き込まれることはあったようですが)、無事終戦を迎えています。
もう一つ、この本で知ったことは、宗谷丸と言う非常によく似た名前の鉄道連絡船があったこと。宗谷丸も、稚内航路で使用された船なので、砕氷船として作られていて、日本が南極観測隊を送り込むときの南極観測船の候補にもなったと言う事で、よく宗谷と宗谷丸は混同されるようです。
その他、南極観測隊を巡るゴタゴタ騒ぎは、アクの強い学者たちにはありがちな話かなとは思いました。
53次隊が南極に到着し、現在52次隊からの引継ぎの最中の南極観測隊。いまの南極観測船は、宗谷の6倍もの排水量を誇るしらせ(二代)になっています。