美濃屋商店〈瓶詰の古本日誌〉

呑んだくれの下郎ながら本を読めるというだけでも、古本に感謝せざるを得ない。

古人の言葉

2010年03月22日 | 瓶詰の古本
   古人の言葉をぽつりぽつり書き写していると、己が文章の空っ穴な体たらくにいたたまれなくなる。それはそれで有難い効能とは思うが、やがて文字そのものが記憶から霞んで遠ざかり、頭の内側はどんどん滑らかな反射鏡へと変容して行く。挙句の果てに、日常世間的に利いた風なことなど何一つ考え付くこともなくなり、舌の根は干上がるばかりになって来る。
   古人の言葉を摘書する一番の効能と言えようか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする