春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「なずな粥」

2017-01-07 00:00:01 | エッセイ、コラム
20170107
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記1月(4)薺粥


(静岡上空の富士20160131)

・西空に小さくとがる七日富士(春庭)

・人日や鏡の中の老婆、誰(春庭)
 あらまあ、この老け顔、わたしだよ。しばらく鏡見ることもしないでいたら、いつのまに。

・貧の日々母娘寄り添う薺粥(春庭)

 「子どもの貧困」が話題になることも多くなりました。
 我が家、日本中がバブル景気で浮かれている頃、親子で食うや食わずの生活をおくりました。娘にはそれがトラウマとなっていて、今も、冷蔵庫にぎっしり食品がつまっていないと不安に感じるという。湊かなえ原作のドラマ『Nのために』を見たとき、主人公の女性がやはり冷蔵庫に食べ物をぎっしり詰めておかないと不安になるようすを見て「あ、おんなじ」と、言っていました。

 娘と食べていくために、奨学金をもらうことを思いついて、娘が2歳のとき、近所の大学に入学しました。貧乏ゆえ授業料は免除になり、奨学金で生き伸びました。
 その奨学金、半分くらいようよう返したけれど、余裕がないままずっと返せないでいたら、利子ばかり増えました。無利子の育英奨学金だったのに、育英会は奨学金返済事業を金融会社に丸投げしたため、金融会社の設定した「延滞金」がふくれあがり、なかなか完済とならなかったのです。育英会に借りた金額を育英会に返済するのは仕方ないと思うけれど、金融会社に借金証書を売り飛ばしたりするとは思いませんでした。

 2016年12月。学部と修士課程で6年間借りた育英奨学金をようやく返済しました。夫が肩代わり返済したのです。金融会社から、これ以上払わないなら、裁判所からの呼び出しが来て差し押さえになるぞ、という脅し電話がきたので、夫に「借りたもん返せよ、ゆーてきとる」と話しました。そもそも母と子の生活費に使った奨学金だもの、今まで、スズメの涙からすこしずつ返済してきた私も、さすがに「子ども達の生活費で借りたんだから、あんたも、ちょっとは返済せーや」という気になりました。ひとりでがんばるの、もう疲れた。

 26年目の完済です。「完済証明書」というのが送られてきました。無利子のはずで借りた額を育英会に返済するのは納得できるけれど、借りた額よりも、育英会から返済業務請け負った金融会社に支払った延滞金のほうが多い気がする。
  
 今後、貸し付けではなく返済義務のない給与の奨学金制度が始まるのだとか。学ぶ意欲のある人が学ぶ機会をえられますように。
 子どもがちゃんとご飯が食べられるように、「こども食堂」などの制度が、今のように人々の善意によってかつかつ運営されるのではなく、きちんと補助金も出るような制度をととのえてほしい。
 
 高齢者とは75歳から、という方針が出されました。いよいよ、年金支給年齢を遅らせていく準備にとりかかったみたいです。
 私は国民年金じゃ食べていけないから働くけれど、18歳から50年間も働き続けて、まだ働くのかと思うと、しんどいしんどい。と、またしても新年早々の貧乏話で辛気くさいことでした。
 
 ちょっとは景気のいい句でおひらきにしましょう。

・鷽替えて宝の山にめぐり逢う(春庭)

 夫が買ってきた宝くじ、「7億円当たっても、僕いらないから、全部独り占めしていいよ」とワタされたのだけれど、10枚のうち末等300円あたりました。独り占めします。あれま、やっぱり景気よくならないな。

・七草を食べて明日を信じけり(春庭)

<つづく>
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする