マジカル・ミスってるツアー

MMT社
猫と水どうとするめイカ面達との非常識の中の常識的日常

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 その2

2013-04-19 09:34:47 | 映画・本・DVD・CD他
やはり、再読してみて[雑]という一回目の印象を確認した感じ。

つくるが4人から別離を言い渡された原因が、あたまりドン引き。

いつもの害われた女性が登場する事は、「ヨシ」としてもだ、それをつくるに押し付けてしまう件に面白さはない。

ましてその原因を追求する様に仕向けたのが、これまた、身分が曖昧な沙羅女史。

彼女の言葉で、何故今になって理由を探す旅にでるのか?

つくるを動かせた気持ちに共感するには、説明が薄遇過ぎる。

どう読んでも、短編として書いた小説を、一気に鍋に投入し、とり合えず春樹万能調味料を振り掛けて、まあ美味しいんじゃない・・?程度にした作品であった。

短編集として、赤・青・黒・白・灰・緑・・・つくる・駅・6本指・だったら、納得できる面白い本になったと思う。

それから、いつもの様に、分厚い上・中・下巻の小説にしたら良かったのになあ。

その位は、春樹ファンは何時までも、待っているよ。

でなきゃ、[色彩を持たない多田つくると彼巡礼の年2]を書いて下さい。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ごちゃごちゃのお返事 2 (yo-ちん)
2013-04-19 16:26:19
あのね、最近、アメリカの刑事ドラマや犯罪推理ドラマなどをひんぱんに見るんですけど、そのどれもが、まるで大岡越前や水戸黄門のように、主役がじわじわと犯人を追い詰めて行って、ラストでちゃんと犯人をつかまえてめでたしめでたし・・たとえその回で犯人検挙とはならなくても、伏線として、その犯人の存在は濃厚にあり、また続きのどこかの回で必ず登場し、つながっていって解決する。
SF調のドラマでも、謎の時空間はあっち側か、こっち側かに限定されて、悪者もそのどっちかに必ずいる。
しかし、春樹さんのこの小説では、そういうお約束がことごとくあてはまらないし、この1冊の物語では、あの人もこの人も、あっちでもこっちでもなく、「どっか」・・に行っちゃったまま宙ぶらりんなので、あっという間に読んだはいいが、とても落ち着かない気分なのよね。
ちょうど、ものすごく遅ればせながら最近読んだ「共喰い」・・これも題材としては男女の人間関係、性関係について書かれた小説なのですが、対比するモノも生々しくてすごくリアルだったり、登場人物が、つくるよりずっと悲惨な状況なのに、どこにも行かないで、みな、そこにいて、そこできちんと終わっていくよね。
でも、だからと言って、どっちが好きか?と聞かれれば、春樹さんの小説の方が好きで、それは、描写がおどろどろしくなくて、比喩を用いた春樹さんならではの文体が好きっていうのと、きっとその謎を残して失踪した登場人物のことを空想するのが好きだからなのかもしれないな。春樹さんの今回の話も、つくるが置かれた状況、心の傷は悲惨なのだけど、なぜか、共感しながら読んでしまうのよ。
誰でも、そういった理不尽な人間関係の終焉と喪失ってあるなあ~って。
映像では頭使わずに、わかりやすい内容の方が見やすいけど、小説は、田舎の村の年寄と物の怪のリアルな話とかよりも、春樹さんの奇想天外な話がどうしてかわからないけど、好きなんです。
思うに、人って年相応に円熟、老成していく人と、何年経っても、16歳か17歳のまま、っていう人がいると思うんだけど、春樹さんも私も16歳のままタイプ(同列かよ?!)
そして、多分、ふたりとも内面は現実の薄っぺらなものではなく、ブラックホールのようでありたいと思ってる(まだ同列?!!)
人って皆、過去に何かつらいことがあって、どうしてなんだろうって思い返すことがあるのかな。春樹さんもあるのかな。
ma-ちんが言うように、だからといって、なんで沙羅女史にちょっと肩を押してもらっただけで、行動に移すことになるか私も疑問だけど、動けるようになるまで、それだけの時間が必要だったのかな~などと考えてました。
結局、絶縁された後で皆に会ってみると、みんな、つくるのことが好きだったよね。みんな好きだったのに、そのことに気付かなかったつくるに、それぞれが牽制し合って、誰もつくるに寄り添うことは出来なかった以上に、みんなで平等に、つくるのことを見切りを付けてあきらめたのかな~とか、
それにしても、4人、いや灰田も含めると5人ともいっさい説明なしに、つくるとの関係を断ち切るっていったいなぜ?人間ってほんとに残酷、薄情、無情、無常・・・。
でも、傷つきやすい十代、二十代のピュア過ぎる年代を越えて、年を重ねていくと、図太くなっていくのかな~。
つくるも、沙羅さんが男と歩いてたところを偶然見て、傷付きはしたけど、ちゃんと沙羅さんに、中年の男を目撃したことについて、言えたよね。

ma-ちんの赤・青・黒・白・灰・緑・・・つくる・駅・6本指・・は凄い!明快!(拍手!!)と思った!
6本めの指として切り落とされたのは、灰田?
5人に切り離されたのは6本目のつくる?うーーん、この小説だけじゃ、わかんない!
待ってました~っていう春樹さんの小説、ほんと、【世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド】みたいにその世界にひたって夢中になってもっといっぱい読みたいです~。

「人間の自由意思というのは、いったいどれほどの価値を持つのだろう?」
うーーん、深い難しい命題だ~~。きっとカルトやいろんな人災・天災があって、その中での自分っていうのを問われてるるんだろうな~~。
まだまだだな、自分。16歳どころじゃなく、さらに退化のおそれあり。
返信する
魅力を伝えきれない女性達 (maーちん)
2013-04-19 17:32:56
今までの物語で色々な人達の発する言葉に、後押しされ行動を起こしてきた主人公達。
でも影響を与えた人間の描写が丁寧に描かれていて、あーこの人に言われたら動かない訳にはいかなあな、と納得してきた。
しかし今回の紗羅さんや黒の情報があまりに少な過ぎる。
そして決定的に不親切な部分は、白の事が第一人称で語られいない事。
これでは、私のアタマでは、想像が膨らまない。
返信する

コメントを投稿