毎年恒例の、全道展で賞を得た人たちによるグループ展である。しかし、受賞者全員が出品しているわけではないらしい。
また、豊嶋章子のように、受賞作を出している人もいる。
全体としては、いまひとつパワーにとぼしい感じがするが、こういう展覧会なので、あまり全体がどうのこうの言ってもしかたないだろうと思う。
大槻力也はあいかわらずうまいが、この「子どもの日」は、この春の道教大大学院の修了制作展で発表済みのような気がする。「魚人間」が、釣竿を手にしていて、その先にかかっているのがこいのぼりというあたり、皮肉が効いている。
阿部加奈恵は、こういうタイプの絵はすぐ有元利夫調になりがちなのだが、男性の身長を大きくしたりして、それを回避するのに成功している。
渡邊範子「生きる」は、水彩で、絡み合う木の枝を描いている。左の中央から右上へとまっすぐに伸びる枝の存在が、全体のなかでよいアクセントになっている。
山田一夫「限りなく北に向い(北緯42°20′から)」は、一見、廃品を集積させた工藤英雄(道展会友)の絵を思い出させるが、モティーフをすべて擦り傷のような筆で描いているところがおもしろい。
工芸では、土屋幸子と原久肖子の存在感が圧倒的だ。
版画が全体的に、保守的な傾向が強いのがどうも気になる。木版の具象もわるくはないが、もっといろんな作品が出てきてほしい。
(文中敬称略)
11月2日(木)-7日(火) 10:00-18:00(最終日-17:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A)
また、豊嶋章子のように、受賞作を出している人もいる。
全体としては、いまひとつパワーにとぼしい感じがするが、こういう展覧会なので、あまり全体がどうのこうの言ってもしかたないだろうと思う。
大槻力也はあいかわらずうまいが、この「子どもの日」は、この春の道教大大学院の修了制作展で発表済みのような気がする。「魚人間」が、釣竿を手にしていて、その先にかかっているのがこいのぼりというあたり、皮肉が効いている。
阿部加奈恵は、こういうタイプの絵はすぐ有元利夫調になりがちなのだが、男性の身長を大きくしたりして、それを回避するのに成功している。
渡邊範子「生きる」は、水彩で、絡み合う木の枝を描いている。左の中央から右上へとまっすぐに伸びる枝の存在が、全体のなかでよいアクセントになっている。
山田一夫「限りなく北に向い(北緯42°20′から)」は、一見、廃品を集積させた工藤英雄(道展会友)の絵を思い出させるが、モティーフをすべて擦り傷のような筆で描いているところがおもしろい。
工芸では、土屋幸子と原久肖子の存在感が圧倒的だ。
版画が全体的に、保守的な傾向が強いのがどうも気になる。木版の具象もわるくはないが、もっといろんな作品が出てきてほしい。
(文中敬称略)
11月2日(木)-7日(火) 10:00-18:00(最終日-17:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A)