かぶれの世界(新)

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歴史の転換点のシフト

2018-08-19 19:17:30 | ニュース
最近になって私の歴史を見る目は大きく揺れ始めた。その原因は、間違いないと思っていた時代を区切る歴史の転換点が急に曖昧になって来たと感じ始めたからだ。

歴史は終わらなかった
極端に言えば教科書に書かれている歴史の転換点は(誰でも)後から言えること、その時代に生きていると(殆どの人は)今がどういう時なのか分からない。有名な政治学者Fフクヤマは1989年の冷戦終結を自由民主主義が勝利した「歴史の終わり」を発表しベストセラーになったが、歴史は終わらなかった。蛇足ながら、外れたにも拘らず幸か不幸か未だに彼は何度も引用される。

現実は歴史はもっとダイナミックに展開した。世界規模でグロバリゼーションが進み、リーマンショックを経て世界経済回復の過程で、自由民主主義に代わって開発独裁の中国がより効率の良い経済システムとして浮上した。言い換えると第2次世界大戦後に米国がリーダーとなって繁栄してきた民主資本主義が挑戦を受け、最強のシステムか問われて流動化しつつあるのが現状だ。

この点に関して中国は巧妙に立ち回っている。米国を大きく上回る自国市場の潜在的な大きさをエサにして群がる先進国の技術を公開させ自国企業を優遇して世界企業を育てた。一方で新興国には非民主主義的な政治体制と債務状況をを問わず資金を貸し付け支持を取り付ける。急増する債務超過の強権国は中国の支援の賜物だ。

国民の金を使って貧富を拡大した転換点
この仮説に従えば、「トランプ大統領の滅茶苦茶な政治が引き起こした大混乱は、世界の大きな流れの中で起こった典型例の一つという役回りに過ぎない」と言えなくもない。大きな流れとはリーマンショック後各国が国(民)の金をはたいてとった対策は、金持ちの上澄層を益々富ませただけで残りの国民を置き去りにし、結果として貧富の格差を大きく拡大させた。

多くの国で人々はこの結果に怒り民主的に選んだ政府に対する信頼を無くし、いわゆるポピュリズム化が進み各国で難民受入れ反対し米国の様な自国優先政府あるいは強権的な政府が誕生した。米国かぶれの私はトランプ大統領の出現とその後のハチャメチャぶりにショックを受けたが、実は世界的な現象の一つとして捉えると多少は冷静に受け止められる気がする。

中間選挙の戦いが変質?
トランプ大統領が最も気にしていると言われる中間選挙は、「共和党対民主党の戦い」から「既存体制とポピュリズムの戦い」に変質してきているとの見方が出て来ている。民主党内の勢力争いで有力候補サンダース議員のように社会主義者と名乗る候補者が出て来て多数派になる可能性が出て来たという。つまり共和民主両党共にポピュリズム同士の戦いになる可能性が出て来た。その延長線上で大統領が変わってもどっちもどっちになるかも。

そうなったとしても元を辿れば転換点は実はリーマンショックだということになるが、その兆しは今振り返れば「歴史の終わり」だったかもしれないと今思う。というのは丁度その頃に会社の管理職になった私は、グローバリゼーションの一つの具体的なきっかけになった「アウトソーシング」に直面し、その対応の一環として数年後に米国で働くことになった。

このシナリオが正しいかどうかは別として、このような流れの中で私も手足となって働く(というか漂流したというべきかも)一員だったと実感する。この仮説に基づく歴史の転換点のシフトは、人生の中で初めて歴史の出来事と私事が重なり、私が歴史の中で生きていたと感じるシナリオだ。■
コメント
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