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■栗田健展「硝子戸のなか」 (5月24日まで)

2009年05月22日 21時55分38秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌芸術の森の版画工房で版画を教えている若手の栗田さんの個展。ただし、版画は1点もなく、すべてドローイングです。
 題がついていますが、これはかきおわってから考えるとのこと。すべて抽象画といってもさしつかえないと思います。

 展示方法にメリハリがあっておもしろい。
 北側の壁に、案内状にも採用された「硝子戸」「庭の輪郭」の、大きめの作品2点が並んでいますが、その横は、小品がなんと4段がけ。版画のような、マットつきの額に入ってびっしり展示されています。
「入り口からすぐ見える壁なので、強い印象を与えたくて」
ということのようです。
 こちら側の壁は、いろいろな色斑がおどる画面を、白で半ば塗りつぶしたような感じの作品がならんでいます。4段がけのコーナーに1点だけ、色の彩度が高い絵(「風景2001」)があって異彩を放っていますが、雰囲気としては、この絵の上から白い絵の具をかけたようなもの-とのことです。

 一方、反対側の壁には、わりあい色がはっきりと出ている絵が集まっています。
「天井の高さが途中で変わったり、カフェとギャラリーがあったりと、空間がおもしろいので、遊んでやれと思ったのですが、遊ばれたのかも」
と栗田さんは苦笑していました。

 ところで、画面全体に白を塗ることや、「硝子戸」というタイトルから、栗田さんの問題意識には、対象(モティーフ)とすなおに向き合うということがあまりにナイーブな事態であると感じられる現代の状態が反映しているような気がします。うまく言えないのですが、わたしたちの認識は、膨大な情報に散乱を余儀なくされているというか、素朴な反映論ではたちゆかなくなっているというか、「もの」と網膜の幸福な関係を信じられなくなっているというか、そんななかでの表現ではないかと思います。
 整理できなくてすいません。小林麻美さんが「金網」なら、栗田さんが「硝子戸」というところかも。
 

 出品作は次の通り。
「硝子の中」「瞼」
「硝子」(同題2点)、「風景」(同題2点)、「花」「壁を抜ける」「エコー」「seeds」(同題2点)、「風景(赤い輪)」「風景(輪)」「風景2001」
「硝子戸」「庭の輪郭」「写真」
「天気」「川をわたる」
「shell」「ドア」「cup」「赤い車」「あの木」「川」「森の中の家」
「水鳥」「鳥」「声」「aloe」


2009年5月12日(火)-24日(日)10:30-22:00(日曜-20:00)
ト・オン・カフェ(中央区南9西3 マジソンハイツ)

□栗田さんのサイト http://www.geocities.jp/kuritari/



・地下鉄南北線「中島公園」1番ないし2番出口から徒歩3分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの」から徒歩7分
・中央バス「中島公園入口」から徒歩5分


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