北海道美術ネット別館

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■本田征爾展-幻灯宇宙- (4月30日まで)

2009年04月28日 23時46分20秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 冬の間閉まっていたギャラリー門馬アネックスの再開第一弾は、札幌の本田征爾さんの個展です。
 京都府出身の本田さんはこの時期、大阪の乙画廊とギャラリー門馬アネックスで個展を開くのが恒例となっています。

 本田さんの水彩は非常にユニークで、ことばで説明するのが困難です。
 マグロ調査船に乗っていろいろな海の生き物を見ていることが影響していることは確かですが、それらがそのまま造形化しているわけではありません。
 ご本人も、「そのままにはならないよう気をつけている」と話していました。

 たとえば「move static」。
 両腕のようなものが生えている奇妙な形状の塔から、虹色の泡がぷかぷかと放射されています。空は藍色がにじんでいます。
 「anesthesia ananas」では、まか不思議な生物がゆったりと空中を行き来しています。地上の地形も、見たことのない光景です。



(手前は「放射性生物」)


                  

 水彩は、バックが藍色などの絵がわりと多いですが、最近始めたアクリル画では、ピンクに近い色合いの背景になっています。

 また、立体は、これらの絵からモティーフがぽんと出てきたような格好。

           

 裏返しても模様があったり、さかさまにしても立ったり、一工夫しています。しかも、すべて10000円以下と安いので、ほとんどが売約済みとなっていました。
 絵よりも割安な価格なのは、本職ではないという思いがあるからだそうです。制作はけっこう大変なようですが。

 自画像の「夢煙」でも、きせるの先から水泡のようなものが出ています。テーブルは美しい虹色です。
 「最近、泡に凝ってまして。でも、ことし海に出るので、あるいは絵も変わるかもしれませんね」

 昨年は陸上にいた期間の方が長かった本田さん。ことしは、南太平洋で半年間にわたり、マグロ調査船に乗るそうです。
 船上ではマグロの大きさを測ったり、腹の中を調べて何を食べているか見たりするそうです。もちろん、スケッチブックも持って行くので、絵を描く時間もあるのでしょう。


 作品は次の通り。
・水彩
spawn
spaen ii
放射性生物
蛸舟幻想
花魚IV
dive
gloomy planet
箱庭獣
os sphenoidale
夢煙
move static
夢見の町
anesthesia ananas
月十魚

・アクリル
metastasis
built
stone calm
cocoon
fluctuate
びるぢんぐ
無何有
unrest

・立体
水玉獣
ういでういで
キノコさんと縞縞獣
花塔機
カラモビール
グルグール


2009年4月21日(火)-30日(木)11:00-19:00、会期中無休
ギャラリー門馬アネックス(中央区旭ヶ丘2)




・地下鉄東西線「円山公園」から、ジェイアール北海道バス「循環10、循環11 ロープウェイ線」で「旭丘高校」降車、3分

・おなじく「円山公園」から、ジェイアール北海道バス「円11 西25丁目線」で、終点「啓明ターミナル」降車、7分

・JR札幌駅・大通西4丁目から、ジェイアール北海道バス「51 啓明線」「53 啓明線」で、終点「啓明ターミナル」降車、7分
(ほかにも、南北線の中島公園駅、幌平橋駅から啓明ターミナルや旭丘高校へ行く「山鼻循環線」があります)


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (本田征爾)
2009-05-04 16:01:16
いつも丁寧に書いてくださりありがとうございます

明日札幌を発ちます

また船で精進してきます

来年お会いできるのを楽しみにしております

それではお元気で!
返信する
Von Voyage! (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-05-04 17:08:52
船はいいですねー!
(って、仕事じゃないから、そんなに楽しいことばっかりじゃないですよね)

大洋の空気を胸いっぱいに吸って、また本田ワールド展開の養分にしてください!

わざわざコメントありがとうございます。
また来年お会いしましょう。
返信する
訂正 (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-05-04 17:09:46
仕事じゃないから

仕事だから

のまちがいでした。すいません。
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