「だけどなんでトイピアノなの?」
とまたしても夫の「音楽的」質問が飛んできた。
「バイオリンの伴奏なら、アコーディオンのほうが音量も音域も合うと思うな」
うーんこのような質問で、彼を納得させる答えを見出すのは、クラシックイタチには至難の業に違いない。
そこで、よーく考えてみた。クラシックイタチの言い分は、こうだ。
アコーディオンは「気」の楽器、笛の精こと金子鉄心さん流に言えば「ふいご」の楽器である。あれがなり出した途端に、そもそも、私たちはある音楽ジャンルを想起する。タンゴとか、ラテンとか、ジプシーとか、アイリッシュとか。私がやりたいのは、こういうことではないのである。それに……この手の音楽は、ことほど左様な金子さんのように、天性に演奏家でないと務まらないではありませんか。そういうのとは遠く離れて、ちょっとでも難しいことをしようとすると、音が濁って美しくないような、そういうのが似合うのがトイピアノなんである。
では、ホンキートンクピアノとどう違うのか。といえば、クラシックイタチが思うには、ジャズとかニューオリンズとかがかすかにでも香らないのが、トイピアノなんである。むしろウィーンとか、シベリアとかがかすかに脳裏をかすめるのだ。日本の例ならば、湯山 昭『お菓子の世界 改訂版 (楽譜)』なんかがいいですねえ、なのである。
いや、でもさ、純粋にクラシックってわけじゃないんだよね?
まだ問われてはいないけれども、この質問にも答えられなければならぬ。確かに、純然とクラシックならば、ピアノがよいに決まっている。よいグランド。これに限る。だからまったくクラシックということではないに違いない。「開かれたクラシック」よりもさらに、何か別の要素──たとえばコドモの世界とか、サティ的「家具」とか、BGM的なアンビエントな何かとか──を積極的に加えたものでなければならない。
だから、それは、どういうものよ?
ということを考えていて、はた、とクラシックイタチは気づいたのである。
そうかYoutubeに聞こう!
[トイピアノ最新事情 大特集]
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とまたしても夫の「音楽的」質問が飛んできた。
「バイオリンの伴奏なら、アコーディオンのほうが音量も音域も合うと思うな」
うーんこのような質問で、彼を納得させる答えを見出すのは、クラシックイタチには至難の業に違いない。
そこで、よーく考えてみた。クラシックイタチの言い分は、こうだ。
アコーディオンは「気」の楽器、笛の精こと金子鉄心さん流に言えば「ふいご」の楽器である。あれがなり出した途端に、そもそも、私たちはある音楽ジャンルを想起する。タンゴとか、ラテンとか、ジプシーとか、アイリッシュとか。私がやりたいのは、こういうことではないのである。それに……この手の音楽は、ことほど左様な金子さんのように、天性に演奏家でないと務まらないではありませんか。そういうのとは遠く離れて、ちょっとでも難しいことをしようとすると、音が濁って美しくないような、そういうのが似合うのがトイピアノなんである。
では、ホンキートンクピアノとどう違うのか。といえば、クラシックイタチが思うには、ジャズとかニューオリンズとかがかすかにでも香らないのが、トイピアノなんである。むしろウィーンとか、シベリアとかがかすかに脳裏をかすめるのだ。日本の例ならば、湯山 昭『お菓子の世界 改訂版 (楽譜)』なんかがいいですねえ、なのである。
いや、でもさ、純粋にクラシックってわけじゃないんだよね?
まだ問われてはいないけれども、この質問にも答えられなければならぬ。確かに、純然とクラシックならば、ピアノがよいに決まっている。よいグランド。これに限る。だからまったくクラシックということではないに違いない。「開かれたクラシック」よりもさらに、何か別の要素──たとえばコドモの世界とか、サティ的「家具」とか、BGM的なアンビエントな何かとか──を積極的に加えたものでなければならない。
だから、それは、どういうものよ?
ということを考えていて、はた、とクラシックイタチは気づいたのである。
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