北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

第61回全道展受賞者展(11月7日まで)

2006年11月06日 00時15分37秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 毎年恒例の、全道展で賞を得た人たちによるグループ展である。しかし、受賞者全員が出品しているわけではないらしい。
 また、豊嶋章子のように、受賞作を出している人もいる。
 全体としては、いまひとつパワーにとぼしい感じがするが、こういう展覧会なので、あまり全体がどうのこうの言ってもしかたないだろうと思う。

 大槻力也はあいかわらずうまいが、この「子どもの日」は、この春の道教大大学院の修了制作展で発表済みのような気がする。「魚人間」が、釣竿を手にしていて、その先にかかっているのがこいのぼりというあたり、皮肉が効いている。
 阿部加奈恵は、こういうタイプの絵はすぐ有元利夫調になりがちなのだが、男性の身長を大きくしたりして、それを回避するのに成功している。
 渡邊範子「生きる」は、水彩で、絡み合う木の枝を描いている。左の中央から右上へとまっすぐに伸びる枝の存在が、全体のなかでよいアクセントになっている。
 山田一夫「限りなく北に向い(北緯42°20′から)」は、一見、廃品を集積させた工藤英雄(道展会友)の絵を思い出させるが、モティーフをすべて擦り傷のような筆で描いているところがおもしろい。
 
 工芸では、土屋幸子と原久肖子の存在感が圧倒的だ。

 版画が全体的に、保守的な傾向が強いのがどうも気になる。木版の具象もわるくはないが、もっといろんな作品が出てきてほしい。 

(文中敬称略)

11月2日(木)-7日(火) 10:00-18:00(最終日-17:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。