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■木が語る (2014年5月5~14日、札幌)

2014年05月14日 01時14分14秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 
 ギャラリー門馬アネックスは非常にユニークな形状をしたギャラリーとして知られており、数々の作家の創作意欲をかきたててきた。
 白く細長い形状もさることながら、突き当たりに、小さな谷に突き出たテラスが附属しており、ここが「中央区」とは思えぬほどの自然が、アートと交わるように広がっていた。
 テラスのすぐそばに育っていた1本の自然木が、昨年、朽ちていることが判明し、12月にやむなく伐採することになった。


 この『木が語る』展は、その木をなんらかの形で用いた作品を寄せた人々のグループ展。
 「用いた」というのは、木彫として使った人もいれば、木の写真を撮った人やデッサンした人もいる、という意味。

 出品者は、上ノ大作、樺澤京子、国松希根太、酒井広司、清水宏晃、長谷川雅志、藤沢レオ、船山奈月、本田滋、前田育子、山岸せいじ、吉野隆幸の各氏と、北海道芸術デザイン学科クラフトデザイン専攻の学生5人。

 冒頭画像、元々の木に手を加えたのが上ノさん。
 この場所でパーマネントコレクションになるのでは? と水を向けたが、そういうことでもなさそう。
 その向こう側の木彫は、吉野さん。おなじみのリンゴ箱で巻いているのが、吉野さんらしい。

 テラスに作品のある2人以外は、室内に作品を設置。
 画像の、左側手前は国松さんの「SHELTER」。

 中央の大きな作品は清水さんで、上部に顔が浮き出ている。
 船山さんは得意の器を出品。
 藤沢さんは、木を粉にしてしまった。工芸作家でありながら、時として非常に形而上学的なアプローチを見せる彼らしいといえそう。

 本田さんはボールペンで、木々をデッサンした。
 学生5人はいずれも、正攻法でクラフトに取り組んでいる。



 木を焼いてできた灰汁を釉薬として焼いた焼き物を出しているのが前田さん。
「何も混ぜものはしていません」とのこと。

 まず、普通であれば、絶対に一堂に会することのないメンバーが出品しているのが、なによりおもしろいと思った。


2014年5月5日(月)~14日(水)午前10時~午後6時
若松由紀枝によるコンテンポラリーダンス:5月10日午後3時~

ギャラリー門馬ANNEX (札幌市中央区旭ケ丘2)


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