北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■つなぎ写真展 (11月23日まで)

2009年11月19日 23時42分30秒 | 展覧会の紹介-写真
 航空写真撮影などの仕事をしている佐藤清和さんの写真を、妻の佐藤裕子さんが、コンピューターと「フォトショップ」というソフトウエアを駆使してつなぎ合わせ、横長の巨大プリントに仕立て上げた、風変わりな写真展。
 
 これが、半端な作ではないのだ。
 地図や航空写真が好きな筆者にとっては、ツボにはまりまくりの写真展だ。
 冒頭の画像で手前に見えているのは、上が天売島西海岸(360×40センチ)、下が焼尻島北海岸(同)。前者は32枚、後者は38枚もの写真をつないでいる。いずれも、ヘリコプターで高度300メートルから撮ったもので、海岸線の長さにしておよそ4キロにもなる。
 写真はすべてRAWデータで撮られており、全部合わせると600-800メガバイトくらいにはなるそう。ひえー。

 よーく見ると、家や道路などはもちろん、羊の群れや鳥の影なども見ることができる。
 この撮影のためにわざわざヘリを飛ばしたわけではもちろんなくて、佐藤さんの航空写真は、たとえば、がけ崩れの起きそうな場所の監視などに役立っているとのことだ。

 その奥の上部には、なんと83枚をつなげた、北海道神宮の参道の写真。360°をつないでいるので、右端と左端に登場する鳥居は同じもの。
 下部には、56枚からなる小樽築港-銭函の海岸線。海辺ぎりぎりに走るJRの線路と、がけの上を通る国道、烏帽子岩など、見ていて飽きない。張碓はりうすのトンネルの岸に船着き場があるなんて、知らなかった。
 しかし、この写真を見ていると、張碓駅跡まで到達するのに道がありそうだな。危険を冒して線路上を歩かなくても良さそう…。




 上は「札幌市内360度」、下は「小樽運河倉庫群」。
 上は、中央区南16西7あたりの高所から撮影されたもの。高層住宅の売り出しのチラシなどに「こんな景観です」と載せるためのものという。
 さすが、全く継ぎ目がわからないように合成しているが、真ん中からちょっと右側に見える土色の部分が札幌南高校のグラウンドで、その左側に見える横長の建物が札幌静修高の校舎であることに気がつくと
「あれ、南高校の前を走る道路と、静修高校の前の道路は、直角に交わっているはずでは!?」
と驚いてしまう。写真では並走しているように見えるのだ。かなりアクロバティックなつなぎ方をしているのに、まったく不自然さを感じさせないのは不思議。




 こちらは、函館金森赤レンガ倉庫群。
 小さな橋の上から撮った写真をつなげている。写真の端が夕方なのに、中央部が昼間-というあたりに、遊び心を感ずる。
 建物の左右の側面が見えているのもおもしろい。

 このほか、「SLニセコ号」と、会場のギャラリーが入っている建物「U-STAGE」の写真も。
 後者は、電線を消すだけで何週間もかかったという労作だ。

 というわけで、芸術ではないのかもしれないけど、誰でもおもしろいと感じる写真展だと思う。

 
2009年11月11日(水)-23日(月)10:00-6:00(最終日-5:00)
GALLERY創(中央区南9西6 地図F

□ケーエス・フォトスタジオ http://www.d1.dion.ne.jp/~kiyo1/



・市電「山鼻9条」から徒歩2分
・地下鉄南北線「中島公園」から徒歩5分
・じょうてつバス「南9西11」から徒歩9分
・中央バス「中島公園入口」から徒歩9分


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。