道内の小規模美術館は総じて居心地の良い、また来たくなるような施設が多いけれど、この「アトリエ3モア」もほんとうにすてきなところだ。
筆者は初めて来たが、なんだか心がほっとする。プリントアドベンチャーをやっていなくても行く価値が十分あると思う。
ここは、4人が展示している。
冒頭の画像は、清水淑枝「Heroine - overture/The world of-42°winter」「Heroine - overture/The world of-42°summer」。
以前の清水さんは、女性の身体の一部をモティーフにした、シンプルでスマートな構図の作品を作っていた。
今回、多くの作家が出品しているが、会場の音威子府にインスパイアされた作品を出しているのは清水さんだけかもしれない。
女性の体は木立となって、人間と自然が、あるいは、モノトーンと七色の色彩が、祝祭のようにとけあい、共鳴しあっている。
素材になっている風景は、この筬島に来る途中の橋の上から見た天塩川だと思う。
清水さんは札幌在住だが、このアジアプリントアドベンチャーの会期中は、おさしまセンターのすぐそばにある古い家を借りて住んでいるという。
建物は旧筬島小学校で、廃校後にアイヌ民族の彫刻家砂澤ビッキがアトリエとして使っていたもの。
作品数はそれほどでもないが、ビッキの生きていたころの息づかいが聞こえてきそうな施設だ。
アジアプリントアドベンチャー、あとの3人は
今偉正(札幌)「salmon」
後藤和子(札幌)「Blue Streams 0803 from Scene 1」
蓬田やすひろ(東京)「Balmybreeze are light」
最後の部屋は、かつてビッキが通ったすすきののバー「いないいないばあ」を再現した喫茶室になっている。
カウンターの中にはたくさんお酒が置いてあるが、これは提供していない。
ビッキは、自分の作品で飲み代を払っていたということで、3モアの館長さんいわく「いちども金を払ったことがないんじゃないかなあ」。
おしぼり台から、マッチを載せる台、メニューなど、たくさんの「作品」がならんでいる。
上の画像は、そのバーに隣接したテラスから見た屋外。
そば畑が広がっていて、夏の風が吹きすぎる。気持ちがよい。
手前に立っている「オトイネップタワー」。
このタワーについては、アトリエ3モアのブログ「筬島の風」に詳しいエントリがあります。
http://bikkyatre3moa.blog.so-net.ne.jp/2007-06-28
もともと音威子府駅前にたっていたものだそうです。
08年7月1日(火)-15日
=曜日、訂正しました
ここは200円
□ブログ「筬島の風」 http://bikkyatre3moa.blog.so-net.ne.jp/