食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

コロンブスの卵の裏話

2018-07-20 12:04:47 | 日記

 1492年にアメリカ大陸を発見したコロンブス。それを祝う晩餐会で「あなたが行かなくても誰かが発見した」と、ある人が言い放った皮肉に対して、「この卵をテーブルに立てられる人はいますか?」とコロンブスが切り返した有名な逸話。コロンブスの卵ですね。誰もができることでも最初にするのが難しい、という意味で使われております。実はこの話、後世にイタリアの作家ベンゾーニがコロンブスの偉業を脚色するために書いた作り話だと言われております。さらに、裏話がありまして、「コロンブスの卵」の元になったのがコロンブスと同時代のイタリア人建築家フィリッポ・ブルネレスキの話です。ある寺院を建築するにあたり、ブルネレスキは図面も模型も見せずに、「私に建築させてください」と提案します。当然、他の建築家たちは猛反対。そこで彼は「大理石の上に卵を立てた人に任せてはどうか?」と問いかけました。誰一人卵を立てることができません。ブルネレスキは卵の底を潰して立てました。全員が「卑怯だ!そんなことすれば立つのが当然じゃないか!」と彼に対して非難ごうごうの中、ブルネレスキは「最初にやるのが難しい、もし図面を見せたらあなた達はマネするでしょう?」と切り返したのです。 さしずめ、コロンブスの卵、ではなく、ブルネレスキの卵、といったところでしょうか。


サランラップのお話

2018-07-20 11:07:05 | 日記

毎日、暑い日が続きます。サランラップの話でもお聞きください。暑さが増してしまったらすみません~  第二次世界大戦中、蚊に悩まされている兵士を救おうと、蚊帳のようなものを作れないかと考えた方がおります。アメリカの2人の技術者ラドウィックとアイアンズです。苦労の末、ラップフィルムを開発するのですが、それは、さらに進化して、銃や弾薬を湿気から守るための包装フィルムとしても使用されるようになります。戦場において、このラップフィルムは大活躍をするのですが、戦争が終わるとパタッと需要がなくなってしまいました。 当時の感覚では、日常品として使用できるものではないと捉えられていたからです。何とか、ラップフィルムを役立てる方法はないものか?と2人の技術者が使い道を模索していたある日のことです。お互いが奥さんを連れてピクニックに出かけました。ラドウィックの奥さんが、バスケットからレタスを取り出します。そのレタスに夫が作っていたラップフィルムが包まれていたのです。夫2人はそれを見てビックリ、なんと、レタスがみずみずしさを保っているではありませんか。やがて、このラップフィルムが評判になってゆきます。「すごく便利、食材が長時間鮮度を保っている」人々はこぞってその透明な魔法品を欲しがりました。驚いたラドウィックとアイアンズは、翌日その旨を上司に報告します。そして、「クリング・ラップ・カンパニー」という会社を設立します。紙管にフィルムを巻き付けて箱詰めし、めでたく第1号が完成するに至ります。このラップフィルムは、ラドウィックとアイアンズの妻「サラ(Sarah)」と「アン(Ann)」にちなんで、サランラップと名付けられたのです。

めでたし、めでたし。