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記録できる人 できない人

2015年10月07日 | コンサルティング

時々、仕事の打ち合わせの場にペンもノートも持たず、身一つで現れる人に出会うことがあります。

「何も記録をとらなくても、大丈夫なのかな?」と心配になりますし、状況によって後で議事録を作成して、内容を確認してもらうこともあります。

 弊社が担当する研修では、研修内容に沿ってテキストを提供しているのですが、こちらが話している内容をテキストの余白に細かくメモをする受講者がいる一方で、ほとんど何の記録もとらない人もいます。

もちろん、一概に記録をとる人が立派で、記録をとらない人がいけないということではないのですが、最近、記録をとらない人を見ていて、「もしかすると、記録することは誰にでも簡単にできるものではないのかもしれない」と考えるようになりました。

つまり、記録をとるという行為はスキルの1つであり、そのスキルを獲得していない人には簡単なことではないのではないかと思うのです。

 最近よく、「○○力」という言葉が流行っています。私は、名詞に「力」という語を付けると、意味が曖昧模糊となってしまうことが多いので、何でもかんでも「力」をつけるのは良くないと考えているのですが、記録することについては「記録力」というスキルなのではないかと思っています。

 記録するということは、例えば人の話を聴いたらその内容を一旦自分にインプットし、よく咀嚼して、その後アウトプットする行為だと思います。

したがって、他者の話を受け身で聞いているだけではなかなか話のポイントが見えてこず、きちんとしたインプットも(咀嚼も)アウトプットもできません。一所懸命に話を聞くことでインプットができ、中身を咀嚼することで話のポイントが見えてきて、その結果きちんとしたアウトプットができるということだと思います。

この意味で、例えば講師が板書したものを単にそのまま書き写すのでなく、自分なりの疑問点や気が付いたことなどをあわせて記録に残すことが大切だと思います。

 また、研修で講師をしていてよく感じるのは、メモを一所懸命にとっている人の方が概ね理解度が高いということです。メモを取らない人は、講義の後に確認の意味で行う演習の時間になると、既に説明した内容を質問してきたり慌ててテキストを読み返したり、全くピントはずれのことを行なうことが多いのですが、これも記録をとることの大切さを表しているものと思います。

 さらには、記録をとることには、相対して話し合いをしている相手に、自分の話を大切に扱ってくれているという非言語メッセージを届けることができるという効果もあると考えています。

 私はこのブログを書く時に、いつも文章を書くことの難しさを実感しているのですが、このように記録をすることは文章を書くことと同様に、意識的に身につけようとしないと簡単には身に着くものではない、とても大切なスキルなのではないかと改めて考えています。

 弊社では、新入社員研修の時に上司や先輩から話を聞いたり指示をされたら、「必ずメモを取りましょう」という話を必ずしているのですが、上記のように記録をとることの大切さは新入社員に限ったことではないと思うのです。

 いかがですか、皆さんも意識して「記録する」ことを行ってみませんか。

(人材育成社)


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