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「研修など役に立たない」といううぬぼれ

2016年02月10日 | コンサルティング

経営者やコンサルタントの中にはときどき「研修など役に立たない」という言葉を口にする方がいます。「学生じゃあるまいし、お勉強なんかする時間があるなら少しでも仕事をしろ」と。

学生にとって、果たすべき第一の役割は学ぶことであり、社会人にとっては働くことです。学ぶことがインプットならば、働くことはアウトプットと言えます。「学生じゃないんだからインプットは不要」というわけです。

しかし、学生時代に十分に学んだとしても、それだけで社会に出て成果を上げられるわけではないということは、誰もがわかっています。

働いて成果を上げるためには、常に知識やスキルをインプットし続ける必要があります。ですから「研修が役に立たない」というのは、知識やスキルは役に立たないと言っているのに等しいのです。

研修についてはさておき、知識やスキルといったものはなぜそこに「ある」のでしょう。

その理由は、過去に先人たちが失敗や成功を通じて得た記録(記憶ではありません)だからこそ消えて無くならずに「ある」のです。

それはすべての知識について言えることです。たとえどんなに凄い天才であっても、生まれてからたった1人で生きてきたとしたら、普通の小学生のレベルにすら達することができずに一生を終えるでしょう。

「巨人の肩の上に立つ」という言葉があります。

「私たちは巨人の肩の上に乗る小人のようなものだ。私たちが遠くまで見ることができるのは、私たち自身に優れた視力があるからでもなく、ほかの優れた身体的特徴があるからでもなく、ただ彼らの巨大さによって私たちが高く引き上げられているからなのだ。」(12世紀フランスの哲学者、シャルトルのベルナールの言葉と言われています)

巨人とは、先人たちが残してきた膨大な知識を例えて言ったものです。

大げさなようですが、研修で得ることができるものは、まさに巨人の肩の上に立ったときに見える風景です。

そんな機会を利用しようとしないのは、先人たちに失礼ですし、何よりももったいないことではないでしょうか。

「研修など役に立たない」というのは、自分の身の丈がよほど大きいとうぬぼれているようなものです。

(人材育成社)

 


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