「演技力」って、何でしょう?
ドラマを見ていて、滑舌が悪くて台詞が聞き取れなかったり、しゃべりや動きの間合いが変だったりして、
この役者、ちょっと「演技が下手だな」と感じることはありますよね。
この手の小さなミスが、いちいち気になって、ドラマに集中出来なかったりするので困ります。
一方、ドラマを見ている最中に、しみじみ「演技が上手いなあ」と思うことは、案外、少ない気がします。
というのも、「演技が上手い」ときは多分、ドラマの物語に、心が完全に没入していて、その俳優の演技云々を気にしていない、あるいは、それが演技だということすら忘れているからじゃないでしょうか。
つまり、「演技力」というのは、観ている側に、演技の細かい部分を忘れさせて、物語世界に引きずり込む、そういう力である気がします。
以前、テレビ東京の旅グルメ番組に、榎木孝明が出たことがあります。
榎木さんは、映画出演も多い「大物俳優」ですが、とくに、フジテレビ版の「浅見光彦シリーズ」に「浅見光彦」役で出ていたことから、2時間サスペンスのイメージが強いですよね。
その番組では、数人の若手俳優と一緒に、九州の観光地を巡って、名所・名物を紹介したり、温泉に入ったりして、ごく普通の旅を楽しむ感じでした。
しかし、和風旅館に泊まった翌朝、宿を立って次の目的地に向かうため、趣のある和風庭園の小さな門から、榎木さんがゆっくりと外に出てくるシーンに、衝撃を受けました。
確実に、この旅館では殺人事件が起こってますね、しかも女将は相当な美人ですよ(笑)。
普通の服で、普通の表情で、普通に歩いてるだけなんですが、榎木さんの発するオーラが半端じゃない。
古い木の門、庭の低木、飛び石。
和風旅館によくある風景なんですが、榎木孝明のオーラに巻き込まれると、すべてが因縁めいた意味を帯びているように見え始める。
ええ、もう、何か分かんないけど、かなり深刻な事件が始まってます、間違いないです。しかも、事件の背後には、悲しい昔の物語がありますね(笑)。
なるほど、榎木孝明という役者を、みんなが使いたくなるわけです。
普通に立ってるだけで、魅力的な物語イメージを作ってくれて、観客を、その世界に引きずり込んでくれる。
いわゆる「絵になる」というやつです。
ああ、これが「演技力」なんだと、納得したのを覚えています。
ただ、どのような物語イメージを提供するかは、ドラマによって、ぜんぜん違ってくるので、役者は「自分に何が求められているのか」を敏感に察知する必要があります。
そうでなければ、オーラがあっても、場違いな演技に見えてしまう。
橋本奈々未は、土曜日に最終回を迎えた日本テレビのドラマ「BAD BOYS J」全11話に、中島健人が演じる主役「桐木司」の恋人「由本久美」役で出演していました。
中島君は、Sexy Zoneのメンバーだそうですが、このドラマには、ジャニーズ若手グループ、Sexy Zone、Kis-My-Ft2、A.B.C-Z、ジャニーズJr.のメンバーが大挙して出演していて、当然、視聴者は、彼らのファンである若い女性が中心ということになります。
従って、橋本さんの「久美」役は、一応「ヒロイン」ではあるけれど、脇役という色合いが濃くなっています。
私が感心したのは、彼女は自分に求められているものが、脇役としての「ヒロイン」であり、主役である「桐木司」をいかに輝かせるかがテーマであることを、十分に理解していたことです。
橋本奈々未としての美しさや魅力は出しつつも、それは中島健人の「久美」への想いに説得力を持たせるためで、あくまで彼の魅力を引き出すテクストの中に止めておく。自分の存在感を出し過ぎて、主要な視聴層であるジャニーズファンの若い女性たちの気持ちを邪魔してはいけない。
こういう難しい立場をよく理解して、それを懸命に実現しようと努力していました。
とくに、「気持ち作り」が上手かった。
若い男性陣が活躍するドラマの世界を、素敵でカッコいいと絶賛、さらに、中島君に対しては、本物の恋人を想うような気持ちでいたい、
メディアを通じて、こういった発言をすることで、ドラマの宣伝以上に、自分自身の気持ちも高めていった。
そして、その「気持ち作り」は大きな成功を収めたと思います。
ドラマが進むにつれて、若い女性の間に「橋本奈々未」の名前が少しずつ広がっていき、
しかも、ネットでチェックする限り、好意的なイメージを持って貰えている場合が多いと感じました。
橋本さん自身も、最近、街を歩いていると、「久美」さんですよね、と声を掛けられることが増えたそうです。
まあ、完全アウェイなので、反発を覚えるひとは必ずいるし、中島君との関係が深まれば、強い反応もある程度はやむを得ないですが、大バッシングというような感じは、全くなかったですね。
おそらく、彼女が「気持ち作り」を通して、ジャニーズの若いメンバーに「リスペクト」を持ち、「久美」役の演技にも、その「リスペクト」感が滲み出ていたため、ジャニーズのファンに概ね受け入れられたのだと思います。
表面的な演技以上に、感情の深い部分を重視。ジャニーズファンの目線と同じ高さになって、好感度の高い「由本久美」を作り出し、それを演じ切ってしまった。
これは、橋本さんの見事な「演技力」の成果です。
しかし、もともとの乃木坂ファン、男性の橋本奈々未ファンからすれば、一点の曇りもなく愉快な話とはいかないですよね(笑)。
女優として頑張るのはいいけど、でも、なんだかなあ、ジャニーズかあ、という気分になるひともいるかもしれません。
実際、6枚目「ガールズルール」個別握手会券付CDの完売数推移を見ると、橋本さん、トップ3に抜擢された割には、少し伸び悩みが目立つ。
でも、私は、この握手会人気の伸び悩みこそが、橋本奈々未が真に女優として良い仕事をしたことを示していると思っています。
今後も、ななみんが「女優」としてやって行くのであれば、ドラマの視聴者を物語に引き込む「演技力」が、握手会人気を落としてしまうようなことは、常に発生する可能性があります。
出演が決まったフジテレビ月9ドラマ「SUMMER NUDE」で、水着になるという話が出ただけでも、かなりの反響を呼んでいるみたいですから(笑)。
女優として大きく飛躍することを考えて、握手会人気の方は気にしない、しばらくは、そういう考え方にならざるを得ないのかもしれませんね。
「BAD BOYS J」で見せつけたように、橋本奈々未は、自分が何を要求されているのかを理解する能力が図抜けてます。「君の名は希望」初回限定版DVDに収録されたミュージックビデオを作った山下敦弘監督も、彼女を「何か考えているひと」と評して、この能力を指摘しています。
乃木坂メンバーでは、生田絵梨花も、何が求められているかを瞬時に感じ取って、的確に返していく能力は、桁違いのものを持ってます。「16人のプリンシパル deux」で、この二人が、圧倒的な強さで、第二幕出演スコアの一位と二位を獲得したことを考えると、舞台演劇というジャンルでは、とくに、この「状況判断力」が重要なのかもしれません。
こういった「状況判断力」は「演技力」の一つで、橋本さんと生田さんは、間違いなく、優れた「演技力」を持っていると言えますが、もう一人、別のタイプの「演技力」を持ってるメンバーが乃木坂にいます。
星野みなみです。
「君の名は希望」初回限定版収録の個人PV「私の中のモンスター」の冒頭に、星野さんが制服姿で、校庭のグラウンドに一人佇んでいるシーンがあります。
彼女は、ただ立っているだけですが、これから、この少女をめぐる何か魅力的な物語が始まるんだな、という雰囲気が画面全体を覆い尽くしています。冒頭に紹介した榎木孝明さんと同じく、とてつもないオーラを放って、観ている側を、星野みなみの物語に、ぐいぐい引き込んでいきます。
橋本、生田と種類は違いますが、これも「演技力」の一つで、星野さんは、その能力が図抜けています。
彼女の場合は、あまりにも物語イメージの供給力が強すぎて、「BAD BOYS J」の「久美」のような脇役的ヒロインを、橋本さんのように上手く演じるのは、今のところは、ちょっと難しいかもしれません。徹底的な主役ヒロイン、最初から最後まで星野みなみ、みなみを絶賛しなさ~い、でなければ、出て行きなさ~い、的な世界観になっちゃいそうで(笑)。
しかし、星野さんは、自分をプロデュースすることに関して、天才的なセンスを持っています。ドラマの場数を踏んで、現場の経験を積めば、自らの発する強烈なオーラを、状況に合わせてコントロールして、ドラマ全体を輝かせるスキルを体得出来ると思います。
女優を育てるには、それしかないんですが、とにかく、小さな役でも良いので、彼女をドラマに出して、少しでも経験を積んでもらうのが、一番大事なことだと思います。
星野みなみのような、常軌を逸した才能というのは、「諸刃の剣」的な性質があって、
本人にとっても、周りにとっても、扱うのが難しい部分があるとは思いますが、
でも、発する輝きが桁違いで、真の大女優になる素質を持った希少な逸材ですから、
焦ることはないですが、しっかりと育ててあげて欲しいですね。
ところで、7月8日(月)から始まるフジテレビ「SUMMER NUDE」で主役を演じる山下智久君、実は、わたくし、役者として大好きなんですよ(笑)。
堀北真希の出世作となった「野ブタ。をプロデュース」(日本テレビ、2005年)、
名優山崎努との掛け合いが印象的だった「クロサギ」(TBS、2006年)、そして、
長澤まさみと榮倉奈々の魅力を爆発させた「プロポース大作戦」(フジテレビ、2007年)。
山ピーが出たドラマは、どれもドラマとして面白いし、その上、結構、数字を取るんですよ。
彼は、2枚目イメージに、ちょっと情けなくて、ちょっとコミカルなテイストを加えた、2.5枚目の演技が非常に上手い。
それが高視聴率につながっていると思うんですが、日本の俳優で、こういった演技がハイレベルな次元で出来るのは、山下君以外だと、「やまとなでしこ」で大ブレイクした堤真二くらいしか、頭に浮かばないです。
そんなわけで、山下智久の月9ドラマに、橋本奈々未がレギュラー出演というニュースを見たときは、思いっきりテンションが上がって、嬉しかったですね。
もし、視聴率が15%を越えるようなドラマになったら、橋本さん、多分、生活が変わりますよ。
今までのように、一人で街に出て、気軽にショッピングするのは、だんだん難しくなっていくかもしれません。
人気が上がっていくと、自由が少なくなっていく。
女優として良い仕事をすれば、握手会人気が伸び悩む。
何かを得れば、何かを失う。
それが、この世界を支配する法則なんでしょうか。
だとすれば、しょっぱい話ですね(笑)。
お知らせ!
今夜、東京ドームで社会人アメフトの試合イベントに乃木坂46が出演します。
CD選抜の経験がない、斎藤ちはると川後陽菜が特別選抜で、初めて檜舞台に立ちます。
大変に貴重なライブになるのは間違いなくて、ファンは、もう必見です!(笑)
開場17:00、キックオフ19:00で、
乃木坂はハーフタイムショーに、100人以上のチアリーダーと一緒に出るみたいですよ。
お時間のある方は、行かれてみてはいかがでしょう。
公式サイトでの告知
# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
// 関連記事
乃木坂の風 23Jun13#2 ~ 祝!橋本奈々未、月9ドラマにレギュラー出演!
乃木坂の風 23Jun13 ~ 「孤独なLover」が「ガールズルール」を上回っている?
乃木坂の風 15Jun13 ~ 「世界で一番 孤独なLover」のMVは傑作
乃木坂の風 26May13 ~ すごいぞ、橋本奈々未!6thのヒットが見えてきた!
# アレチの素敵な乃木坂業務連絡 15May13 ~ 関連記事の目次 (2013/04/19 ~)
すべての乃木坂関連記事について、目次ページを作りましたので、よろしければどうぞご覧下さい。
「乃木坂各論」
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
乃木坂各論第2話、若月佑美 ~ 相克の美少女アーティスト
乃木坂各論第1話、生田絵梨花 ~ 天才少女がやって来た!
// 見なきゃ損だと思う乃木坂メンバーのブログ
6月24日00:00付斎藤ちはるのブログ
斎藤さんもCD選抜経験ゼロですが、社会人アメフトの試合イベントに、初めて特別選抜として参加します。その喜びと緊張が伝わってきます。お父さんについての情報は、初めて知りましたが、ちょっと驚きました。
6月23日22:48付川後陽菜のブログ
川後さんは福岡出身で、7月2日に、乃木坂46の日テレ「NOGIBINGO」と一緒に始まる、HKTの「トンコツ魔法少女学院」に、自分を出せと主張してます(笑)。
あと、彼女は、CD選抜の経験がないのですが、東京ドームでの社会人アメフトの試合イベントに、初めて特別選抜として参加する予定で、そのことにも触れてます。
6月23日16:00付生駒里奈のブログ
「BAD BOYS J」の最終回に、特別出演した話が載ってます。あと、白い制服姿の自分撮りが、超ウルトラ美少女で可愛いです。
まずこんなちんちくりんを出して頂いて本当にありがとうこざいます!
ん~、これだけの美貌を持っていて、なぜに自信が持てないんでしょうね、いこまちゃんは。正直、不思議です。まあ、周りに美人が多すぎるのは、同情の余地がありますが(笑)。
6月21日22:06付橋本奈々未のブログ
この記事、橋本さんと卒業した安藤美雲さんの関係について、興味深い話が満載です。あと、花のJDななみん、気持ちにゆとりが出来てきたのか、文章が楽しくて、可愛いです。ちょっと意外っす(笑)。
ところで、一番暗いのって、真夜中だよね、地球は丸いから(笑)。一番暗かったら、夜明けは、まだ随分と先の話っすよ。
6月17日付星野みなみのブログ
掲載された4枚の写真は、二ヶ月のブランクなど吹き飛ばします。とくに一枚目は、星野さん、大人の魅力が入った超美人の表情を見せてます。
ところで、これらの写真には安藤さんが写っていますが、7月以降、どうなるんでしょう?安藤さん自身がOKであれば、しばらくは、このままにして欲しいんですが。
# アレチの素敵な乃木坂業務連絡 19Jun13 ~ 気になるブログの目次
アレチボルトが「見なきゃ損だ」と思うブログについて、過去に紹介したブログも含めて、目次ページを作りましたので、よろしければどうぞご覧下さい。
// 星野みなみのコーナー
写真が載っているメンバーブログ
6月17日付星野みなみのブログ
6月16日付安藤美雲のブログ
6月12日付秋元真夏のブログ
6月10日付中田花奈のブログ
このブログでの主な関連記事
乃木坂の風 18Jun13 ~ 祝!星野みなみブログ更新、ダルチェさんモフィを食う勢い?
乃木坂の風 17Jun13 ~ 安藤美雲の輝ける卒業と星野みなみの物語3
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
乃木坂の風 11Jun13 ~ 星野みなみ、中田花奈のブログに登場!そして、指原ファイトだ!
乃木坂の風 01Jun13 ~ 6th新曲、トップ3は「和音」を奏でるか?星野みなみの物語2
乃木坂の風 28May13 ~ ブログを書かなきゃダメですか?やっぱり「みなみ」が好き
乃木坂の風 21May13 ~ アイドルとの「距離」、星野みなみの物語
ドラマを見ていて、滑舌が悪くて台詞が聞き取れなかったり、しゃべりや動きの間合いが変だったりして、
この役者、ちょっと「演技が下手だな」と感じることはありますよね。
この手の小さなミスが、いちいち気になって、ドラマに集中出来なかったりするので困ります。
一方、ドラマを見ている最中に、しみじみ「演技が上手いなあ」と思うことは、案外、少ない気がします。
というのも、「演技が上手い」ときは多分、ドラマの物語に、心が完全に没入していて、その俳優の演技云々を気にしていない、あるいは、それが演技だということすら忘れているからじゃないでしょうか。
つまり、「演技力」というのは、観ている側に、演技の細かい部分を忘れさせて、物語世界に引きずり込む、そういう力である気がします。
以前、テレビ東京の旅グルメ番組に、榎木孝明が出たことがあります。
榎木さんは、映画出演も多い「大物俳優」ですが、とくに、フジテレビ版の「浅見光彦シリーズ」に「浅見光彦」役で出ていたことから、2時間サスペンスのイメージが強いですよね。
その番組では、数人の若手俳優と一緒に、九州の観光地を巡って、名所・名物を紹介したり、温泉に入ったりして、ごく普通の旅を楽しむ感じでした。
しかし、和風旅館に泊まった翌朝、宿を立って次の目的地に向かうため、趣のある和風庭園の小さな門から、榎木さんがゆっくりと外に出てくるシーンに、衝撃を受けました。
確実に、この旅館では殺人事件が起こってますね、しかも女将は相当な美人ですよ(笑)。
普通の服で、普通の表情で、普通に歩いてるだけなんですが、榎木さんの発するオーラが半端じゃない。
古い木の門、庭の低木、飛び石。
和風旅館によくある風景なんですが、榎木孝明のオーラに巻き込まれると、すべてが因縁めいた意味を帯びているように見え始める。
ええ、もう、何か分かんないけど、かなり深刻な事件が始まってます、間違いないです。しかも、事件の背後には、悲しい昔の物語がありますね(笑)。
なるほど、榎木孝明という役者を、みんなが使いたくなるわけです。
普通に立ってるだけで、魅力的な物語イメージを作ってくれて、観客を、その世界に引きずり込んでくれる。
いわゆる「絵になる」というやつです。
ああ、これが「演技力」なんだと、納得したのを覚えています。
ただ、どのような物語イメージを提供するかは、ドラマによって、ぜんぜん違ってくるので、役者は「自分に何が求められているのか」を敏感に察知する必要があります。
そうでなければ、オーラがあっても、場違いな演技に見えてしまう。
橋本奈々未は、土曜日に最終回を迎えた日本テレビのドラマ「BAD BOYS J」全11話に、中島健人が演じる主役「桐木司」の恋人「由本久美」役で出演していました。
中島君は、Sexy Zoneのメンバーだそうですが、このドラマには、ジャニーズ若手グループ、Sexy Zone、Kis-My-Ft2、A.B.C-Z、ジャニーズJr.のメンバーが大挙して出演していて、当然、視聴者は、彼らのファンである若い女性が中心ということになります。
従って、橋本さんの「久美」役は、一応「ヒロイン」ではあるけれど、脇役という色合いが濃くなっています。
私が感心したのは、彼女は自分に求められているものが、脇役としての「ヒロイン」であり、主役である「桐木司」をいかに輝かせるかがテーマであることを、十分に理解していたことです。
橋本奈々未としての美しさや魅力は出しつつも、それは中島健人の「久美」への想いに説得力を持たせるためで、あくまで彼の魅力を引き出すテクストの中に止めておく。自分の存在感を出し過ぎて、主要な視聴層であるジャニーズファンの若い女性たちの気持ちを邪魔してはいけない。
こういう難しい立場をよく理解して、それを懸命に実現しようと努力していました。
とくに、「気持ち作り」が上手かった。
若い男性陣が活躍するドラマの世界を、素敵でカッコいいと絶賛、さらに、中島君に対しては、本物の恋人を想うような気持ちでいたい、
メディアを通じて、こういった発言をすることで、ドラマの宣伝以上に、自分自身の気持ちも高めていった。
そして、その「気持ち作り」は大きな成功を収めたと思います。
ドラマが進むにつれて、若い女性の間に「橋本奈々未」の名前が少しずつ広がっていき、
しかも、ネットでチェックする限り、好意的なイメージを持って貰えている場合が多いと感じました。
橋本さん自身も、最近、街を歩いていると、「久美」さんですよね、と声を掛けられることが増えたそうです。
まあ、完全アウェイなので、反発を覚えるひとは必ずいるし、中島君との関係が深まれば、強い反応もある程度はやむを得ないですが、大バッシングというような感じは、全くなかったですね。
おそらく、彼女が「気持ち作り」を通して、ジャニーズの若いメンバーに「リスペクト」を持ち、「久美」役の演技にも、その「リスペクト」感が滲み出ていたため、ジャニーズのファンに概ね受け入れられたのだと思います。
表面的な演技以上に、感情の深い部分を重視。ジャニーズファンの目線と同じ高さになって、好感度の高い「由本久美」を作り出し、それを演じ切ってしまった。
これは、橋本さんの見事な「演技力」の成果です。
しかし、もともとの乃木坂ファン、男性の橋本奈々未ファンからすれば、一点の曇りもなく愉快な話とはいかないですよね(笑)。
女優として頑張るのはいいけど、でも、なんだかなあ、ジャニーズかあ、という気分になるひともいるかもしれません。
実際、6枚目「ガールズルール」個別握手会券付CDの完売数推移を見ると、橋本さん、トップ3に抜擢された割には、少し伸び悩みが目立つ。
でも、私は、この握手会人気の伸び悩みこそが、橋本奈々未が真に女優として良い仕事をしたことを示していると思っています。
今後も、ななみんが「女優」としてやって行くのであれば、ドラマの視聴者を物語に引き込む「演技力」が、握手会人気を落としてしまうようなことは、常に発生する可能性があります。
出演が決まったフジテレビ月9ドラマ「SUMMER NUDE」で、水着になるという話が出ただけでも、かなりの反響を呼んでいるみたいですから(笑)。
女優として大きく飛躍することを考えて、握手会人気の方は気にしない、しばらくは、そういう考え方にならざるを得ないのかもしれませんね。
「BAD BOYS J」で見せつけたように、橋本奈々未は、自分が何を要求されているのかを理解する能力が図抜けてます。「君の名は希望」初回限定版DVDに収録されたミュージックビデオを作った山下敦弘監督も、彼女を「何か考えているひと」と評して、この能力を指摘しています。
乃木坂メンバーでは、生田絵梨花も、何が求められているかを瞬時に感じ取って、的確に返していく能力は、桁違いのものを持ってます。「16人のプリンシパル deux」で、この二人が、圧倒的な強さで、第二幕出演スコアの一位と二位を獲得したことを考えると、舞台演劇というジャンルでは、とくに、この「状況判断力」が重要なのかもしれません。
こういった「状況判断力」は「演技力」の一つで、橋本さんと生田さんは、間違いなく、優れた「演技力」を持っていると言えますが、もう一人、別のタイプの「演技力」を持ってるメンバーが乃木坂にいます。
星野みなみです。
「君の名は希望」初回限定版収録の個人PV「私の中のモンスター」の冒頭に、星野さんが制服姿で、校庭のグラウンドに一人佇んでいるシーンがあります。
彼女は、ただ立っているだけですが、これから、この少女をめぐる何か魅力的な物語が始まるんだな、という雰囲気が画面全体を覆い尽くしています。冒頭に紹介した榎木孝明さんと同じく、とてつもないオーラを放って、観ている側を、星野みなみの物語に、ぐいぐい引き込んでいきます。
橋本、生田と種類は違いますが、これも「演技力」の一つで、星野さんは、その能力が図抜けています。
彼女の場合は、あまりにも物語イメージの供給力が強すぎて、「BAD BOYS J」の「久美」のような脇役的ヒロインを、橋本さんのように上手く演じるのは、今のところは、ちょっと難しいかもしれません。徹底的な主役ヒロイン、最初から最後まで星野みなみ、みなみを絶賛しなさ~い、でなければ、出て行きなさ~い、的な世界観になっちゃいそうで(笑)。
しかし、星野さんは、自分をプロデュースすることに関して、天才的なセンスを持っています。ドラマの場数を踏んで、現場の経験を積めば、自らの発する強烈なオーラを、状況に合わせてコントロールして、ドラマ全体を輝かせるスキルを体得出来ると思います。
女優を育てるには、それしかないんですが、とにかく、小さな役でも良いので、彼女をドラマに出して、少しでも経験を積んでもらうのが、一番大事なことだと思います。
星野みなみのような、常軌を逸した才能というのは、「諸刃の剣」的な性質があって、
本人にとっても、周りにとっても、扱うのが難しい部分があるとは思いますが、
でも、発する輝きが桁違いで、真の大女優になる素質を持った希少な逸材ですから、
焦ることはないですが、しっかりと育ててあげて欲しいですね。
ところで、7月8日(月)から始まるフジテレビ「SUMMER NUDE」で主役を演じる山下智久君、実は、わたくし、役者として大好きなんですよ(笑)。
堀北真希の出世作となった「野ブタ。をプロデュース」(日本テレビ、2005年)、
名優山崎努との掛け合いが印象的だった「クロサギ」(TBS、2006年)、そして、
長澤まさみと榮倉奈々の魅力を爆発させた「プロポース大作戦」(フジテレビ、2007年)。
山ピーが出たドラマは、どれもドラマとして面白いし、その上、結構、数字を取るんですよ。
彼は、2枚目イメージに、ちょっと情けなくて、ちょっとコミカルなテイストを加えた、2.5枚目の演技が非常に上手い。
それが高視聴率につながっていると思うんですが、日本の俳優で、こういった演技がハイレベルな次元で出来るのは、山下君以外だと、「やまとなでしこ」で大ブレイクした堤真二くらいしか、頭に浮かばないです。
そんなわけで、山下智久の月9ドラマに、橋本奈々未がレギュラー出演というニュースを見たときは、思いっきりテンションが上がって、嬉しかったですね。
もし、視聴率が15%を越えるようなドラマになったら、橋本さん、多分、生活が変わりますよ。
今までのように、一人で街に出て、気軽にショッピングするのは、だんだん難しくなっていくかもしれません。
人気が上がっていくと、自由が少なくなっていく。
女優として良い仕事をすれば、握手会人気が伸び悩む。
何かを得れば、何かを失う。
それが、この世界を支配する法則なんでしょうか。
だとすれば、しょっぱい話ですね(笑)。
お知らせ!
今夜、東京ドームで社会人アメフトの試合イベントに乃木坂46が出演します。
CD選抜の経験がない、斎藤ちはると川後陽菜が特別選抜で、初めて檜舞台に立ちます。
大変に貴重なライブになるのは間違いなくて、ファンは、もう必見です!(笑)
開場17:00、キックオフ19:00で、
乃木坂はハーフタイムショーに、100人以上のチアリーダーと一緒に出るみたいですよ。
お時間のある方は、行かれてみてはいかがでしょう。
公式サイトでの告知
# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
// 関連記事
乃木坂の風 23Jun13#2 ~ 祝!橋本奈々未、月9ドラマにレギュラー出演!
乃木坂の風 23Jun13 ~ 「孤独なLover」が「ガールズルール」を上回っている?
乃木坂の風 15Jun13 ~ 「世界で一番 孤独なLover」のMVは傑作
乃木坂の風 26May13 ~ すごいぞ、橋本奈々未!6thのヒットが見えてきた!
# アレチの素敵な乃木坂業務連絡 15May13 ~ 関連記事の目次 (2013/04/19 ~)
すべての乃木坂関連記事について、目次ページを作りましたので、よろしければどうぞご覧下さい。
「乃木坂各論」
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
乃木坂各論第2話、若月佑美 ~ 相克の美少女アーティスト
乃木坂各論第1話、生田絵梨花 ~ 天才少女がやって来た!
// 見なきゃ損だと思う乃木坂メンバーのブログ
6月24日00:00付斎藤ちはるのブログ
斎藤さんもCD選抜経験ゼロですが、社会人アメフトの試合イベントに、初めて特別選抜として参加します。その喜びと緊張が伝わってきます。お父さんについての情報は、初めて知りましたが、ちょっと驚きました。
6月23日22:48付川後陽菜のブログ
川後さんは福岡出身で、7月2日に、乃木坂46の日テレ「NOGIBINGO」と一緒に始まる、HKTの「トンコツ魔法少女学院」に、自分を出せと主張してます(笑)。
あと、彼女は、CD選抜の経験がないのですが、東京ドームでの社会人アメフトの試合イベントに、初めて特別選抜として参加する予定で、そのことにも触れてます。
6月23日16:00付生駒里奈のブログ
「BAD BOYS J」の最終回に、特別出演した話が載ってます。あと、白い制服姿の自分撮りが、超ウルトラ美少女で可愛いです。
まずこんなちんちくりんを出して頂いて本当にありがとうこざいます!
ん~、これだけの美貌を持っていて、なぜに自信が持てないんでしょうね、いこまちゃんは。正直、不思議です。まあ、周りに美人が多すぎるのは、同情の余地がありますが(笑)。
6月21日22:06付橋本奈々未のブログ
この記事、橋本さんと卒業した安藤美雲さんの関係について、興味深い話が満載です。あと、花のJDななみん、気持ちにゆとりが出来てきたのか、文章が楽しくて、可愛いです。ちょっと意外っす(笑)。
ところで、一番暗いのって、真夜中だよね、地球は丸いから(笑)。一番暗かったら、夜明けは、まだ随分と先の話っすよ。
6月17日付星野みなみのブログ
掲載された4枚の写真は、二ヶ月のブランクなど吹き飛ばします。とくに一枚目は、星野さん、大人の魅力が入った超美人の表情を見せてます。
ところで、これらの写真には安藤さんが写っていますが、7月以降、どうなるんでしょう?安藤さん自身がOKであれば、しばらくは、このままにして欲しいんですが。
# アレチの素敵な乃木坂業務連絡 19Jun13 ~ 気になるブログの目次
アレチボルトが「見なきゃ損だ」と思うブログについて、過去に紹介したブログも含めて、目次ページを作りましたので、よろしければどうぞご覧下さい。
// 星野みなみのコーナー
写真が載っているメンバーブログ
6月17日付星野みなみのブログ
6月16日付安藤美雲のブログ
6月12日付秋元真夏のブログ
6月10日付中田花奈のブログ
このブログでの主な関連記事
乃木坂の風 18Jun13 ~ 祝!星野みなみブログ更新、ダルチェさんモフィを食う勢い?
乃木坂の風 17Jun13 ~ 安藤美雲の輝ける卒業と星野みなみの物語3
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
乃木坂の風 11Jun13 ~ 星野みなみ、中田花奈のブログに登場!そして、指原ファイトだ!
乃木坂の風 01Jun13 ~ 6th新曲、トップ3は「和音」を奏でるか?星野みなみの物語2
乃木坂の風 28May13 ~ ブログを書かなきゃダメですか?やっぱり「みなみ」が好き
乃木坂の風 21May13 ~ アイドルとの「距離」、星野みなみの物語