どうも、同工異曲のグループ展がつづく「たぴお」。
個展の借り手がいないためかもしれないが、ギャラリー存続への、オーナー竹田博さんの執念がつたわってくる。
久保千賀子、斉藤邦彦、杉本昌晴、高坂史彦、竹田博、名畑美由紀、のざわ〓きお、林教司の8氏が出品(〓は「ゆ」の鏡文字)。
グループ展のかまえが似ているからと言って、個々の作品に魅力がないわけではもちろんない。
個人的に気に入っているのが、斉藤さんの作品。
今回は「遭遇」「JAZZ&JAMAICA」「青いブルース」の絵画3点と、パリの空気を再現したインスタレーション「ダイマ」を出品し、元気なところをみせている。
筆者は、斉藤さんの抽象画には、音楽のようなものを感じる。
斉藤さんの作品は、灰色や茶色などの濃淡で画面のベースをかため、青などをアクセント的に配し、さらに、細い直線を縦横に走らせたものが多い。
ここで大事なのは、メーンとなる灰色などが平坦に塗られず、微妙な色の濃淡がなんともいい味をかもしだしていること。
斉藤さんの絵が音楽を奏でているようなのは、そこにかぎがあると思う。
その音楽は、肩肘を張って聴くようなものではなくて、生活の中に在って気楽に聴けるもの。
抽象画なのに親しみやすい絵なのだ。
林さん(岩見沢市栗沢町美流渡)は、たぴおのグループ展にはほとんど皆勤賞ではないだろうか。
一時は変形キャンバスによる展開に意欲を見せたものの、この数カ月は、ほとんどこの「種子」シリーズばかりを発表している。
今回は「種子の為の27ans」。ほかに、紙にアクリル絵の具で彩色したとおぼしき“種子”が4つ。
いずれも、それぞれの種子は、塗りなどが微妙に異なるから、単純な反復には陥っていない。
下に見える小さなオブジェは「8月29日のエイプリルフール」。
久保さんも、ずいぶん精力的に人形を発表しているが、個人的な好みでは、今回のがよかった。
着衣のものよりも、人体をデフォルメしたもののほうが、見る者の想像力を刺戟(しげき)する度合いが大きいせいかもしれない。
高坂さんは、ウサギを主人公にしたポストカードとその原画各5点。いつになくメルヘン路線というか、童話の世界である。
名畑さんは青系の色をオールオーバーに散らした抽象画だ。
07年4月30日(月)-5月5日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館 地図A)
個展の借り手がいないためかもしれないが、ギャラリー存続への、オーナー竹田博さんの執念がつたわってくる。
久保千賀子、斉藤邦彦、杉本昌晴、高坂史彦、竹田博、名畑美由紀、のざわ〓きお、林教司の8氏が出品(〓は「ゆ」の鏡文字)。
グループ展のかまえが似ているからと言って、個々の作品に魅力がないわけではもちろんない。
個人的に気に入っているのが、斉藤さんの作品。
今回は「遭遇」「JAZZ&JAMAICA」「青いブルース」の絵画3点と、パリの空気を再現したインスタレーション「ダイマ」を出品し、元気なところをみせている。
筆者は、斉藤さんの抽象画には、音楽のようなものを感じる。
斉藤さんの作品は、灰色や茶色などの濃淡で画面のベースをかため、青などをアクセント的に配し、さらに、細い直線を縦横に走らせたものが多い。
ここで大事なのは、メーンとなる灰色などが平坦に塗られず、微妙な色の濃淡がなんともいい味をかもしだしていること。
斉藤さんの絵が音楽を奏でているようなのは、そこにかぎがあると思う。
その音楽は、肩肘を張って聴くようなものではなくて、生活の中に在って気楽に聴けるもの。
抽象画なのに親しみやすい絵なのだ。
林さん(岩見沢市栗沢町美流渡)は、たぴおのグループ展にはほとんど皆勤賞ではないだろうか。
一時は変形キャンバスによる展開に意欲を見せたものの、この数カ月は、ほとんどこの「種子」シリーズばかりを発表している。
今回は「種子の為の27ans」。ほかに、紙にアクリル絵の具で彩色したとおぼしき“種子”が4つ。
いずれも、それぞれの種子は、塗りなどが微妙に異なるから、単純な反復には陥っていない。
下に見える小さなオブジェは「8月29日のエイプリルフール」。
久保さんも、ずいぶん精力的に人形を発表しているが、個人的な好みでは、今回のがよかった。
着衣のものよりも、人体をデフォルメしたもののほうが、見る者の想像力を刺戟(しげき)する度合いが大きいせいかもしれない。
高坂さんは、ウサギを主人公にしたポストカードとその原画各5点。いつになくメルヘン路線というか、童話の世界である。
名畑さんは青系の色をオールオーバーに散らした抽象画だ。
07年4月30日(月)-5月5日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館 地図A)