勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

鈍感力

2007-10-30 | ビジネス
タイトル : 鈍感力
著者 : 渡辺 淳一
出版社 : 集英社
出版年: 2007年

---感想---
小泉元総理が、支持率低下に悩む安倍前総理に対してアドバイスを行ったことでも脚光を浴びた言葉「鈍感力」。まぁ、その安倍前総理も、第168回国会(臨時国会)の所信表明演説の直後に辞任を表明し、国会を混乱に陥れたのも記憶に、まだまだ新しいところです。

読んでみて、確かに『鈍感力』って、重要なんだなぁと思いました。私は、身に付けたいですね。自分のいろんな悩みが、敏感であることにも原因の一部があるのも理解できました。まぁ、あんまり鈍感では困るでしょうけど、適度に鈍感なのは、この世知辛い世の中を生きていくうえで、必須な素養なのだと思います。

バスジャック

2007-10-21 | 小説
タイトル : バスジャック
著者 : 三崎 亜記
出版社 : 集英社
出版年: 2005年

---感想---
この人の作品は、「となり町戦争」と言い、「失われた町」と言い、不思議な作品が多いですね。これも、とっても不思議な作品です。とは言っても、長編ではなく、タイトルの「バスジャック」を含む短編集。そのタイトル作の「バスジャック」も、何とも不思議な話なのですが・・・。女性的な、何とも優しい作風で、何とも言えない不条理の世界が描かれているのは、とってもシュール。それぞれ短い作品なので、あっという間に読むことが出来ます。

不都合な真実

2007-10-13 | ドキュメント/ノンフィクション
タイトル : 不都合な真実
著者 : アル・ゴア
出版社 : ランダムハウス講談社
出版年: 2005年

---感想---
同名の映画も2006年に公開されています。著者のアル・ゴアとは、ご存知第45代アメリカ副大統領にして、2007年ノーベル平和賞受賞者。1億円近いノーベル賞の賞金は、NPO団体に寄付するそうです。

基本的に、本書と映画の内容は、ほぼ同じです。ですが、映画では一瞬の映像で過ぎ去ってしまっていた事実が、本の場合は、ゆっくりと振り返ってみることも出来るので、内容の理解度は本の方が上です。映画も見たのですが、あらためて本を読んでみると、地球温暖化の深刻度には、呆然としてしまいます。呆然としていてはダメで、行動をお子差名無ければならないんですけどね。

アル・ゴアは、日本では余り知られていないが、既に1970年代から地球温暖化に関心を持ち活動をしていた。2000年のアメリカ大統領選挙で、彼が当選していたら・・・と思うのは、私だけではないはず。地球温暖化は、今そこにある危機です。アル・ゴアは、地球温暖化は、倫理の問題であるとも言っています。地球の未来のために、いま何を出来るのか、自分の行動を見直してみようかと思います。

小泉官邸秘録

2007-10-06 | ビジネス
タイトル : 小泉官邸秘録
著者 : 飯島 勲
出版社 : 日本経済新聞社
出版年: 2006年

---感想---
小泉政権の後を継いだ安倍政権も、安倍首相の突然の辞任宣言によりあっけなく崩壊してしまったわけですが、間違いなく、戦後政治の一つの転換期にあたる小泉政権の中枢にいた飯島秘書による約5年の小泉政権の記録。もっとも、その飯島秘書も、今回の福田政権誕生にかかわるゴタゴタで、小泉事務所を辞める辞めないと言う騒動を引き起こしていますが・・・。

小泉政権誕生から、その終末まで、すべての年代の事を記してありますが、何と言っても一番多く紙面が割かれているのが、この10月に民営化されたばかりの郵政民営化に関する件。本書は、3部構成になってかかれていますが、最後の第3部の全てを郵政民営化に関する記述に割いています。それだけ思い入れがあったと言うことと、逆に、それだけ周囲の反発が大きかったので、改めて立場を明らかにしようとしていると言うことでもあると思います。

ただ気をつけなければいけないのが、この本はどうしても郵政民営化を推進したいと言う立場の人の視点で書かれていると言う事実を忘れてはいけません。本書中に、「普通の国で一番多い公務員は軍隊だが、日本では郵政。これはおかしい。」と言う論調のことが何度か記されています。この文章だけ見ると、論拠としてなるほどとも思いますが、実際のところは、絶対数でどのくらいか、その国の総人口に対する割合で見るとどうなのか、と言う客観的視点が欠けています。また、もっと言うと、日本の場合、自衛隊と言う組織の歴史的経緯から、その定数が同じくらいの規模の国と比較してどうなのかと言うことも考えなければ、前記のような議論が出来ないと思うんですけどね。いずれにしても、そう言う、一面的な視点でしか書かれていないということをよく理解して、読み進む必要があります。