■いずまい展 隣のなんたら君 （5月3日で終了）

　
　「ミカミイズミ」さんと「スギモトマイ」さんの2人展なので「いずまい」展らしい。
　ふたりは道都大中島ゼミの卒業生で、ミカミさんはゼミの講師でもあります。

　今回は版画やイラストはなく、テキスタイルだけの展覧会でした。

　ミカミさんはクマがお好きなようです。
（しかし、彼女のマンガ「ワラビモ」の主人公のように、デブ専というわけではない）
　今回は、黒地に白いクマが並んでいます。型染めです。
　ただし、ふつうの型染めと異なるのは、おなじ型を、向きを変えて何度もひとつの布の中で繰り返し用いていることです。しかも、場所によって、型の一部をふさいでいます。




　ごらんのように、クマでありながら、各部分はクマではない絵からなっています。
　前述したように、型の一部をふさいでいるので、厳密な反復にはなっていないのがミソです。
　小さな型をくりかえし使えば労力の軽減になるはずですが、ふさぐ作業があったのでかえってタイヘンになったようでした。


　　　　　　　　　　

　他の作品も、型染めに用いた型が、机の上に載せてありました。
　こちらは、クマとクリオネを合体させた「クマオネ」など。


　　　　　　　　　　

　入口にはミカミさんの幻の名作マンガ「ワラビモ」がならんでいました。

　ギャラリー内で「立ち読み」する人が続出するというめずらしい光景は、三上さんの展覧会ならでは。

　彼女の新作も100円で販売されていました。
　ご本人は「わたしはハッピーエンド主義なんですっ」と力説していまして、たしかに、そうなるようにオトシマエはつけてあるのですが、やっぱり毒のある展開だなあ。ワラビモのようないやしキャラが目立たないぶんだけ、よけいそう思うのでしょうか。




　こちらはスギモトさん。
　会場入り口に近いほうは、わりあい抽象的な作品がならんでいますが、奥にゆくにつれて、キャラクター的な意匠になります。


　　　　　　　　　　

　展覧会タイトルにもなっている「おとなりのなんたら君」の拡大図。
　めがねをかけている人物は、中島先生だといううわさが・・・。


　出品作は次のとおり。
クマつがい　　昨日求婚したんです
富士犬　　鼻低いので息しづらい
ロケットキンチャク　　最前列は最後尾に
ポプラ島　　落雪注意
ひょうたん島　　のぞいてごらん
月目くらべ　　海、どっちですか？
ちどり　　おみやげ買って帰らなきゃね
クマヌラとクマロフィラ　　変態してクマになろう
けものトリオ　　もうそろそろ寝る？
クマオネ　　ハダカカメガイ食べにゆく
プラグマ　　おなからへん見てみなよ
　＝ミカミさん

お向かいさんの芝生
うちのお父さんが
夜の小道
山手町の公園
通りすがりのおばさん
おとなりのチョキチョキズ
お米の国の子
あの家の落ち葉
寒い日の木の実
おとなりのなんたら君
うまくてまずいピカユーン煙草
　＝スギモトさん


2009年4月28日（火）－5月3日（日）10：00－18：30
さいとうギャラリー(中央区南1西3　ラ・ガレリア5階　地図B)


■第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって（2007年）
＝2人とも出品

■IZUMIKU展－三上いずみ・舘内美久（2007年）
■第42回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2006年）
■ワラビモの紹介（2003年）
＝ミカミさん

■道都大学中島ゼミ版's展＠狸小路(2008年7月）
■なべ２５展－道都大学中島ゼミ卒業生による版画・染色の3人展（2008年5月）
＝杉本さん