野菊と言えば、私のような年代の者に、すぐに頭に浮かぶのは伊藤左千夫の小説「野菊の墓」です。小年と年上の薄幸の少女との淡い恋物語ですが、小生にもこの小説を読んで涙した青い時代がありました。
さて、植物学的に一般に言われているノギクには色々なものがあり、いずれもがよく似ており、その区別は難しいです。
ノギクは同じような所に生え、慣れれば大方の見当はつきますが、これを文章で表現するとなると、かなり難しいものです。以下はノギクと言われ、田や土手などに生えている種を写真で区別してみました。
ヨメナ。中部地方以西に多い。花は淡紫色~青紫色。直径約3㎝。
カントウヨメナ。関東地方以北に多い。草丈はヨメナよりやや小型。花は淡紫色~青紫色。直径は3~3.5㎝。
ユウガギク。花は白~淡青紫色。 直径約2.5㎝。
ノコンギク。花色は淡青紫~青紫色。直径約2.5㎝。花が重なるように咲く。
ヨメナ。葉は卵状長楕円形で、縁は浅く粗い鋸歯があり、3脈がやや目立つ。深緑で、光沢はあまりない。
カントウヨメナ。葉は卵状長楕円形で、質は薄く、縁に粗い鋸歯があり、切れ込みが深い。
ユウガギク。葉は薄く、披針形~卵状長楕円形、縁は浅く裂けたり、羽状に中裂し、変化が多い。葉の基部は楔形。
ノコンギク。 葉は卵状長楕円形~長楕円形、両面に短毛が密生して、ざらつく。
ヨメナ。果実の冠毛は短く目立たなく0.5㎜程度。
カントウヨメナ。果実の冠毛は短く目立たなく0.5㎜以下。
ユウガギク。果実の冠毛はほとんどない。
ノコンギク。果実の冠毛が長く目立つ。
「野菊の墓」の「民子」に似た野菊はどのような種だったのか?とよく言われます。小説の舞台は千葉県ですので関西地方に多いヨメナは別として、カントウヨメナかユウガギク、ノコンギクのいずれかだと推しします。私が思うにはノコンギクは花が重なるように咲き、にぎやかで、ユウガギクは花が白く、全体の姿がやや粗いようのに思います。カントウヨメナは淡い紫色で楚々とした姿でこれが似つかわしいように思いますが?
ある園芸店からカキの苗とグズマニアの鉢植えをいただきました。我が家の庭にできた「ポポーの種」をあげたお礼です。
カキの苗。‘富有’、‘禅寺丸’、‘太秋’。
グズマニア。花の色が、赤、オレンジ、黄と鮮やか。
庭に派手な文様のチョウチョがいます。ツマグロヒョウモンの雌です。この蝶は雄より雌のほうが派手です。スミレ類が食草なので、気をつけていないと、パンジーやビオラが幼虫の食害にあいます。
ツマグロヒョウモン。雌。