小説を読んでいる、上下二冊組の単行本
舞踊の先生が届けてくれた「yottin、この小説はたぶんあなた向きと思うから
読んで見る」とか言ってくれたのだと思う
その時は大姉御3人に囲まれて、唯一人日本酒を飲んでいたので、はっきりとは
覚えていないのだ
舞踊の先生はただ者では無い、若い頃は保母さん~園長さんまでやっていたようで
幼い頃のわが女房殿もそこの園児だったとか、その頃から女房殿は物怖じしない
腕白娘だったと聞かせてくれた
その後生保のセールスレディを経て、高級着物などのチェーン店の店長として
最高のセールスを成し遂げた凄腕
高齢の部に入っても「あれは女親分だ」と友だちが陰口する程、未だにど迫力ある
その方が一回りも若い私を気に入って可愛がってくださる、同じ干支なので・・・か?
気も合うし、話しも合う、とにかく先生とよばれる方だけにお話好きで上手だ
携帯なんかをかけると油断すると30分は捕まってしまう
そんな方が届けてくださった小説は、作者に興味ない私は誰の小説か未だに知らない
タイトルもうろ覚えだが「森の中の海」ではなかったろうか
神戸地震に遭遇して家が破壊されたことで夫の浮気がわかり、二重のショックなのに
相手の資産家女性は既に妊娠していて夫は離婚再婚を決めていたところまで発展
二人は結婚前から交際があったらしく、姑も浮気相手との結婚に大乗り気だと知って
茫然自失
元気で明るい妹の家に子供と一緒に世話になり、少しずつ心の整理がついてくるのだった
思わぬ遺産が彼女に舞い込んでくる、舞台は奥飛騨へと移っていく・・・・
まあここまで読み終えたわけで、なかなか展開が早くて今後が期待出来るのです
私の読書は合間読書なので、一日10ページ程度、鈍牛のようです
まあ新聞小説を読んでいると思えば、それでも結構楽しめます
もっともこれだけでなく併読しています
「武士の起源」を徹底的に追求している研究書、多くの古文書を解読駆使して書かれている
大化の改新以前から調査は始まり、天皇、藤原氏、有力豪族、地方の豪族、国司、地頭
武士に変化していくのはどれなのか?どのように変化していくのかを詳しく書いていく
「川中島の戦い」、小説ではありません,どちらかと言えば歴史研究書
どういう時代背景があって川中島の決戦が5回にわたって行われたのかという疑問を
解剖している興味深い資料です、とにかく資料が多い
各地の有力武将の領土で起きた饑饉、天災、一揆など時系列で書き連ねてある
そしてどのタイミングで敵地へ攻め込んでいくのか、それらが併記されていて
(なるほど、こうして戦が起こるのか)と納得させてもらえる
「仏教入門」これは読み始めたばかりで、自分を磨くのに良いかもと思って読み始めました
「夢中問答集」夢窓国師の禅問答集、なかなか難解で停滞中
「足軽たちの戦場」華々しい活躍の戦国武将ではなく、それらの武将に従って戦場を渡り歩く
足軽達の活き活きとした生活が浮かびあがる
渡り中間(ちゅうげん)裏切りなんて感覚はない、条件が良ければすぐにトラバーユ
敵だ味方だなんて感覚は持ち合わせていないから、敵方の足軽の賭場にも平気で出入りする輩
命がけの戦争に駆り出されての役得は「人獲り」と「強奪」「女性に対する狼藉」
「これがなくちゃやってられっかい!」というセリフが聞こえてくるような気がする
これは「武士の起源」とも共通する部分が多々出てくるので面白い
若い頃は一日で一冊読むこともあったけど、老眼が入ってきてからはちょっと読書も
おっくうになった、でも読み出すと止まらないのは、やはり根本が読書好きだからですね
いよいよ私の新年会も佳境に入って、この5日間に4日新年会参加
今夜が4連戦最終日で『地酒の新酒を味わう会」ということで、まさに酒のイベント
最後を飾るに相応しい、もっとも一週間後に新年会、そのあと別の地区の
新酒会に参加する、もうしばらくは日本酒浸りである。
先日、新刊書がアマゾンから届き、早速開いて読み出した、すると久しぶりに嗅ぐ
懐かしい香り・・・本の匂いだった
小学校4年生から本格的に読み出した本、小学校の図書館に毎日の様に通った
おどろおどろした「雨月物語」「太平記」、ここから始まった気がする
「のんちゃん雲に乗る」はなぜか懐かしい
やがて痛快な「太閤記」に夢中になり、そのあとは野口英世などの伝記にのめり込んだ
でも手垢の付いた古い図書館の本には本の匂いがない
6年生の時、学校前の本屋へ行ったらずらーっと「徳川家康」「豊臣秀吉」などと言った
漫画日本伝記みたいなシリーズ本が並んでいた、表紙は厚いボール紙で一冊100円が
今も印象に残っている。 漫画雑誌が40円から50円の頃だからそれほど高いとも思わないが
当時の小遣いは1日10円だから手が出るものではなかった
それでも欲しくて、とうとう一冊だけ買った、あのときの新刊の匂いは今も頭に焼き付いている
だけど本の匂いは、そのようなインクの良い匂いだけではない、本そのものの懐かしい想い
思いでの匂いもある
あの匂いがどんな匂いかと聞かれても表現出来ない、それは今でもたまにそよ風のように
一瞬だが頭の中をよぎっていくことがある、290円の新潮社文庫「川端康成」「石原慎太郎」
などの赤い箱に入った全集、あれを買っていた頃にも、その香りがある
同じ全集ながらそれより立派なランク上の全集では嗅げない懐かしい香り
もっと古い時代にもあった
小学校1年の時、引っ越して今の住所にやってきたのだが、30m位のところに同級生の女子
由美子の家があった
近くで同じクラスだったから一緒に帰ってくることが多かった、そんなことで彼女の家に遊びに
行くこともたまにあった
お互い最初の以西の友だちだったのだ。 当時は知らなかったけれど彼女の両親は県職
(地方公務員)で転勤族だったのだ、だから彼女はこの土地で生まれた子ではなかった
そんなことは知るよしもなくいつまでも友だちでいられる気でいたのだった
彼女の家は借家で質素だったが、彼女の部屋はあった、その部屋へ行くと本箱が有り
何冊かの本が置いてあった。
その中の「魔法の絨毯」が私のお気に入りで、貸してもらったこともある
でも2年生の時、突然彼女が転校する事になって先生がお別れを告げて、彼女はみんなの前で
挨拶をした、私はなんとも情けない気持ちになったが彼女に向かって「あかんべい」をした
虚勢を張って見せたのだった
あれ以来60年近く彼女に会ったことがない、お互い白髪の目立つ歳になった、会って話したい
気もあるが、彼女にしてみれば10回近く転校した中の2~3年、まして小学校1年ではほとんど
思い出に残っていないはずだ
でも「魔法の絨毯」のあの懐かしい本の香りは今でも私の心の中に僅かに残っている
「書いてくれ書いてくれ」とせかされる
書き始めると、あなたの言葉は溢れるほどに次々と出てきて、ペンを推し進める
私はあなたの代筆者、ただペンを持って用紙にむかっていれば良い
そうか、ペンも用紙も無かった。 ぼくはキーボードに指を置いていただけ
あなたの言葉が僕の指に、キーボードを叩かせる
止めどなく、休ませもせず、ずっとたたき続ける
でも僕はちっとも疲れないよ、だって僕もこの時間を楽しんでいる
きみは僕の指を使って語る 生前に語ることが無かった言葉を・・・・・
どんどん語って良いんだよ、ぼくが代わりに伝えてあげるから
カフカという人の小説に「変身」というのがある
起きてみたら自分サイズの昆虫に変身していたお話
朝起きたら「**になっていた」というパターンは多い
私は夢の中で「木」に変身したことがある
なぜ木になってしまったんだろう
伏線はある、何の映画かは思い出せないが
自殺した人は「木になる」というのがあって、それが心の奥でとどまっている
私は夢の中で自殺したわけでは無い
人間だったのに、突然「おまえは人間だと思っていたのか」と天の声が
「僕は人間だ」と言いながら、気がつくと僕は木だった
木であるという事実、何が怖いかと言えば自力で動けないということ
それから顔も手も足も何も無い、ところが心はあるんだ
考えているんだ、何をって?(自分が木だってことを)不思議だろ
木なのに、考えているんだ、でも木も花も、いきものだって、それだったら心があったっていい
オズの魔法使いのブリキだって、かかしだって心や脳があったんだから
でも木は木で、人間じゃ無い 心はあっても動けない、恋愛も出来ない、食べることも出来ない
どうせ変身出来るなら、食べたいものをどれだけ食べても、満腹もせず、太りもせず、病気にもならない
そんな人に変身したい