勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

スーパー書斎の遊戯術/山根 一眞 著

1998-01-31 | エッセイ
タイトル : スーパー書斎の遊戯術
著者 : 山根 一眞
出版社 : 文芸春秋(文春文庫)
出版年 : 

---感想---
電脳作家、山根一眞氏の同名著書の文庫版。もともとは、週刊文春に連載していたコラムである。最近は、小学館の雑誌『DIME』に「DIME版・スーパー書斎の遊戯術」として、電脳作家ぶりを連載しているが、本書は、書斎の便利さを追求しながら、徐々に電脳化していくさまがうかがえる。

読んでみると、氏は、書斎の便利さを追求するため、また、自身の好奇心を満たすために、さまざまな試みをしており(内容は読んでください)、氏が単なる電脳作家ではなく、先進的実体験型作家である事がよくわかる。(実際に、アマゾンをテーマにした作品もある。)

本書の姉妹作(?)として、「スーパー書斎の仕事術」がある。こちらの方もまもなくレポート予定。

オンリー・ミー 私だけを/三谷 幸喜 著

1998-01-27 | エッセイ
タイトル : オンリー・ミー 私だけを
著者 : 三谷 幸喜
出版社 : 幻冬舎(幻冬舎文庫)
出版年 : 1998年

---感想---
人気脚本家、三谷幸喜のエッセイ集。元は、『とらばーゆ』に連載されていたものらしい。全編にわたり三谷節満載。彼は、普段から、自身の書く脚本のような生活?を送っているのかと思わせる。一つ意外だった(私の勉強不足?)だったのは、かつてCX系で織田裕二、石黒賢の主演で放送された『振り返れば奴がいる』が、氏の作品であった事。コメディー作品だけでなく、シリアスな作品も氏がかける事を示している。(失礼)

氏は文中で、度々、「自分は小心者で、人前に出るのは嫌いである。」と書いているが、氏の日ごろのTV(?!)などでの活躍を見ていると果たして本当にそうなのだろうか?と疑問を持ってしまう。

ロンドン 旅の雑学ノート/玉村 豊男 著

1998-01-27 | エッセイ
タイトル : ロンドン 旅の雑学ノート
著者 : 玉村 豊男
出版社 : 新潮社(新潮文庫)
出版年 : 

---感想---
近年ブームのイギリスに関するエッセー集。と言っても、ブームに載って出版されたわけではない。元々は、昭和(!)55年にダイヤモンド社より出版されたものが、昭和58年に新潮文庫に収録されたものである。

内容は、イギリスのパブに関する作法(?)や、イギリス人の家に関する思い入れなど、イギリスの一般的な知識である。イギリスもののエッセイと言えば、林望氏の作品などもあるが、林氏の作品が生活者の視点で描いてるのに対して、本作品は、タイトル(旅の雑学ノート)の通り、旅行者の視点で描かれている。

合衆国崩壊/トム・クランシー 著

1998-01-18 | 小説
タイトル : 合衆国崩壊 (原題)EXECUTIVE ORDERS
著者 : トム・クランシー
出版社 : 新潮社(新潮文庫)
出版年: 1997年

---感想---
日本人によるカミカゼ攻撃*により、一瞬にして閣僚と議員のほとんどを失った状況で、はからずもジャック・ライアンが大統領に就任して活躍する最新のストーリー。エボラウイルスによる無差別テロ、前副大統領による権力簒奪の謀略、アジア地域の軍事的緊張など、さまざまな難問が大統領就任直後のジャックを次々と襲って行く。

ジャック・ライアンが大統領に就任した事により、これまでのようなジャック・ライアン自身が現場に赴いての活躍がなくなると思われる。今後の作品は、どうなるのだろうか?トム・クランシーの作品構想が気になるところである。

内容は異なるが、同時期に公開された映画、「エアフォース・ワン」とあわせてみるとより楽しめる。私は、本を読みながらハリソン・フォードがいるシーンが目に浮かんだ。
全4冊であるが、分量を感じさせない内容の濃い作品である。

*:前作、日米開戦参照。