勝手に書評

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強奪 箱根駅伝

2006-12-24 | 小説
タイトル : 強奪 箱根駅伝
著者 : 安東 能明
出版社 : 新潮社(新潮文庫)
出版年: 2006年

---感想---
箱根駅伝に出場するチームの女子マネージャーが誘拐され、その上、駅伝のTV中継までも乗っ取られてしまうと言うストーリー。年末で、まさに箱根駅伝が近づいてきているこの季節に刊行となったのは、駅伝と小説の相乗効果を狙ったものだろう。

ストーリーの詳しくは記さないが、驚くのが、この手の小説には珍しく、大学のほか、関連団体が実名で出てきていること。もちろん、TV中継を行う日本テレビも実名である。その他、駅伝中継で出てくるようなフレーズ・ひたむきにたすきをつなぐ為に走る選手の表情もうまく描写されており、これらことが、物語の臨場感を増しているのは間違いない。出場選手の名前も、どこかで聞いたことのあるような名前になっている。舞台はH16年の第80回大会となっているが、その為か、Googleで検索すると今のところ一番上に出てくる。スリラーとしてのストーリーの練りこみはイマイチ感もあるが、全体的には、中々の娯楽作品ではないだろうか。箱根駅伝が好きな方は読まれるのが良いでしょう。