ジャン・アレチボルトの冒険

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乃木坂の風 10Sep13 ~ AKBグループの有線ランキング、HKT48デビュー曲、15回ランクインの衝撃

2013-09-10 16:00:00 | 芸能
AKBグループと乃木坂46は、握手会イベントによってCDを売っているので、何十万枚というセールスを記録して、オリコンランキングで1位になっても、人気の実態は見えにくいと言われます。

1人で何十枚もCDを買ってくれるコアなファンが売り上げのほとんどを支えているからですが、そういう人たちが、来年も、再来年も、いつまでも同じようにCDを買い続けてくれるとは限りません。

新しくて面白そうなアイドルが出現すれば、そちらに流れる可能性があるし、就職や結婚などを機に、アイドルへの出費を止めることも考えられる。

従って、握手会人気を維持する上でも、一般層からの新たなファンのリクルートが重要です。

握手会が盛況でも、一般層における知名度や関心度が低落していれば、そのアイドルは未来を描けない状況にあると判断していいでしょう。

こういった一般人気を計る方法として、有線リクエストのランキングは一つ指標になると思います。

歌を聴いてみたいという気持ちが、リクエストの原動力ですが、楽曲の出来不出来だけでなく、一般層における歌手の知名度や関心度が、有線ランキングの順位やランクイン期間に反映されています。

AKBグループと乃木坂について、シングル曲の有線ランキングを比べてみましょう。

// 2013年のAKB48は総選挙後の低落に歯止めを掛けられるか

まずは、AKB48のケースです。各行に、シングルの順番、有線ランキング150位以内にランクインした回数[有線ランキングの最高順位]、曲名(リリースの日付、YY/MM/DD)を表示しています。ランクイン回数は、同じ週数だけの期間ランクインしたことを意味します。

11th 1回[149位] 10年桜 (2009/03/04)
14th 12回[63位] RIVER (2009/10/21)
15th 9回[46位] 桜の栞 (2010/02/17)
16th 16回[11位] ポニーテールとシュシュ (2010/05/26)
17th 14回[14位] ヘビーローテーション (2010/08/18)
18th 16回[7位] Beginner (2010/10/27)
19th 7回[16位] チャンスの順番 (2010/12/08)
20th 16回[14位] 桜の木になろう(2011/02/16)
21st 14回[1位] Everyday、カチューシャ (2011/05/25)
22nd 12回[1位] フライングゲット (2011/08/24)
23rd 7回[4位] 風は吹いている (2011/10/26)
24th 12回[2位] 上からマリコ (2011/12/7)
25th 12回[3位] GIVE ME FIVE! (2012/02/15)
26th 16回[6位] 真夏のSound good! (2012/05/23)
27th 14回[2位] ギンガムチェック (2012/08/29)
28th 11回[3位] UZA (2012/10/31)
29th 13回[4位] 永遠プレッシャー (2012/12/5)
30th 13回[4位] So long! (2013/02/20)
31st 13回[5位] さよならクロール (2013/05/22)
32nd 4回[2位] 恋するフォーチュンクッキー (2013/08/21)

AKB48は、11枚目「10年桜」で初めてランクインした後、徐々に順位を上げ、2010年にリリースした、16枚目「ポニーテールとシュシュ」と17枚目「ヘビーローテーション」で最高順位が15位以内に入って、ここで人気を軌道に乗せた感があります。

そして、2011年の総選挙投票券が付いた21枚目「Everyday、カチューシャ」と、その対象曲である22枚目「フライングゲット」で連続1位を獲得します。

その後も、ほとんどの曲が10回以上のランクインを記録していて、AKB48の一般層からの知名度・関心度が安定していることが分かります。

しかし、2012年にやや気になることが起こります。

27枚目「ギンガムチェック」は、2012年の総選挙直後にリリースされた曲で、そのイベントの話題性で、最高順位を2位まで上げましたが、その後は、28枚目「UZA」、29枚目「永遠プレッシャー」、30枚目「So long!」、31枚目「さよならクロール」と徐々に最高順位が下がっていて、一般からの関心が薄れていったことを窺わせます。

また、同時にオリコン調べでのCD売り上げ枚数も、28枚目から30枚目に掛けて、とくに初動枚数が右肩下がりになっていて、コアなファンもじりじり離れている様子が見て取れます。

2013年の総選挙では、指原莉乃が1位になる波乱が起きた上に、テレビでの完全生中継や大型特番もあって、一般層からの関心度が再び上昇、総選挙の対象曲である32枚目「恋するフォーチュンクッキー」は、現在、最高順位を2位まで上げています。

ダウンロード数も好調のようで、明らかに「指原効果」が出ていると思います。

ただ、今後、この関心度をどこまで維持出来るのか、昨年のように、総選挙から日が経つにつれて、じりじり順位を落としていくのか、それともどこかで反発して上昇を見せるのか、その辺が、AKB48の未来を考える上で、大きな注目点になるでしょう。

実は、AKB48が有線ランキングで首位に立ったのは、「Everyday、カチューシャ」と「フライングゲット」の2曲だけです。

総選挙、大規模握手会、全国ドームツアーなど、話題を振りまいているAKB48ですが、これだけ知名度が高いにも関わらず、なかなか1位を取れないことに、一般人気の伸び悩みが表れているのかもしれません。

// SKE48「パレオはエメラルド」はヒット曲

次はSKE48とNMB48です。表の見方は、AKB48の場合と同じですが、オリコン調べでのCD累計売り上げ枚数(オリコンの最高順位)を、各行の最後に付け加えています。

SKE48

1st --回[--位] 強き者よ (2009/08/05) 2.7万枚(5位)
2nd 1回[145位] 青空片想い (2010/03/24) 5.1万枚(3位)
3rd 4回[110位] ごめんね、SUMMER (2010/07/07) 9.6万枚(3位)
4th 4回[107位] 1!2!3!4!ヨロシク! (2010/11/17) 17.5万枚(2位)
5th 4回[55位] バンザイVenus (2011/03/09) 27.5万枚(1位)
6th 11回[36位] パレオはエメラルド (2011/07/27) 48.1万枚(1位)
7th 7回[31位] オキドキ (2011/11/09) 47.5万枚(1位)
8th 8回[25位] 片想いFinally (2012/01/25) 59.3万枚(1位)
9th 8回[20位] アイシテラブル! (2012/05/16) 58.2万枚(1位)
10th 4回[97位] キスだって左利き (2012/09/19) 59.8万枚(1位)
11th 6回[29位] チョコの奴隷 (2013/01/30) 67.2万枚(1位)
12th 4回[60位] 美しい稲妻 (2013/07/17) 64.2万枚(1位)

NMB48

1st 6回[78位] 絶滅黒髪少女 (2011/07/20) 26.8万枚(1位)
2nd -回[--位] オーマイガー! (2011/10/19) 32.6万枚(1位)
3rd 6回[56位] 純情U-19 (2012/02/08) 37.7万枚(1位)
4th 4回[83位] ナギイチ (2012/05/09) 45.1万枚(2位)
5th 3回[91位] ヴァージニティー (2012/08/08) 39.6万枚(1位)
6th 8回[60位] 北川謙二 (2012/11/07) 41万枚(1位)
7th 4回[118位] 僕らのユリイカ (2013/06/19) 54.2万枚(1位)

SKE48で目立つのは、6枚目「パレオはエメラルド」の11回ランクインです。

5枚目までは、4回ランクインが最高でしたが、ここで一気に登場回数を増やして、順位も最高36位までグッと上げてきました。

私も乃木坂に興味を持つ前から、この曲は聴いたことがあって、「パレオはエメラルド」は間違いなく、一般的な意味でのヒット曲だと思います。

このヒットを足がかりに、7枚目「オキドキ」、8枚目「片想いFinally」、9枚目「アイシテラブル!」は、7回から8回のランクインを記録して、順位も最高20位まで上昇します。

しかし、10枚目「キスだって左利き」で、いきなりランクイン回数が4回に落ちて、順位も最高97位となります。

11枚目「チョコの奴隷」はランクイン6回、最高29位とやや持ち直しますが、12枚目「美しい稲妻」は、ランクイン4回、最高60位で、復調に力強よさがありません。

一方、NMB48は、6枚目「北川謙二」が8回ランクインの最高60位で勢いを見せますが、7枚目「僕らのユリイカ」が4回ランクインの最高118位となり、かなり深刻な伸び悩みに苦しんでいます。

SKE48、NMB48ともに、CDの売り上げ枚数は順調に伸びていますが、一般からの注目度に堅さが感じられないのが悩ましいところです。

「パレオはエメラルド」のようなヒットを飛ばすか、視聴率の高いテレビ番組で活躍するなど、グループとしてのアピールを強めないと、人気の低落傾向に歯止めが掛からなくなる危険があります。

// 2013年に入って、乃木坂への一般関心度が急落か

次は、いよいよ乃木坂46です。

1st 7回[54位] ぐるぐるカーテン (2012/02/22) 21.2万枚(2位)
2nd 8回[44位] おいでシャンプー (2012/05/02) 22.3万枚(1位)
3rd 7回[69位] 走れ!Bicycle (2012/08/22) 24.3万枚(1位)
4th 7回[66位] 制服のマネキン (2012/12/19) 30.4万枚(1位)
5th 3回[112位] 君の名は希望 (2013/03/13) 30.4万枚(1位)
6th 4回[96位] ガールズルール (2013/07/03) 42.8万枚(1位)

正直に言うと、AKBグループに比べて、さらに状況は厳しいと思います。

2012年にCDデビューした頃は、非常に注目度が高くて、4枚目「制服のマネキン」までは、ランクインも7回から8回を記録していました。

しかし、2013年に入って、乃木坂に対する一般層からの関心度が下がったようで、5枚目「君の名は希望」では、ランクイン3回の最高112位まで下がってしまいました。

その後、センター交代など注目を集める出来事が起こり、6枚目「ガールズルール」はランクイン4回、最高96位でしたが、それでも、2012年のレベルには遠く及びません。

おそらくAKBグループとの差別化が曖昧で、一般層から見て、はっきりと分かる特徴が乏しいため、AKBというアイドルの海に埋没しているのかもしれません。

とくに最近、握手会にAKBのファンを呼び込もうとして、「ガールズルール」のようなAKBテイスト満載のアイドルソングを出すなど、乃木坂のAKB化が進んでいるので、一般層からは、AKBの影に隠れてますます見えなくなっている気がします。

結成3年目を迎えて、スタート時に集めた関心が醒めてきて、いよいよグループとしての独自性が問われる段階に入ってきています。

この2013年をどう乗り切るのか、乃木坂は、その将来を決する時期を迎えていると思います。

// HKT48は最も注目されているグループ

乃木坂は、独自性を出すために今後何をすべきか?それを考える前に、HKT48の状況を見ておきましょう。

1st 15回[19位] スキ!スキ!スキップ! (2013/03/20) 28.5万枚(1位)
2nd --回[--位] メロンジュース (2013/09/04) 26.4万枚(--位)

調べてみて、びっくりしました(笑)。

HKT48のデビュー曲「スキ!スキ!スキップ!」は、有線ランキングになんと15回もランクインして、最高19位まで順位を上げていました。

ランクインの最多回数は、SKE48が11回、NMB48と乃木坂46は8回、AKB48でも16回なので、HKT48の15回は素晴らしい数字です。また、最高順位19位も、SKE48の20位を上回って、これも支店の中ではトップを記録したことになります。

HKT48は、AKBグループの中では、現在、一般層から、もっとも注目を集めているグループであると言っていいでしょう。

大きな理由としては、二つほど考えられます。

一つは、指原効果です。

指原莉乃は、スキャンダルの責任を取る形で博多に行くことになりましたが、この出来事がHKT48の知名度を大きく上げたのは間違いないと思います。

兎にも角にも、人から注目される何かを持っている指原さんですから、彼女の捲土重来的な物語性も加わって、一般的な関心が高まったのかもしれません。

二つ目は、グループの平均年齢が若いことです。

AKB48は、大島優子や小嶋陽菜など、ほとんどの主要メンバーが20歳を過ぎていて、世代交代がテーマになっていますが、次世代筆頭の島崎遥香ですら19歳で、女性アイドルとしては、決して若い方ではありません。

一方、HKT48は結成時の平均年齢が14歳で、現在でも、最年長メンバーが19歳という若さです。

この若さがフレッシュ感を生み出して、HKT48の大きな特徴となり、AKBグループ内での差別化に成功しているのだと思います。

そして、AKB48、SKE48、NMB48に「飽き」を感じて離れつつある人たちが、今までとは違う新しいものを見せてくれるかもしれないという期待感を抱えて、HKT48へなだれ込んでいるのかもしれません。

// 乃木坂は何をなすべきか

乃木坂がAKBと差別化を図って、独自性を出すためには、まず中学高校生メンバーを積極的に前面に出して、若さをアピールすることが重要だと思います。

これから伸びていこうとする新人アイドルには、発展途上の未完成感がある方がよくて、中学高校生メンバーをイメージの中心にすることで、グループとして力強く成長している感じを出せます。

もちろん、HKT48と違って、乃木坂には素晴らしく魅力的な高校卒業メンバーが何人もいるので、中高生メンバーと卒業メンバーの協力関係が活動の中核になりますが、一般層へのイメージとしては、より若いメンバーを強調する方が、インパクトを与えられるでしょう。

それから、歌やダンスのスキルを磨いて、魅力的なライブをする能力を持っておくと、大きな強みになると思います。

口パク疑惑が囁かれているのをみても、AKB48は、ライブ能力に関しては、ももいろクローバーZやモーニング娘。に比べると、あまり評価されていない気がします。

一方、乃木坂は「MUSIC FAIR」で披露した、生田絵梨花のピアノ伴奏による「君の名は希望」のように、個性的な生歌ライブを作り出す潜在能力があります。

今回の全国ツアーを通して、メンバーのライブへの意識が高まってきているので、この流れを切らさないようにして、ライブのスキルをどんどんレベルアップして欲しいですね。

とくに、今週土曜日の「氣志團万博2013」のように、乃木坂のファン以外の観客が大勢いるようなコンサートを、積極的に経験することが大事だと思います。

プロとしてシビアに評価される他流試合は、一歩間違うとブーイングを浴びますが、逆に喝采を浴びると、広い層に受けるパフォーマンスの切っ掛けを掴むことが出来ます。

真剣勝負こそ、乃木坂の魅力を発掘するチャンスでもあって、失敗を怖れずにぶつかって行けば、力がついていくと思います。

そして、乃木坂のライブは個性的で楽しいという評判を確立すれば、他のグループと明確な差別化が出来て、一般人気の獲得にも活路が開けるんじゃないでしょうか。


// 関連サイト

「有線ランキング」のサイト


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