食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

オルロフのダイヤモンド

2018-07-17 08:54:08 | 日記

先日、第7回 Cwave「野村洋文と森下真紀の今宵もdeワイントーク」の冒頭トークでもお話しましたが、「オルロフのダイヤモンド」をご存知でしょうか? 現在、ロシアのクレムリン博物館にある呪いのダイヤモンドのことです。最初の所持者はムガール帝国のシャー・ジャハーンでした。かの、タージ・マハルを建てた皇帝です。彼は、三男に幽閉され寂しい生涯を終えました。その後、フランス人兵士がダイヤモンドを盗み、イギリス人船長に売るのですが、両者ともども、破産して狂い死にしてしまいます。さらに、いろいろな人の手に渡り、最終的にロシアの貴族オルロフが掌中にしました。彼はエカテリーナⅡ世の愛人でして、それを彼女にプレゼントします。エカテリーナⅡ世はたいそうに喜び、「オルロフのダイヤモンド」と名付け、大切に保管しました。しかし、オルロフの他にも愛人を幾人もつくり、やがて、彼に対する愛情は薄れてゆきます。寂しいかな、オルロフは破産し、「ダイヤの呪いだ」と叫び死んでいったと言われております。エカテリーナⅡ世の愛人たちも、その大半が不可解な死をとげ、やがて、言わずもがな、ロシア革命が起こり、皇帝一族はすべて死刑にされてしまいますね。今でも、クレムリン博物館に、その歴史をあざ笑うように、「オルロフのダイヤモンド」は静かに輝いているそうです。