会場にあったキャプションによると谷口さんは札幌在住で、中学・高校・大学では写真部でモノクロ写真のプリントに熱中。しばらく本格的な写真から離れていたが、近年、デジタル写真の普及で自らプリントできるようになって活動を再開し、26年ぶりの個展となったそうです。たしかに、今回拝見した作品は、プリントの仕上がりがすばらしく、デジタルにありがちなべたっと平板な感じはまったくありません。アマチュア離れしたフォトショップの技術だなあと感服しました。
今回出品されているのはすべてデジタルで、約60点。
そのうち16点がモノクロです。
個人的なことを書くと、じつは見る前はあまり期待していませんでした。
というのは、海外で撮った写真の展覧会は、たんなる旅行者のアルバムのようになってしまう例が往々にしてあるからです。
題材でいえば、今回の写真展も、モンマルトルの丘で愛をささやく人たちとか、明るい光が漏れるカフェとか、凱旋門のてっぺんから見たシャンゼリゼ通りとか、シテ島の夜の街路とか、けっこうベタというか、「よくある」感じはなくもないのですが、それを超えてそれぞれの写真が美しいのです。
とりわけ、夕方のポン・ヌフと近くのお店の明かりをとらえた1枚などを見ていると
「あー、低感度の高額なフィルムを使った写真見本で、こういう色合いのがあったよなー」
と、しみじみ思いだしました。
高級住宅街で三脚を構えて撮った夜景なども、みごとです。
モノクロには、先日の札幌アリアンス・フランセーズでおこなわれた写真コンクールの入選作品もふくまれていました。
しかし、もちろん谷口さんの技量も高いのですが、つまるところ、パリの街が美しい-ということを抜きには、話は始まらないでしょう。
美しい写真の数々を見ていると
「じゃ、どうして現代の日本の都市は美しくないのだろう」
と考えてしまうのです。
08年1月8日(火)-17日(木) 10:00-19:00(最終日-18:00)
紀伊國屋書店ギャラリー(中央区北5西5 紀伊國屋書店札幌本店2階 地図A)
今回出品されているのはすべてデジタルで、約60点。
そのうち16点がモノクロです。
個人的なことを書くと、じつは見る前はあまり期待していませんでした。
というのは、海外で撮った写真の展覧会は、たんなる旅行者のアルバムのようになってしまう例が往々にしてあるからです。
題材でいえば、今回の写真展も、モンマルトルの丘で愛をささやく人たちとか、明るい光が漏れるカフェとか、凱旋門のてっぺんから見たシャンゼリゼ通りとか、シテ島の夜の街路とか、けっこうベタというか、「よくある」感じはなくもないのですが、それを超えてそれぞれの写真が美しいのです。
とりわけ、夕方のポン・ヌフと近くのお店の明かりをとらえた1枚などを見ていると
「あー、低感度の高額なフィルムを使った写真見本で、こういう色合いのがあったよなー」
と、しみじみ思いだしました。
高級住宅街で三脚を構えて撮った夜景なども、みごとです。
モノクロには、先日の札幌アリアンス・フランセーズでおこなわれた写真コンクールの入選作品もふくまれていました。
しかし、もちろん谷口さんの技量も高いのですが、つまるところ、パリの街が美しい-ということを抜きには、話は始まらないでしょう。
美しい写真の数々を見ていると
「じゃ、どうして現代の日本の都市は美しくないのだろう」
と考えてしまうのです。
08年1月8日(火)-17日(木) 10:00-19:00(最終日-18:00)
紀伊國屋書店ギャラリー(中央区北5西5 紀伊國屋書店札幌本店2階 地図A)