イギリスとフランスとの間で行われた百年戦争。ドーバー海峡に面したフランスのカレーという都市は、イギリス軍の攻囲戦に疲れ、ついに落城しました。このもと、イギリスのエドワード3世はカレー市民の皆殺しを要求しましたが、結局6人の名士が人質となることで残る市民の命は救われました。上野の西洋美術館の庭に、この事件をモチーフとしたロダンの彫刻、「カレーの市民」が展示されています。 先日、ル・コルビジュエの設計による、西洋美術館が世界遺産に登録されました。僕だけがもつ疑問なのかもしれませんが、世界には世界遺産が多すぎはしないでしょうか。毎年、いくつもの世界遺産が加わっていきます。今後さらに世界遺産は登録され増え続けていくでしょう。いずれ、旅行で行く先々に世界遺産を散見するようになると思います。エジプトのピラミッドや、ペルーのマチュピチュなどのキングオブ世界遺産と、相当な歴史好きでも知らないような遺跡、建造物が世界遺産として同じに位置づけられることには少々肌触りの悪さを感じます。